「これでよかったのかなぁ……?」
慎重に吟味して決めたのに、あとからそんな不安や後悔がわいてきた。そんな経験はありませんか?
たとえば、ベストセラーの片づけ本を読んで、「よし! これは捨てよう」と決めたはずなのに、あとからモヤモヤ気になってしまう。ほかの選択肢が頭の中をぐるぐるしたり、「どう思う?」と他人に意見を求めたり。それでも不安はなくならず、どうすべきかとさらに悩んでしまう。
動ける選択・動けなくなる選択
そんな経験は誰もがあるのではないでしょうか? 「しょっちゅうよ!」という声も聞こえそうですね。理由は「選ぶ」には二種類あり、多くの人がそのことを知らないからです。
ひとつ目の「選ぶ」は、悩んで動けなくなります。先ほどの例ですね。一方、ふたつ目の「選ぶ」は、すっきり前に進めます。
この二種類の「選ぶ」を区別できると、あなたは悩むことなく楽に決められるようになります。まさに、らくなちゅらる! 「決断や選択って責任がともなうし、失敗が怖いから苦手」という方でも大丈夫。それでは、二種類の「選ぶ」を見ていきましょう!
思考を使って選ぶ
ひとつ目は「思考」を使った選び方です。これはデータやノウハウ、周りの意見などをもとに取捨選択する方法です。先ほどの片付けノウハウ本もその一例です。「◯◯さんがよいと言ったから」「AよりBの方がビタミンが多いから」「お得だから」などもそうです。
思考を使った選択にはある大きな特徴があります。それは「選択や決断を避けてしまう傾向」です。決めなきゃいけないとわかっているのに、つい先延ばししたくなる。でもそれは、その人が怠け者だからでも、決断力がないからでもありません。思考を使った選択を続けると「とても疲れる」からなのです。
なぜなら、結論を出すまでに、①時間がかかる、②労力がかかる、③すっと動けない、が起きるから。その結果、本人も気づかないうちに意思決定を避けることを習慣化してしまいます。
私の受講生Hさんは「温泉に行きたくてネットで探してたんです。でも決められなくって~。そのうち疲れちゃって温泉行きを断念しちゃいました(涙)」と話してくれたことがあります。私も出張のホテル探しで、場所や料金などを比較しているうちに、気づけば3時間が経ってグッタリ!なんて失敗も。まさに思考を使った選択の特徴どおりですね。
自分の感覚を使って選ぶ
ふたつ目の選び方は、自分の「感性・感覚」を使う方法で、自分が体で何を感じているのかを判断基準にします。これは、自然体でいながらも周りの人が協力的に動いてくれて、自分も楽にすっと動けるしなやかな影響力流の選び方でもあります。
この方法だと、①すっと決まる、②よい感覚がする、③体が動き出す、となります。思考に頼らないので楽にスッと決まり、ワクワク感やすっきり感、心の落ち着き、体には活力がみなぎってきます。そして決めたことに対して迷いや後悔はなく、体が自然と動き出します。データや情報、口コミは参考にはしますが頼りにはしません。
じつは、先ほどの受講生Hさんには後日談があります。しなやかな影響力を学んだHさんは気づいたんです。「思考で選ぼうとしていたから温泉を決められなかった」のだと。そして笑顔で言いました「私、ただ癒されたかったんです。その感覚を判断基準にすればよかったんですね」と。
今は急激な変化の時代。選択や決断が必要な場面が明らかに増えました。そのとき自分も周りも心地よく楽にすっと動けて、一緒によくなっていける人が増えれば、この社会はよりよい場所になっていきますね。そんな社会を一緒に創っていきましょう。