基本のき

Q.調味料の基本

今さら聞きにくい「よく聞く言葉」を詳しく解説します

それこそ今更聞けないことなのですが、調味料って、あまりよく考えずになんとなく売り場で見て買っていました。食生活を気にするようになって、
あらためて調味料について知りたいと思うようになりました。
和食のベースとなる調味料の基本を教えていただけませんか?
(藤沢市・意識高い系を目指すアラサー女子より)

A.調味料も細胞を作る食材正しい製法のものを選んで

答える人 岸江治次

添加物や農薬に気をつけることも大切ですが、自然食の原点は、きちんと「料理」すること。料理をきちんとするためには本物の調味料を選ぶこと。自分の目で確かなものを選ばなければいけない時代になっています。一般的にいわれる「さしすせそ」の順番に説明していきます。

さ:砂糖

大分すると分蜜糖、含蜜糖があり、サトウキビという植物から作られます。白砂糖は分蜜糖。サトウキビを絞り糖分だけを分けたものです。ミネラルなどの栄養分は蜜にあるので栄養が含まれていません。含蜜糖は蜜を含んだ状態のもの。黒砂糖、和三盆といわれています。健康のために使うなら黒砂糖がおすすめです。ただし糖分であることには変わりありません。「糖」は食事をすればお米から摂取できるので、あえて調味料で摂らなくてもいいというのが自然食の考え方です。甘みが必要なら、みりん、はちみつ、メープルシロップなどがあります。

し:塩

神棚に塩・水・米を飾るように、人間が生きていくうえで、最低限必要なもので、どういう塩を使うかが、料理の決め手になります。大切なのは「自然塩」であること。

日本は島国で海に囲まれているので、昔から海水で塩を作ることができました。しかし1970年に塩田法ができ、塩田で塩を作ることが禁止され、純粋な「塩化ナトリウム」が「塩」として使われるようになりました。効率化するために、ミネラルを含む「にがり」が入った塩は切り捨てられたのです。その後、2004年、自由化によって自然塩が手に入るようになりました。表示で見分けがつきます。製法に「天日」「平釜」などと書かれた物が自然塩。「溶解」「イオン膜」と書かれたものは精製塩です。

す:酢

原料である米などの穀物や果物などをアルコール醗酵させ、さらに醗酵させて酢にします。今は、人工的にアルコールを合成して酢を作る技術が発達していますが、原料そのものを醗酵させたものが本物の酢です。例えば、コトーナンテ社の有機アップルサイダービネガーは、有機りんごを醗酵させてシードルにして、それを醗酵させて酢にしたものです。原料はりんご果汁のみ。そうして造られたお酢には「有機酸」が含まれているので、薄めて飲むのもいいでしょう。見分け方は、軽く瓶を振ってみること。きめ細かな泡が出てしばらく残ります。

せ:醤油

醤油は、大豆を醗酵させて造られます。戦後、大豆を搾った大豆油を使用していた時代があります。そのため、その大豆の絞り粕で、醤油を造るようになりました。最近の研究で「醤油造りに油は必要ない」ということがわかり、近代的な醤油工場では脱脂大豆を使っています。 正しい醤油は、油を含んだ丸ごとの大豆「丸大豆」から造られます。もう一点は、二年醸造。正しくは「二夏」醤油。一年目で色がつき、二年目で風味がつき、足掛け二年で本物のおいしい醤油ができるのです。麹菌という微生物は、暖かいときは活動、冬は休むという性質を持っています。日本人は研究熱心で、これを利用した速醸法を編み出しました。醗酵中の麹菌に熱をかけたり温度を下げたりと、人工的に繰り返すことで、三ヶ月ぐらいで醤油ができあがります。見た目は同じですが、ちゃんと二年醸造したものを使いましょう。

そ:味噌

原料は、大豆、塩、米麹か麦麹です。国産の丸大豆を、いわゆる天然醸造によってきっちり醗酵させた味噌を使うのがポイントです。

調味料は毎日使うもの。人間の細胞は全部で60兆。細胞一つひとつが食べ物によって作られていますので、毎日口にする調味料は身体に合ったものを選びましょう。食生活を変えていくには、まずは正しい調味料を使えているかどうか。ご自宅のキッチンを見直してみましょう。

 

Q.肉食はどうしてダメなの?

今さら聞きにくい「よく聞く言葉」を詳しく解説します

この時期、歓送迎会が重なり外食が続いています。焼肉やBBQ など大量に肉を食べた後、どうも胃腸の調子が良くない気がします。ベジタリアンになりたいとは思いませんが、肉がダメだといわれる理由を具体的に知りたいです。
(横浜市 アラフォー中間管理職より)

A.決めるのはあなた次第 主に3つの理由

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答える人 中川信男

肉食が悪いといわれる理由は大きく分けて三つ。一つ目は栄養的観点から日本人にとって好ましくないという説です。日本人は穀物食をベースにしており、伝統的に四つ足の動物を食べてこなかった歴史があります。欧米人に比べて日本人の腸は長く、肉など動物性のものが入り込むと長い消化過程で腐敗し、毒素に変化するといわれています。さらに、日本人の犬歯(肉切り歯)はあまり発達しておらず、奥歯である食物を磨り潰す機能を持つ臼歯がより発達しています。このような歯の構造や消化器官などから、日本人の体は穀物を食べることを前提としていると考えられているのです。動物性たんぱく質を食べ過ぎると、諸々の病気の原因となります。乳酸が高くなる、コレステロール値が上がる、糖尿病になりやすいなどといわれています。

最近、糖質制限が流行っていますよね。炭水化物、穀物、甘いものを食べないのですが、そうするとどうしても肉食が中心になりがちです。たんぱく質中心の食事は確かに痩せますが、そもそも糖質制限は糖尿病患者向けに考案されたもの。それが、いつの間にかダイエット食になっています。健康な人が肉食中心で穀物を食べないことで体調を崩す人が増えているようです。肉中心の食生活を続けていると、糖を摂っていないにもかかわらず糖尿病になったり、がんで亡くなる人も増えていたりということを指摘する人もいます。穀物中心でときどき肉を食べるのはいいとして、肉ばかりだと栄養的にバランスが良くないんですね。

動物は食物連鎖の最上位。この食物連鎖によって、体の中で「生体濃縮」という化学物質の濃縮が行われます。例えば、牛が食べる牧草が汚染されていると、牛の体内で化学物質が濃縮され、その牛の肉を人間が食べることによって、さらに私たちの体内に濃縮されていくことになります。ほかにも栄養の観点で良くないという説はたくさんあります。

二つ目に、動物愛護の観点から動物である人間が他の動物の命を奪って食べるべきではないという考えがあります。犬や猫を可愛がる一方で、非常に狭いゲージで食肉になるためだけに飼われた牛や豚や鳥を殺して食べることや、その屠殺の様子が虐待的だという捉え方です。

三つ目はスピリチュアルな側面。動物食は、動物の波動を取り込むことで、その波動が共鳴するという考えです。波動というのは、それぞれが持つバイブレーション、つまり波長のこと。牛や豚や鳥の肉ばかり食べていると、体や顔、動きなどがその動物のようになるという考え方です。例えば、ケーキバイキングなどで生クリームをたくさん食べると体が牛のように重くなりますよね。もちろん消化が悪いからでもあるのですが、エネルギー的にそうなる部分も否めません。

視点は変わりますが、宗教的な意味合いから動物食を避けることも考えられます。インドのベジタリアンの方は動物を口にしません。それは輪廻転生の考え方からきているものであり、自分が牛などに転生したときのことを考えて食べないという宗教観に基づくものです。こういった宗教観の有無に関わらず動物の波動や、命を奪う行為に対して、非常に強い嫌悪感を抱き、革製品や毛皮を一切所有しないという信念のもとに生活を送る人もいます。ベジタリアンもさまざまで、インドのベジタリアンはミルクやはちみつは食べますが、ビーガンと呼ばれる人は、動物性のものは一切口にしません。栄養的観点では「控えつつ食べる」こともできますが、動物愛護や宗教的理由の方にとっては、「動物は絶対に食べてはならないもの」なのです。

私自身、肉を食べないわけではないので、肉食を非難するものではありません。良いか悪いか判断するのは、ご自身でということになろうかと思います。肉食もベジタリアンも、それぞれ、一つの生き方。「理解できない」と非難するのではなく、お互いに受け入れ合える多様性のある世の中であればいいですよね。

Q.自然栽培とは?

今さら聞きにくい「よく聞く言葉」を詳しく解説します

「自然栽培」の農作物を最近よく目にしますが、有機栽培との違いがよくわかりません。それに、ちょっと割高な気も。地球にも健康にもいいのだろうと想像がつきますが、お財布には厳しい現実がある主婦にもわかるように教えてください。
(津市・家計管理が苦手なワーママより)

A.大自然の恩恵を受け
愛情と丹精込めた農作業の賜物

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答える人 中川信男

自然栽培と聞いて、どんなものが浮かびますか? 自然農法、天然農法、自然農……似たような呼び方が乱立している日本において、国が具体的な基準を定めているわけでもないので混乱される方も多いでしょう。今回は一般的な自然栽培について説明したいと思います。

自然栽培というと、無肥料自然栽培もしくは無施肥自然栽培といわれることがあります。化学肥料および農薬を使わないことを基本とする有機栽培との違いは、加えて「植物性・動物性肥料も一切使わない」という特徴を持つこと。農業を少しでも勉強した方なら非現実的に聞こえるかもしれませんが、植物の三大栄養素である窒素・リン酸、カリウムでさえも入れずに作る農法なのです。

できるだけ自然に近い形での農法ということで、昔からやっておられる方は存在していました。最近では映画「奇跡のリンゴ」のモデルになった青森県の農家さんである木村秋則さんが、世界で初めて無農薬、無施肥のリンゴ栽培に成功しました。自然栽培を一躍メジャーにしたことで有名になりましたから、ご存知の方も多いことでしょう。

また、プレマの取引先でもある秋場和弥さん(北海道における有機JAS認証農家の第一号)は自然の力を活かしきる、無肥料自然栽培を実践しておられます。大豆の根粒菌を使い、土に付いた菌(微生物)を集めることで十分な栄養を作物に行き渡らせ、よりよい作用をもたらす農法です。このように、肥料を与えたかのごとく農作物を作ることは可能ですが、非常に根気が要ります。さらに、自然栽培の問題としては当たり年と外れ年があるということが大きな難点。秋場さんご自身も五〇年近く苦心され、年数を重ねながら、そのときどきの状況を読み取って何とか解決した歴史があるそうで、究極的な解決策は無いといわれています。土壌の状態や気候によって、毎年状態が変わるというリスクも大きい自然栽培は、農家さん自身の深い愛情と強い覚悟が必要だということですね。

そんな自然栽培によって自家採種された種子は代を重ねるごとにたくましさを増していくといいます。体調が悪いときに自然栽培の食べ物を食べると、たちまちエネルギーが満ちてくるのがわかるほど種としての強さがあるのは一目瞭然。何しろ飢えの状態から結実したものですから、私たち人間に活力をもたらしてくれることは間違いないでしょう。

しかしながら、デメリットもあります。自家採種した作物は混血種扱いになり、法律上、いわゆる「品種」を名乗ることはできません。そこが市場全体を見渡しても0.00数%レベルの供給しかないことにもつながり、自然栽培=希少品といわれることの所以です。

それならば農作物の十分な安定供給のために、農薬や化学肥料、遺伝子組み換えを進めていくことが果たして絶対悪かというと、私はそうは思いません。必要最低限の使用をある程度許容することで、食料供給をしていただいているのは大変ありがたいことだと考えています。

そんな私の願いは、手間暇かけて努力をされている農家さんが作るものを、少し高いかもしれませんが、ぜひとも食べていただきたいということ。それはご自身や家族の健康のためだけではなく、日本の食文化を担う農家さんを支え、土壌を農薬で汚染させないという意味でも、社会全体でそのような流れにシフトしていくことが大事だと思うからです。私たちに必要なことは、どの栽培方法が良い悪いとただ優劣をつけるのではなく、子どもたちや若者が農業に夢を見られるような世の中を作っていくことなのではないでしょうか。

昨今、第一次産業と第二次産業、そして第三次産業を一体化することで、地域の活性化を目指す「6次化プロジェクト」が推進されています。日本の農業は6次化を志していく以外には生き残れる方法は無いと言われており、プレマとしても「売る」という部分で、そのお手伝いができたらいいなと思っています。