先回、花粉症の原因は肌や粘膜の乾燥、水不足が原因というお話をしました。
例えば、体調が優れないと、お肌が乾燥して化粧ののりが悪くなるという経験はありませんか……?
体の中の水、生体水の働きから考えると、意外にも、大気空気の乾燥とお肌の乾燥はそれほど関係ないことがわかります。大気空気乾燥がお肌に悪影響をおよぼし、乾燥肌になってしまうということは、その度合いのせいぜい20~30%位だと考えられます。
最近の研究では、体の中で「水」は、すべての生体反応を司り、担っているということから、体の重要器官を優先的に潤すことがわかってきました。
人の体を分子レベルで研究する分子生物学の世界では、水分子の存在により、脳細胞の修復や遺伝子の修復が行われているということが報告されています。このことで、体に問題が発生した時には、体の重要な器官である、脳や内臓器に優先的に水が集まることになっているようです。そのため、健康障害が発生した時には、排泄器官として水が廻ってくるのが最後になっている、お肌や、鼻孔・目・のど・食道などの空気に触れている粘膜は、一番の水不足に陥ることになります。
動物の一員である私たちも、春先や秋口の季節の変わり目は、次の季節にあわせてホルモンのバランスが変化する時で、普段の生態活動の何倍ものエネルギーが必要になります。特に春先は、新年度の職場の移動や学校受験などにより、脳のストレスも大きく重なって、大切な水がいつも以上に重要器官の方に奪われ、お肌に不足してしまうことになってしまいます。
例えば、秋から初冬の季節を動物細胞レベルで考えてみますと、夏場に酷使してオーバーヒートしてしまった内臓器・器官を休め、修復する大切な時期であり、常に生体水は内臓器へと集まることになります。この時期に、良質の水でしっかりと内側から潤いを補給しないと、最後の到達地点であるお肌に水が廻らず、乾燥してしまうことになります。
また、季節に関係なく一年を通じて、アトピー性アレルギー症などと診断される乾燥トラブル肌でお困りの方は、過度の精神的ストレスがある方、出産などによりホルモンバランスが崩れて元に戻らない状態に陥っている方など、何らかの原因により、常に内臓器の働きが弱っていることが考えられます。
肌の乾燥や粘膜のアレルギートラブルは、大気空気の乾燥が主原因ではなく、体調不良による、内臓器のトラブルから、体の表面を潤わす水が極端に少なくなることで発生しているのです。
お肌は大切な排泄器官にもなっていて、身体の中で働きを終えた老廃物を分解処理して排泄しています。お肌が水で潤っていないと体内からの老廃物が溜まってしまい、紫外線や大気中の花粉、化学物質の粉じんなどと反応し、強酸性化したアレルゲン物質を肌表皮で生成してしまいます。
このようにして、ちょっとした乾燥肌、アレルギー症状と捉えて済ませていたことが、お医者様にも原因不明とされるアトピー性皮膚炎、涙目・鼻炎などの酷い粘膜アレルギー症状のトラブルとして現れてしまうのです。
岸 清美
岸 清美氏 1990年株式会社オーブス都市空間研究所設立、94年オーブス株式会社に社名変更。 現在、同社代表取締役。一級建築士。都市・地域開発を通じて自然科学・天然物理の実際、および「水」の不思議に触れ、水の研究開発事業の道へ。 現在、夢水肌シリーズなどの基礎化粧品のほか、ユーカリプタススプレーやあそぶうぉーたーなど、水を応用した様々な開発を行っている。 オーブスの記憶水シリーズ >> |