新しい年が始まって1ヶ月余りが経ちましたね。さて、ペンと紙をご用意くださいますか? この1ヶ月余りで、
「良かったことはなんでしたか?」
「できたことはなんでしょうか?」
「なにに幸せを感じたでしょうか?」
それぞれの問いへのあなたの答えを書いてみましょう。そして、書いてみてどんなことを感じましたか?
こうしてあらためて振り返ってみると、良かったことが意外とありますよね。日頃はできていないこと、残念だったことに目が向きがち。しかし、振り返ってみれば、思っていたよりも良いことやできたことがありましたね。些細なことも、大きなことも、思い出したら、嬉しさや元気が湧いてきたのではないでしょうか。
過去にお宝あり
私はこれを「振り返りの技術」と呼んでいます。アドラー心理学がベースのコーチング流派を学ぶなかで、身につけました。冒頭の3つの質問は「振り返りの技術」の一例です。この振り返りの技術をもちいるとだれでも簡単にやる気が湧いてきます。
なぜなら、私たちは、良かったことからも、イマイチだったことからも、学ぶことができるからです。振り返るからこそ、過去のできごとから学べます。自分が大切にしたいことや次に活かしたいヒント、それらは過去からの贈り物、宝物です。私たちはそれらをもって、理想の未来を描けて、そこへ向かってチャレンジできるのです
昨年の大晦日に、この振り返りの技術をもちいた2023年の目標設定の講座を開催しました。すると、参加者のおひとりが興奮げに「だからか~! 反省会は悪かったことの指摘ばかりだから、気分が滅入ってやる気がでないんですね!」と唸っていました。「反省会より振り返り」が合言葉になりました。
私たちは過去を振り返り、「良かったことは良かった」「チャレンジしたことはチャレンジした」と事実を受け入れるから、活力が湧いてきます。失敗があっても、自分やまわりをまるっと受け入れるから、未来に対してもっと取り組む意欲や勇気が湧いてくるのです。
そのとき、私たちはまた未来を信じ、自分を信じ、まわりを信じて、力強く前へ進んでいけます。可能性も未来も諦めなくていいのです。
反省会より未来描き
だからといって、上手くいかなかったこと、できなかったことを放置して大丈夫なのだろうか?とザワザワしますか? ご安心ください。課題にも取り組みます。放置したりはしません。ただの反省会もしません。残念な結果だったかもしれないけれど、トライしたことはあったはずです。実行しなかったかもしれないけれど、やろうという気持ちはもっていたはず。その事実を事実として認めると、そこから未来へつなげたいあなたにとって大切なことが明確になります。
この時期、新年に立てた目標があまり進んでいなくて、自分にがっかりする方もいます。いままで目標設定で、どんな残念な思いをしたでしょうか?
それとも、目標設定をしてこなかったことが後悔でしょうか? 声を大にして言わせてください。安心してください! 今まで目標設定を難しく感じたのには理由があります。
それは目標を考える前のステップが1つ抜けていたのです。そのステップとは、やる気が湧いてくる過去の「振り返り」です。振り返らず未来を描こうとすると、過去と未来の接触が悪く、自分の理想と齟齬が起きることがよくあるのです。
今までの思い込みがスルッと抜けて、可能性が広がっていく「振り返りの技術」。まずは冒頭の3つの質問からぜひご活用ください。私は毎日寝る前に自分との対話に使っています。明日へ向けてワクワクし、自分にOKを出しながら、気持ちよく眠れますよ。