心機一転の宮古島移住と新規就農からはや6年。「光陰矢のごとし」「少年(じゃないけど……苦笑)老い易く学成り難し」が心に染みます。先月に続き、「走りながら考える・考えながら走る」試行錯誤の日々を積み重ねながら着実に歩みを進める、オルタナティブファーム宮古の今年の抱負を語ります。
豊かな生活の循環に近づくこと
宮古島は沖縄県のサトウキビ生産の40%程度を担い、栽培面積・収穫量ともに国内最大の生産地ですが、サトウキビの専業農家は皆無に等しいのが実態です。世界一の生産量を誇るブラジルと日本の間には数百倍の生産量の差があり、埋めがたい価格差があります。サトウキビ一トン当たりの国際価格は五千円、加えて国内農業の保護政策として一万六千円程度の調整金が支給されますが、それでもなお生活が成り立たない状況です。
オルタナティブファーム宮古では、サトウキビの付加価値を高めるため、試行錯誤を続けてきました(苦い経験を重ねてきたというのが偽らざる本音です)。畑一反(約千平米)当たりの売上を「反収」といい、宮古島でのサトウキビ栽培は反収十四万円程度です。ここから経費を差し引くと利益はわずかで、大規模栽培でもなかなか生活が成り立たちません。弊社では、栽培~加工、体験型観光を連携して付加価値を高めることで、昨年、反収三百六十万円の実績を作ることができました。
まだまだ課題は山積みですが、「生鮮作物としてのサトウキビの本来の美味しさをお届けする」という使命を胸に、高い付加価値をもつサービス・品質を提供し、お客様と生産者が共に豊かさを享受できる持続可能な事業の実績を作ることを目指します。