前回は牛乳の潜在感染について書きました。今回は、その流れで潜在感染からは少し離れますが、当院で牛乳を辞めるように指導している、その他の理由について、知って頂きたいと思います。なぜ、私が牛乳にこだわるかといいますと、牛乳や乳製品が体に良いと信じている方があまりに多く、牛乳教に洗脳されているような状態だからです。過激な表現ですが、これが本音です。もう少し詳しく例えるならば……もし、あなたの家族の誰かが、カルトの宗教団体に入信して、毎日毎日あやしげな液体を買ってきては、「これを飲めば解脱できるんだ」と言いながら飲んでいたらどう思われますか? 必死で説得して辞めさせようとするのではないでしょうか? 今の私はそんな心境なのです。ちょっとオーバーだったかな? いやもしかすると、牛乳教はカルト宗教よりももっとやっかいなものかもしれません。なぜなら、牛乳教は、乳製品を販売する会社、そのCMを流すマスメディア、牛乳を自動的に飲ませる学校給食、文部科学省、乳製品の摂取をすすめる助産師、保健師、医師、栄養士、厚生労働省、その他大多数の一般人、これらの人々によって、なんの疑問もなく(洗脳されているという自覚もなく)布教されているからです。それでは今から、その洗脳を解くために必要な知識を身につけていきましょう。
参考図書として最適なのは『なぜ「牛乳」は体に悪いのか―医学界の権威が明かす、牛乳の健康被害 フランク・オスキー著 東洋経済新報社』。著者のフランク・オスキー先生は、アメリカの小児医療、血液学、栄養学の権威で医学教科書の執筆もする「すごくえらい先生」です。この本に書かれている内容は、すべて引用先の医学文献が分かるようになっています。治療する上で最もやっかいなのは細菌汚染だと感じていますが、それ以外にも残留農薬の毒性の問題、カルシウム源として不適切であること、青少年の精神面に悪影響を与えること、などが記載されています。
その中でも特に誤解が多い、牛乳でカルシウムをたくさん摂取できるか? という問題について解説します。牛乳、乳製品を辞めましょうと診察時にお話しをすると、多くの方が、「じゃあカルシウムはなにから摂ったら良いのですか?」と質問されます。牛乳イコールカルシウムという洗脳が行き渡っている証拠です。『なぜ「牛乳」は体に悪いのか』によると、牛乳には確かにカルシウムが多く含まれていますが、それ以上にリンという成分が多く、リンは腸管内でカルシウムと結合して、カルシウムの吸収を阻害すると記述されています。また、ヒトの母乳は牛乳の約4分の1程度しかカルシウムが含まれていないにもかかわらず、母乳栄養児の方が多量のカルシウムを摂取しているそうです。厚生労働省が推奨している、カルシウムの1日摂取推奨量600ミリグラム以上という数値も、牛乳から摂取する場合と比較して、野菜や海草などから摂取する場合では、もっと少なくてすむ可能性があるのではないかと考えています(もしカルシウムの1日摂取推奨量が減れば、給食の牛乳は必須のものではなくなるはずです)。
山内昌樹
医師 山内昌樹氏 平成19年まで一般小児科医として診療を行うかたわら、統合医療を志しYHC矢山クリニックで小児科を担当。平成22年12月佐賀市内に『統合医療やまのうち小児科・内科』を開院。 医師となってから、重病の患者さんが劇的な回復をすることや子どもの生命力の素晴らしさなどを経験するも、個人差を考慮しない画一的な治療、ステロイド薬や免疫抑制剤の副作用など、西洋医学の限界を感じる。 漢方薬や代替療法と西洋医学を融合して治療を行うYHC矢山クリニックで小児科を担当、病気の真の原因を学び、実際の診療で効果が見られることを経験。 |
統合医療やまのうち小児科・内科 当院では漢方薬を中心に、代替療法、西洋薬を一人ひとりに最も合うように治療します。乳幼児から御高齢とわず、未病の治療や健康維持から、慢性疾患の治療まで幅広く診療を行っています。 〒849-0915 佐賀県佐賀市兵庫町藤木772-3 電話: 0952-33-8500 http://www.yamanouchishounika.jp/pc/ |