最近、外に出かけて授業をするときお道具袋を持って出かけるようになりました。以前はそんなことを感じたりしなかったのですが、自分の手に馴染む包丁やお箸を使ってお料理をすると気持ちがとても落ち着くのです。
お料理は素材の振動を十分に活かしながら調節をとっていく作業です。その振動を活かすものに、環境、お鍋、そして道具が存在しています。どれをとってもお料理には欠かせないものなのです。
京都の料亭の板場で修行をしている人たちは、まずは包丁の研ぎ方から習うそうです。
包丁がよく切れるために手入れをするのはもちろんですが、研ぐという行為は身体と包丁を一体化させてくれる作業だと思います。ただ、研ぐのではなくその研ぐという行為の中で手と包丁に同じエネルギーが流れ同一化してくるのです。そのときはじめて、野菜を切るときの角度やどの部分を使うと一番野菜にとって心地いい状態を作れるのかを包丁が教えてくれるのです。
盛り付け箸は先が細くなっていて繊細な振動を作ってくれます。竹を削って1本、1本手作りされた盛り付け箸を持つと、背筋がしゃんと伸びるような気がします。お箸を作ってくださった方々の想いを受け取ることができるような感じです。そんなお箸を使って盛り付けると野菜たちをよりおいしく見せてあげられるようにと、自然とお野菜を見て盛り付けることができるのです。
そのほかにも日本にはお料理をするための道具がいっぱいあります。どの道具も本当の作り方をしたものは作ってくださった方々の想いを感じることができます。少しお値段が張るものもありますが、お料理とはそんなたくさんの想いの集大成で出来上がっていくものだと思っています。そして、盛り付ける最後の瞬間は、お野菜を作ってくださった人、調味料を作ってくださった人、道具を作ってくださった人、みんなの気持ちをひとつにまとめあげる最高の瞬間だと最近つくづく思っているのです。
だからでしょうか、できるだけ想いを感じることができるものを使ってお料理を作りたいと思っています。そしてマクロビオティックが伝えていることは振動を活かし、振動を作ることの大切さのような気がします。
.。゚+..。゚+.☆ 今月のMie’s Recipe ☆.。゚+..。゚+
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中美恵
中美恵(なか みえ)氏 KII認定 マクロビクッキングスクール校長 東京南青山プライベートサロン Mie’s Room 主宰 1997年に、KII認定マクロビオティックカウンセラー・中広行氏と出会い、料理法や理論を学び始める。 2000年「おいしく、楽しく」をテーマにした「マクロビクッキングスクール」を大阪に開校し、全国に展開。現在は料理に留まらず、マクロビオティックに出会うことで多くの可能性を手に入れた自身の経験を活かし、「年を重ねるごとにキラメキを増す」「今の時代に望まれる素敵な女性」をテーマに、多彩な場面で活躍中。 中美恵公式サイト https://miesrecipe.jimdo.com/ >> |