2015年 12月 の投稿一覧

【Vol.99】2015年、 季節のめぐりを振り返る

2015年も残り一ヶ月を切りました。今年はどんな年だったでしょうか? 季節のめぐりとともに振り返ってみませんか。

「季節とつながり生きる知恵」より
圭鍼灸院・西下先生の連載を元に、季節季節ごとの過ごし方や行事などを振り返ってみましょう。

睦月 1月

七日 七草粥 
若草を食して一年の健康と長寿を祈るとともに、お正月に乱れた体調を整える。七草は「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」。七草を入れたお粥は胃腸に優しく、心身をデトックスしてくれる。
二十日 骨正月 
お正月の祝い肴の残り、魚の骨や頭を焼いたり煮たりして食す。カルシウムやミネラルたっぷりのそれらの部位は、まさに「残り物には福がある」食材。
二十日 二十日灸
お灸をすえるとよく効く日とされている。一年で最も寒い時期をしのぐ工夫。『奥の細道』にも登場するツボ「足の三里」は、胃腸を整え、自律神経にも効く万能のツボ。

如月 2月

三日前後 節分
節分とは季節が冬から春に変わる「立春」の前日。豆まきで邪気(鬼)を払い、健康と繁栄(福)を呼び込む。 豆まきに使われる大豆は優れた植物性タンパク源。ただし過剰摂取は体を冷やす原因になる。納豆や味噌のような発酵食は、体を温めるのでおすすめ。毎日一杯の味噌汁は、腸内環境も整えてくれる。

弥生 3月

春は発散の季節で、下から上へとエネルギーが拡散していく。これが花粉症の一因にもなっている。対策は「下」のエネルギーを補うこと。セルフケアとしては、足湯や下半身浴がおすすめ。

三日 ひな祭り(桃の節句)
三色の菱餅には、緑・白・朱それぞれに意味があり、女の子の健やかな成長を願っている。ちらし寿司は、春の季節ものが集約された料理。お吸い物のハマグリは、良い縁組みへの願掛けでもある。季節の行事と食文化には密接な関わりがある。

卯月 4月

上へ向かう気の力が働き、頭に血が上りやすい季節。筍の天ぷらを食べて吹出物ができるのもこのため。緑黄色野菜、山菜など旬の素材を使って、水、火、塩の加減、時間や圧力なども調整しながら、季節と調和した料理で、バランスを取る。
新年度の生活環境の変化から、五月病が起こりがち。原因のひとつに肩の凝りがある。特に現代人は、PCやスマホの使用により、うつむいた姿勢になりがち。これが気持ちを鬱傾向にしやすい。PC作業中、15~30分に1回は上を向く、前を向いて歩くことを意識するなどが予防に効果的。

皐月 5月

五月五日 こどもの日(端午の節句)
こいのぼりや柏餅、菖蒲湯などで子どもの健やかな成長を願う。

五月六日前後 立夏
暦の上での夏。日照時間が伸びていく。積極的に外に出て、日の光を浴び、自然を感じる。

水無月 6月

熱中症対策には梅干しや梅酢がおすすめ。疲労回復、消化吸収などを助ける。減塩の調味梅干しには本来の効果はなし。スポーツドリンクなどは糖分が多くおすすめできない。

夏越(なごし)の清め
半年の穢れを洗い流し、無事に感謝して、また半年を迎える。

文月 7月

土用丑の日
立秋の前日までの18日間を土用という。立春・立夏・立冬も同様。季節の変化に合わせるため体調が不安定になりがち。食生活が豊かでなかった時代は栄養をつけることが必要だったが、むしろ食べ過ぎの傾向にある現代人は胃腸を休ませた方が良い。

お夏めし・川原めし・飯事(ままごと)
女性が川原に集まって石でかまどを作り、炊事用具を持ち寄って五目御飯を炊き、柿の葉に盛りつけていただく。昔ながらの地域コミュニティ。

葉月 8月

夏バテ予防法のひとつは、胃腸に負担のかかる水のガブ飲みをしないこと。ペットボトルよりコップから、一呼吸置いてから水を飲む癖をつける。熱中症対策には、適度な水分と塩分。不必要な糖分を取りすぎていないか要注意。

お盆
先祖の霊が戻ってくるといわれ、それを供養する。

葉月 8月

夏バテ予防法のひとつは、胃腸に負担のかかる水のガブ飲みをしないこと。ペットボトルよりコップから、一呼吸置いてから水を飲む癖をつける。熱中症対策には、適度な水分と塩分。不必要な糖分を取りすぎていないか要注意。

長月 9月

冬に備えて体がエネルギーを蓄えようとする時期。一日三食のうち「二食は自分のため、一食は医者のため」といわれるように、食欲に身を任せず、食べ過ぎに注意する。

中秋の名月
別名「芋名月」、里芋を備える風習もある。里芋は胃腸を健やかに保つのに役立ち、また、湿布薬として外用のお手当てにも用いられる。

神無月 10月

収穫を祝うお祭りが多く催される季節。かつて祝いの場にはお赤飯を炊いていた。また、毎月1日と15日には小豆ご飯を食べる習慣があった。小豆は、食物繊維が豊富で、ビタミンやタンパク質の補給にも優れている。むくみを解消し、風邪予防にもなる。
祭りのお供え物に共通するのが、米=中庸・水=陰・塩=陽。このバランスが日々の食事においても重要で、日本の食文化「一汁三菜」は、それを適切に取れるようにできている。

霜月 11月

体を温める「レンコン湯」が活躍する季節。レンコンは、呼吸器のトラブルを予防してくれる。 また、ワクチンが話題になる季節。賛否両論あるが、まずは自己の免疫力を上げることを意識。

十五日 女の神ごと
秋の収穫作業も一段落する時期、男性が台所に入って料理をし、女性が体を休める日。 「油祝い」ともいい、油気のある料理「けんちん汁」を作るならわし。大鍋につくったけんちん汁を囲炉裏にかける「霜先の薬喰い」とも呼ばれる。

師走 12月

今号「季節とつながり生きる知恵」参照

今一度、一年の自然のめぐりと自分の生活を振り返り、良かったところや改善点を認識しつつ、今年のよい締めくくりとしてください。

【Vol.99】人と動物が共生するために 丹後の鹿害から見る問題

兵庫県丹後市を中心とした鹿害の取材に同行する機会を得ました。なにが原因でなぜ対策が必要なのか。現場ではじめて見えてきた事実を知っていただきたく、ご紹介します。

イメージと真逆?  獣害問題の今

鹿害をはじめとする獣害の現状は、イメージとはまったく違ったものでした。
まずは現状をできる限り正確に把握し、共有すること。
それが問題解決の第一歩となるはずです。

なぜ、鹿害を取材するのか

先日、兵庫県丹波市における鹿害の取材に同行してきました。なぜ鹿害なのか。実は今、農業の現場において、高齢化と共に深刻な問題なのが、獣害なのです。有機、自然栽培などの農法に関わりを持つ中で、またそれらの農法を次世代につなげていきたいと考える中で、獣害への対策というのは、避けては通れません。 今回お声がけくださったのは、株式会社アバンティの渡邊社長。以前より鹿害の問題に着目し、その取り組みを支援される中で、今回、「Green TV」という環境映像専門のインターネットメディアによる取材が行われることになり、一人でも多くの人に知ってもらいたいと、一行に加えていただきました。 弊社でも、鹿肉ドッグフード「ドッグスタンス」や、鹿皮スキンケア製品「まとも」など、鹿害対策の取り組みと無縁ではありませんでしたが、その本当のところを分かっていたかというと……開発により森が荒れ、餌が少なくなり、鹿が里に下りてきた……取材前はそんなイメージを持っていました。しかし今回、それが現実と違ったものであることを知りました。

まず、野生動物の保全と管理を目的として平成19年に開設された「兵庫県森林動物研究センター」で、獣害、特に兵庫県における鹿害に焦点をあてつつ、歴史的な背景から、現状とその対策について教えていただきました。 人と獣の関係は、はるか昔、縄文時代まで遡ります。特に鹿は、肉は食料として、毛皮は衣類として、骨は釣り針などに、余すところなく活用されてきました。それは弥生時代に入り稲作文化が根付いてからも変わりませんでしたが、江戸時代に入ると状況が変化します。その時代、狩猟には主に鉄砲が使われていましたが、江戸時代には鉄砲の規制が厳しくなり、獣害が深刻化します。このため、狩猟用の銃に関しては規制が緩められます。農民たちにとって、鉄砲は武器ではなく、なくてはならない農具だったのです。 明治、大正時代に入ると、状況にまた変化が見られます。この時代においても、鹿をはじめとする野生動物は貴重なタンパク源でした。また、海外との交易が活発化する中で、毛皮の需要が拡大、さらに鉄砲の性能が向上したことで、日本の多くの毛皮獣は絶滅寸前に陥ります。この状況は昭和まで続き、日本は戦後、山に野生動物がほとんどいない状態で、社会の仕組みができあがりました。

人と野生動物の歴史の変遷

森も、大きな変化を経てきました。江戸時代から昭和初期にかけて、里山の延長にある里山林は、炊事や製塩の燃料となる木材採取の場でした。その頃の農業は落ち葉を堆肥とする刈敷農法で、その落ち葉も里山林から採取していました。さらに鉱物資源の精製にも燃料として木材が必要とされ、当時の社会は森林資源に大きく依存していました。その結果、里山林、そして奥山にまで、はげ山が広がる事態となったのです。 しかし、1950年代、燃料革命により主たるエネルギー源が石炭から石油へと移行したことにより、木材の伐採が止まり、失われた緑を取り戻そうと植林も行われるようになります。兵庫県にある六甲山では、日本初の植林が行われました。それらの森は50、60年経ち、二次林として成長します。並行して、絶滅寸前にまで陥っていた野生動物の保護政策が実施されます。再生した森で保護された野生動物たちは、急激にその個体数を増加させ、1970年代後半からは、逆に獣害の問題が表れ始めます。

鹿害による被害の実情

増えすぎた野生動物は、森を荒らします。まず下草(下層植生)や新芽が食べ尽くされ、下草植生が失われ、さらに木の根や皮に被害が及びます。特に、木に栄養を行き渡らせる管が通っている部分(維管束形成層)が、好んで食べられます。木にも再生力があるのですが、それを上回る勢いで食べられてしまうと、立ち枯れが起きます。下草があり、成長途中の木があり、大木があり……そういった森の立体性が失われると、土に柔らかさや厚みがなくなり、虫が消え、鳥が消えます。森に季節が巡らず、ひとたび豪雨などが起こると土砂災害を引き起こします。 森の再生のために、兵庫県では、森の一部を柵で囲み、そこに鹿を入れないようにする試みもなされています。元々の被害が少なかった地域では、3年ほどで回復した例が見られますが(写真A)、長らく被害に遭っていた地域では、ほんの小さなエリアでも回復に10年かかったという例もあります(写真B)。たとえば兵庫県神河町の砥峰高原という地域は、広大なススキの草原が広がることで有名な観光地ですが、その草原の裏側では、森林が深刻な鹿害のダメージを受けています。 柵による防護は、畑では有効な対策です。ただし森の中に柵を設置するためには、人力で資材を運ぶため多大な労力が必要です。こまめな点検、補修も欠かせません。また、そもそも鹿の数が変わるわけではないので、追われた鹿は別のエリアに移動するだけで、問題の根本は解決しません。

被害は森だけにとどまりません。畑や、街にも、野生動物が現れるようになりました。森より、畑や街の方が、簡単に高栄養な餌を見つけられます。哺乳類は学習能力が高く、対策はいたちごっこです。野生動物は警戒心が強いですが、いったん安全が分かると、一気に行動が大胆になります。 取材の夜、鹿の群れを頻繁に見かけるといういくつかのポイントに案内してもらいました。鹿は夜行性で、基本的に群れで行動します。先導の車について行くことしばらく、森を背に畑が広がるポイントに着きました。ところどころに民家もあります。民家に当たらないようにサーチライトで照らすと、光る目、何かの動きが確認できました。鹿の群れです。暗闇にまぎれ、何匹も、森の中から畑の方へ移動しています。畑には鹿除けの柵がしてありますが、わずかな隙間や、少しぐらいの高さは飛び越えて、鹿は侵入していきます。1・5mくらいの高さまでなら、飛び越えることができるそうです。この日はいつもより少なめという話でしたが、それでもいくつもの群れを見かけました。それが毎日のことなのです。


獣害への対策の現状

獣害の対策としては、鳥獣保護法に基づいた特定鳥獣保護管理計画というものが、環境庁により設けられています。ただし、これは都道府県の任意計画とされ、国としてまとまった具体的な施策がなされているわけではありません。 それでも兵庫県は、他の都道府県に比べ、鹿害の対策が進んでいます。今回ご協力いただいた森林動物研究センターのような施設もそうですし、2011年、全国に先駆けて、鹿肉活用のための「ひょうごシカ肉活用ガイドライン」を定めました。このガイドラインに従って処理された鹿肉は「兵庫県認証食品」の認証を得ることができます。 正しく処理された鹿肉は、安全で、栄養価や味の面でも他の肉にひけをとりません。しかし、家畜は「と畜場法」と「食品衛生法」により、その安全性が厳しく担保されていますが、野生動物に関しては、と畜場法の対象外で、法的に未整備な部分があります。それを補うのが、前述のようなガイドラインで、厚生労働省も2014年、ガイドラインの策定に乗り出しました。

鹿害の根本的な対策としては、やはり、鹿を捕獲することが必要です。賛否両論、むしろ批判を受けがちなところですが、このままでは鹿は増え続け、森は荒れ続け、ただでさえ高齢化で継続が深刻な農業にとどめを刺すことになってしまいます。乱獲ではなく、環境に合わせ適切な数を保つ。頂く命には感謝を捧げる。人と野生動物が共生するために、かつて行われていたことを、取り戻す必要があります。

鹿が貴重なタンパク源だった時代は、確実な収入につながるということで、捕獲された鹿は丁寧に扱われ、良好な状態で処理されていました。しかし今は、鹿を捕獲し処理施設に運ぶ手間に対して、得られる収入はわずかなものです。手間を嫌って放置されることも多く、それが熊を呼び寄せるなど新たな獣害の原因にもなります。また農業従事者にとって鹿は作物を荒らす敵という意識があることは仕方なく、処理施設に運ぶにしても、手荒に扱われてしまうことが少なくありません。そうすると、野生の鹿というのはもともと歩留まりが悪いのに、さらに活用できる部分が少なくなってしまいます。

状況改善のためには、鹿製品の需要を増やし、鹿を正しい手順で捕獲し、処理する価値を上げることが必要です。また、ハンターの育成、処理施設の能力の向上、新設も必要になってきます。これらすべてを、自治体で対応するには限界があります。そもそも鹿は都道府県の境関係なく移動するため、自治体同士の連携、国を挙げての対応が必須です。

兵庫県における鹿の活用法

当兵庫県では、鹿を安全に活用するため、捕獲した鹿は2時間以内に処理施設に運ぶこと、内蔵の処理は施設で行うことが定められています。その流れの中で、平成18年、全国でも珍しい、鹿を一頭まるごと処理することのできる施設「丹波姫もみじ」が作られました。ここでは、年間1000頭の鹿の処理が可能です。また、姫もみじより規模は小さくなりますが、県内には他にも捕獲した鹿の処理が可能ないくつかの施設があります。しかしそれらがフル稼働したとしても、鹿害を食い止めるにはまだ不十分です。そもそも捕獲や持込自体の数がそれほど多くないので、どちらを先に増やすかという問題もあります。 鹿1頭からは、個体にもよりますが、およそ10㎏の肉が取れ、このうち商品となるのはおよそ5〜6㎏です。正直、歩留まりは悪いです。しかし他の肉に比べ、カロリーは牛肉や豚肉の約3分の1、脂質は約80分の1で、タンパク質は約1・5 倍、牛レバーと同レベルの鉄分を含むという、非常に栄養価に優れた食材でもあります。インドの伝承医学アーユルヴェーダにおいては、体に活力を与える高位の食べ物とされているそうです。 鹿肉というと臭みなどクセのあるイメージがありますが、捕獲時に適切に処理することにより、おいしく頂くことができます。最近ではジビエの流行などで鹿肉を食べることのできる場所が増えつつありますが、兵庫県でも鹿肉料理を提供するレストランがいくつかあります。今回、丹波の野菜とシカ料理の店「無鹿(むじか)」さんで、鹿肉料理を頂きました。築100年の町屋をレストランとして改修し、地元の野菜と丹波の鹿を使って、美しくおいしいお料理を供してくださいます。頂いた鹿肉は、脂質が少なく引き締まった感じの中に、コクや深みを感じる味わいでした。丹波で鹿料理といったら無鹿さん、と地元でかなり有名なお店のようです。

また、一般家庭でも鹿肉料理を広めたいと活動をされているのが、「愛deer料理教室」の林真里さん。鹿肉レシピを紹介したり、教室を開いたり、また鹿肉を使ったカレーやポテトチップスを商品化されたりもしています

鹿肉以外の活用法

 人間にとっても非常に有用な鹿肉ですが、実は、ドッグフードとしての活用も期待されています。犬にとって鹿肉というのは、犬が狼だった時代から食べていたもので、犬の生命力を高く保つために非常に有用と考えられているのです。 また、鹿皮の活用も進められています。かつて防寒衣類や鎧にも使われていた鹿革ですが、今注目されているのは、スキンケア用品としての活用です。鹿皮はきめ細やかなコラーゲン繊維を持っており、肌に負担をかけずに肌の汚れをしっかりと吸着し、お肌をすべすべに保つことができます。 鹿害の現状や、関連商品の認知度が上がることが、状況を改善する第一歩になります。人も動物も共生できる仕組み作りの過程として、一人でも多くの方に考えていただければ幸いです。

鹿害対策として捕獲された鹿を活用しています

鹿肉ドッグフード ド ッグスタンスの詳細はこちら>>

お白なめし天然鹿皮コラーゲン・クロスの詳細はこちら>>

【Vol.99】物に宿る心

こんにちは! Liv:ra デザイナーの小森です^^

いよいよ冬がやってきましたね。そしてもうすぐ年末です。もう2015年最後の記事です! 早い。早すぎる。次の記事をお読みいただく時には2016年になっています。信じられないですね~。みなさん、やり残したことはないでしょうか。私は運動をしようと思っていましたがぜんぜん出来ませんでした! 来年こそは。

さて、今日は少しメルヘンで素敵なお話をさせていただきたいと思います! この間、少し不思議な力を持つ友人に、“物にも心がある”という話を聞きました。物と話すことが出来る友人には、いろいろな物がこぞって話しかけてくるのだそうです。たとえば職人さんが愛を込めてつくった料理の食材は食べて食べてー! ! と言ってきて、カメラを向けるとポーズまで取ってきたり、アーティストの楽器は努力して良い音を鳴らそうとするみたいです。まるで童話の世界ですね。

 そういえばハワイのホ・オポノポノのヒューレン博士は、会社や組織にも意識=心があるというお話をされていました。著書の「豊かに成長するホ・オポノポノ 愛と感謝のパワーがもたらすビジネスの大転換」(ソフトバンククリエイティブ)では「会社もひとつの生命体であり、愛し大切にすれば、会社が本来持っている力を発揮できる」と書かれています。

信じるか信じないかはそれぞれだと思いますが、私は物や会社に心があると聞いて、とってもハッピーになりました。

 それからというものの、私は意識的に自分の周りの物に対して愛を伝えたり、話しかけたりしています。そうしているうちに、なんだか物と会話できているように感じられるようになってくるから不思議です。家にあるぬいぐるみに話しかけていると、ある朝目が覚めた時、おはよう~と言ってくれている気がしました。お気に入りの靴は、“今日も頑張って歩くぞ~”と気合を入れてくれているような気がします。身の回りの物だけではなく、自然にもたくさん話しかけてみます。お花に“綺麗だね”と伝えると、“ふふふ、そうでしょう、わたし、うつくしいのよ。”と答えてくれたり、ポージングしてくれます。大きな自然の木々は、いつもとても優しく、気持ちがよさそうです。私は実際に話をできるわけではないので、ただなんとなくそう感じているだけです。でも、目の前の物に心があるとイメージすることで物を愛おしく感じられ、物を大切にするようになりました。それは、とても気持ちがよいし、とても素晴らしいことだと思っています。

 古代の日本には“すべてに神が宿っている”というアミニズム思想が根付いていました。私が物を大切にする自分を気持ち良く思うのも、太古から受け継がれる日本人の心を受け継いでいるからなのかもしれません。

 しかし現在の日本の消費社会に目を向けると、伝統的なアミニズムのような思想というよりは経済を優先して物が過剰に作られ、過剰に売られています。

 価格とトレンド重視の商品は製品として長持ちするような物は少なく、短期間でボロボロになってしまい、すぐ捨てられてしまう可能性も高いでしょう。

 また、安い商品が悪いとは全く思いませんが、私たちは安さを重視して購入した商品にありがたみを感じられることは少ないでしょう。このようにありがたみを感じにくい消費社会では、物だけでなく人も消費され続けてしまいます。

 それを食い止めるのは、私たちひとりひとりが古代日本のアミニズムのように“すべてに神が宿っている”という感覚で、たくさんの物を消費するのではなく、本当に欲しいものをひとつ買い大切にする心を取り戻すことなのではないでしょうか。

 皆さんもぜひお気に入りの洋服や靴、ペンや手帳に話しかけてみてください。物たちが答えてくれても答えてくれなくても、なぜか不思議と愛おしい気持ちになり、今よりもさらに大切にできるようになると思いますよ!

小森 優美

株式会社Highlogic 代表
「楽しく世界を変える」がコンセプトのオーガニックコットンブランドLiv:ra デザイナー。
世界を変えるパワーはカラフルでハッピーなんです。
http://yumikomori.com