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鍼療室からの伝言

鍼灸師の西下先生による陰陽や自然食。二十四節気など古来の智恵のお話

圭鍼灸院 院長 鍼灸師
マクロビオティック・カウンセラー

西下 圭一 (にしした けいいち)

新生児から高齢者まで、整形外科から内科まで。年齢や症状を問わないオールラウンドな治療スタイルは「駆け込み寺」と称され医療関係者やセラピストも多数来院。自身も生涯現役を目指すアスリートで動作解析・運動指導に定評がありプロ選手やトップアスリートに支持されている。

心地よい時間を選ぶ

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新しくなにかを買おうとするとき、モノを買うのではなく、そのモノとともに過ごす時間を買うと考えるようにしたいものです。
 
前回、道具の話で、スポーツ選手が自分の実力に合っていないモデルを使うことについて触れましたが、それが一概にどうとは言い切れません。一流選手が使っているモデルを手にすることで、その選手を目標にさらに熱心に練習するようになるのであれば、それはそれで良いモチベーションといえるでしょう。また、高価なモノを買ってもらえた嬉しさから、練習や試合の後にきちんと手入れをする習慣がつくのであれば、それは価値あるものとなるでしょう。モノを買うのではなく、モチベーションを買うのであり、習慣を買うことでもあるのです。
 
自分が選んで買ってもらえたものを大事に扱うのは当たり前。子どもたちにそうあってほしいと願う立場として、大人の勝手な「高いもの」イコール「良いもの」という思い込みで買い与えることには疑問を抱いてしまいます。

モノを大事にするしつけ

家庭で毎日欠かさず手にする箸は、自分の手に馴染むものをきちんと選ぶようにしたいもの。西洋のカトラリーが、スプーンはすくう、フォークは刺す・押さえる、ナイフは切るといった機能に応じた形なのに対して、箸は細い二本の棒を器用に使うことで、つかむ・つまむ・すくう・切る・割くなどができます。自分の手に馴染んだものであれば、こうした行為のひとつひとつがストレスなくできるでしょう。
 
手に馴染む箸を選ぶなら、専門店とまではいかずとも、種類があって、実際に手に取れるお店にしたいところ。箸にも寿命があって、塗りが剥げて黒ずんでくるまでおよそ一年といわれます。毎年同じ時期に家族で出掛け、それぞれの箸を自分で選ぶのも良いでしょう。また、お子さんが小さなうちは、誕生日前後に一緒に選んであげるのも良いでしょう。下手にプレゼント選びで悩むより、一年間の食事での楽しい時間を一緒に買う。やがて、箸に限らず欲しいものができたときに、いま自分に本当に必要なのか、素材やデザインは自分の好みか、実際に使ってみて自分の手(足)に馴染むか、流行に惑わされることなく自分で吟味する習慣を身につけることがでそうです。
 
自分でよく考えた末に選んだものが高価であったとしても、その先の心地よい時間を思い描ければ良しとする。そういう判断力を身につけるためにも、きっと良いしつけとなるでしょう。

食卓から未来を育てる

健康相談の際には「まず調味料は良いものを選ぶように」と伝えますが、「でも、高いから……」と返ってくることも少なくありません。原材料や製法にこだわったものは、量販店の特売品などに比べると確かに数倍の価格がします。ただ見かたを変えれば、その「数倍」の価格差は「数百円」の差ともいえるのではないでしょうか。しかも調味料は、それを使い切るまでに、短くても数週間、長ければ数ヶ月はかかります。わずか数百円の差で、それだけの期間、安全でおいしいものを口にできる安心感を買えるのです。それだけ意味のある価格差と考えればよいのではないでしょうか。
 
忙しい日々のなか、毎日家族そろって食卓を囲むのは無理でも、週に一度でいいから親子で一緒に食事をする。その積み重ねのなかで、食器も食材も自分で選ぶ力が養われていくのではないでしょうか。まずは、箸を選びに一緒に出掛けてみてはいかがでしょう。

- 鍼療室からの伝言 - 2019年10月発刊 vol.145

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