「思いついたらすぐ動く」「ひとりで読書や考えごとをするのが好き」「美味しいお店はすぐ人に教えたくなる」「人の長所によく気づく」など、私たちには様々な個性や特徴があります。そうした個性によしあしはなく、うまく活かすのが鍵と先月号でお話ししました。そのうえで自分の個性を知り活かすヒント「影響力の4タイプR」(以下、4タイプ)に軽く触れましたので、今月はもう少し詳しくご紹介します。
4タイプは私たちのなかに存在するキャラクターのようなもので、それぞれ異なる個性と役割があります。4タイプを知ると、自分の個性を理解するだけでなく、自分や他者の個性を受け入れ活かすのに役立ちます。
影響力の4タイプR
①戦士(武)、②魔法使い(智)
③恋人(愛)、④主権(統)
①戦士(武)の役割は「行動する」ことです。勇気と自制心があり、献身的で大切な人や目的を守るために行動します。やると決めたことは即行動に移し、やり抜く力も備わっています。たとえば、健康促進のため毎日運動すると決めたら継続する、目の前に困っている人がいたら躊躇なくすぐに手を貸すなどの行為は典型的な戦士の行動です。戦士らしい職業には、消防士、プロアスリート、大工などがあります。
②魔法使い(智)の役割は「考える」ことです。俯瞰力に長けていて物事の本質を見抜くのが得意です。言い換えると、感情に振り回されることなく客観的に観察し、事実に基づく思考を強みとします。文章読解、分析、仕組み作りなどは魔法使いの特性を活かした行為で、研究者、医師、システムエンジニアは代表的職業です。
③恋人(愛)の役割は「感じる」ことです。感覚機能を通して、この世界のあらゆることを感じとるアンテナといえます。そのアンテナで感受した喜怒哀楽や自然の変化などさまざまな彩りを表現し、他者とわかち合うのも恋人の特徴です。芸術家はまさに恋人らしい職業といえましょう。他者の気持ちを感じ取る力があるので、対人コミュニケーションもお手の物です。
④主権(統)という言葉は馴染みが薄いと思いますが「天皇皇后両陛下」や「王・女王」を想像してみてください。主権の役割は「秩序をもたらす」こと。すべての命の幸せを実現するヴィジョンや目的を描いています。互いの個性や強みを認め活かし合いながら、お互いの幸福を実現する共創共生の精神をどんなときも抱いている存在です。あり方で人を導くのが主権といえるでしょう。抽象的に感じるかもしれませんが、すべての人に主権は存在します。
優勢なタイプはあなたの個性
影響力の4タイプRはすべての人に存在します。そのなかでも、他の3タイプより前面に出やすいタイプがいます。ただし、前面に出るタイプは人によって異なり、その人の個性につながっています。たとえば「ひとりで考えごとや読書をするのが好き」という人は、戦士や恋人よりも魔法使いが前面に出やすいといえますし、口コミを生み出す力が凄い人は恋人が前面に出やすい方でしょう。チャレンジ精神旺盛といわれることが多い人は、まず間違いなく戦士が優勢な人です。
あなたはどのタイプが前面に出るでしょうか? 私のケースですと前面に出やすいのは恋人なので、人と話すことや共感することは比較的楽にできます。そこを活かして講師やコンサルタントとして人材育成に携わっています。一方、魔法使いタイプが得意な仕組み作りや書類管理などは、そこに長けている人と力を合わせるようにしています。
このように自分、さらには他者の個性を受け入れ活かし合えると、お互いが楽なだけでなく、周りの役にも立つので喜ばれます。自分ひとりでは成し遂げられないことが実現し、喜びも倍増します。そんな個性の活かし合い方をしていきたいものですね。