哺乳量を把握するケース
授乳を完全に管理される入院生活。何度も疑問を投げかけつつも、大病院の看護師による「新生児は自律哺乳できない」という主張を、私は無視することができませんでした。陣痛促進されて早めに出されてしまうと、その子にとっての月が満ちていないぶん、哺乳力が弱くなるのでは?という疑問を払拭できない。そんなことは絶対ない!と言い切れる根拠はなかったです。陣痛促進も、管理分娩も、縁遠かったものですから。
なので、子どもを連れて退院する気まんまんだった私は、医師と交渉する前から、念のためのリスク管理は必要だと考えました。私の同室の方は、NICUに赤ちゃんを置いて一歩先に退院した、という話は以前書きましたが、その方の母乳分泌を助けるために、搾乳機の貸し出しについて、話が進んでいました。それを聞きながら、私は、自分は何をレンタルするべきか、考えていました。
あ、病院から、私に何かをレンタルするという話はありませんでした。たぶん、異常がなかったからだろうと予想します(嫌われてたからではないだろうと)。
「自律哺乳できない」前提で備えるなら、哺乳量を把握する必要があります。もし今の管理法を踏襲するなら(するよう薦められていました)、体重計と、搾乳器は持っていないといけません。そこで、遠い入院室での3時間ごとの授乳、ナースステーションでの搾乳その他で、休まる暇もないのに、新生児用の体重計と搾乳器を、ガラケーで検索する羽目になりました。画面を見るのに目は使うし、歩くし、産後すぐにやっちゃいけないことをたくさんやって、私は後でその弊害を実感することになります。
それはともかく。搾乳器については、手動のものを、Amazonでゲット。問題は体重計です。新生児の哺乳量を量れるほど細かい単位のものが見つからない、退院までに入手するにも調べる時間がない。時間と体力的に無理だと判断し、家人に体重計の手配を頼みました。結局、病院と同じタイプのものを、ダスキンでレンタルすることに(一番安かったです)。休日だったのでわざわざ取りに行ってもらって、退院に間に合わせました。つまり、病院と同じスペックが、自宅にある状態で、私は退院しました。
赤子のペースで飲んだケース
ここで、最初に戻ります。「新生児は自律哺乳できない」のか。
最初は、病院の影響を受け、3時間ごとに、きっちりと、規定量を授乳しようとしました。でも、やっぱり飲まないものは飲まない。自宅でホッとするうちに、こんな無理をする必要がどこにあるんだろう、と、通常モードに戻っていきます。なので、さっさと頻回授乳に切り替えました。
その結果、看護師が主張するように、赤子の体重は減ったのか……? ご想像のとおり……どんどん増えていったんですね~。促進されて早めに出されようと、母と引き離され、フォアグラ農場のように無理やり飲まされ続けて消耗したあとであろうと、妊娠中にきちんとお手当てされて育った子どもには、ちゃんと体力がありました。自分のペースで飲むことを許された新生児は、嬉しく飲んで、どんどん太っていきました。
せっかく借りた体重計、真面目に量ったの2日だけでした。3日目から、せっかくだからと記録を残したくらい? 病院で母子が引き離されて過ごした、あの苦行はなんだったんだろう、と心から思いました。管理されたせいで、ことがこじれたとしか思えません。
そうやって赤ちゃんは軌道に乗る一方で、私の方は、退院してからも、陣痛促進剤の副作用に苦しみ続けました。(続く)
掛カバー、敷カバー、まくらカバー、ヌード掛布団、ヌード敷布団、ヌードまくらをオーガニックコットンで仕上げた贅沢6点セット。
プレマ株式会社東京スタッフ
望月 索(もちづき さく)
8歳、5歳、1歳の三姉妹の母。
人一倍不摂生な出版仕事人が妊娠、出産、育児と経験を積むうちに、気づくとハードコアな自然派お母ちゃんに。
編集、ライター、プレマの東京スタッフ。
編著に『子どもを守る自然な手当て』、訳書に『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』など。
楽だから自然なお産ご質問などは下記ブログまで
http://macro-health.org