未曾有の不景気と言われるなか、自らの意向と反して失業してしまう人が多いことはご承知の通りです。これについて、企業の倫理や労働法のありかたについて論議されることが当たり前になっているわけですが、私は少し違う目線からこの事態を見ています。
全体として有効求人倍率はどんどん低くなっていると世間では認識されています。しかし実際には職種によって全く状況は違うと言うのです。求人が減っているのは主に製造業や事務職であり、一方で、まだまだ人手が不足しているのが林業・農業・介護・飲食などの3Kと称される職域です。これらの仕事での人手不足は相当深刻な状態で、外国人の雇用機会を増やさないと、存亡の危機に直面するくらいに応募者がいない状態が続いています。大手の飲食店などはここぞとばかりに求人広告を出し続けても、必要人員が確保できないというのが実際のところのようで、求職と求人の間に大きなギャップがあることは間違いないと考えられます。
これらの「人材の不足している業界」は、まさに私が会社として今後取り組みたいと思っている領域に他ならないのです。経営者である私が魅力的に感じる領域が、働く人にとってはまったく魅力がないか、少なくとも失業状態にあっても働きたくない仕事になっていることが不思議でなりません。私がこれらの業界に関心を寄せている要因は、中長期でこの国のありかたを考えたときに、必ず必要性が高まると想定されるからであり、それが相対的に皆さんの役に立つ機会になると感じているからに他なりません。逆にいえば、短期的には困難な事象が予想されるともいえるわけです。
実際に農業に参入しようとしてわかったことは、新参者が農地を購入するには複雑な手続きや関係作りに異常なまでの労力が必要であり、実際に事業を行うことよりも労力を必要とする雑多な事柄が多すぎるということでした。将来必ず必要性が大きくなるとわかっている分野であっても、経営者は参入が難しく、働きたい人が魅力を感じず、応募者も極めて少ないとなれば、今の不人気業種が固定してしまうことは当たり前だとも言えます。まさにこの国が優先順位の高い事柄を後回しにし、外国の要求に応えることだけに注力してきたつけが回ってきた結果と考えられるのではないでしょうか。
働く人にとって魅力的に感じられる大きなビジョンが求められているのがこれらの産業であり、今はそうなっていないのであれば、若手経営者がドシドシ打って出られるように新しい施策を打って欲しいと思う一方で、それをいくら待ってみても今の政治に期待は出来ないとう半ば諦めもあります。外国に依存しない食料や建築資材の確保、少子高齢化社会に応えるサービス・・・・いくら考えても必要性は高いのです。たとえ最初は小さな歩みであっても、自ら切り開く覚悟を決めるしかなさそうです。
ラオスでの活動紹介をスタートしました!かねてより当ニュースレターの誌面やメールマガジン、ブログ等にてお伝えしてきました、弊社のラオスにおけるクラスター爆弾除去ならびに中学校建設プロジェクトを紹介するウェブページが完成しました。ウェブページでは、まだまだ知られていないクラスター爆弾の問題を取り巻く実情や、ラオスの人々の暮らしについて、さらには昨年現地に足を踏み入れた弊社スタッフ宮崎の視察レポートも掲載しています。また今後のプロジェクト進捗についても、随時報告していきます。
昨年末には中学校建設費用の贈呈を終え、さらに中学校の建設予定地からは不発弾がすべて除去されました。皆様方からの温かいご支援により、プロジェクトは一歩一歩前進しています。どうぞ引き続き、当プロジェクトを応援してください。よろしくお願いいたします。 |