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インタビュー取材しました。

【Vol.85】ご支援ありがとうございます! ラオス水道工事完了報告

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特定非営利活動法人テラ・ルネッサンスからのご報告です。皆さまにお寄せいただいた寄付金によって、昨年12月、ラオスの小さな村で水道を開通させることができました。皆さまのご支援・ご協力に深く御礼申し上げます。

クラスター爆弾のケースでできたプランターの下であそぶパハーン村の子どもたち (フォトグラファー山田しん)

完成したパハーン村の水道と子どもたち(2013 年12 月8日)

BLU-26 外殻と子爆弾

不発弾撤去作業から始まる工事

金属探知機でクラスター爆弾を探します

人の手による撤去作業

 特定非営利活動法人テラ・ルネッサンスの活動にお寄せいただいた寄付金が、昨年12月、ラオス民主主義共和国にある小さな村(シエンクアン県カム郡パハーン村)の水道工事のために役立てられました。
 シエンクアン県カム郡一帯はベトナム戦争のときに不発弾が多く投下された地域です。そのため、水道工事の前に不発弾撤去作業が必要であり、10月後半から11月はじめにかけ、ラオス政府の不発弾撤去団体「UXOーLao」により作業が実施されました。
 ラオスでは1964~1973年のベトナム戦争の9年間に、米軍によって200万トン以上の爆弾が秘密裏に落とされました。とくに今回水道工事にあたったパハーン村のあるシエンクアン県は、北ベトナムの中心であるハノイに近く、山の中腹の洞窟には北ベトナム郡の兵士が滞在していたために多くの空爆を受けました。また、すぐ北に位置するホアパン県サムヌアにはラオス共産主義の拠点があり、米軍は共産主義勢力の拡大を防ぐため、この近辺にも大量の爆弾を投下しました。
 ベトナム戦争中に使用されたクラスター爆弾は、親爆弾の中に入っている数十~数百の子爆弾が広範囲にばらまかれる仕組みになっています。さらに投下後の不発率が30%と高いため、戦争から35年以上経過した現在でも、その多くが不発弾として残っており、子どもを含む市民の被害が後を絶ちません。

水道工事後も続く爆弾の危険


まだ撤去作業のされていない土地

 今回の不発弾撤去作業では、水道管を設置するための幅1・5 メートル、3キロメートルという長さの土地から、クラスター爆弾の子爆弾「BLUー26」が1個見つかり、爆破処理が行われました。この爆弾の発見によって水道工事は安全に行うことができましたが、周辺にはまだ不発弾が残されている可能性が高いと考えられます。村の人たちはこの先も不発弾がいつどこで爆発するかもわからない不安とともに生活し続けなければならないのです。この村も含め、シエンクアン県で不発弾撤去が完了した土地は、2013年10月までで、たったの0・34%といわれており、早急な対応が望まれます。

水道工事には村人たちも協力

 不発弾撤去後、シエンクアン県保健局の専門家2名が村に派遣され、水道建設工事が開始されました。水源は、村の裏にある山の上、集落から3キロメートルほど離れた場所にあります。水源地からはこんこんと水が湧き出ています。水質検査によって飲み水としても安全であることが確認されました。
 工事では、まず水源地に水をためるためのコンクリート製のタンクを建設しました。集落の手前の小高い場所にもコンクリート製のタンクを用意し、このタンクから集落の中に設置された6カ所の蛇口へと水を供給する仕組みです。山の上と集落のタンクとは、水道管でつなぎます。険しい山道を3キロメートルほどに渡って溝を掘り、そこへ長さ100メートルの水道管を何本もつなぎ合わせて設置します。とてもたいへんな作業ですが、村の人たちも加わり、作業が進みました。

政府のインフラ整備対策

 そもそも、パハーン村は4年前まではさらに山奥にありましたが、政府による水道や電気などのインフラ整備計画のため、アクセスのよい山の麓に集落を移してきたのです。伝統あるモン族であるパハーン村の人々は、険しい山の上に畑をつくって生活し、水は小川や井戸でくんで使っていました。今の場所に移動したあとも、水は集落から離れた場所へくみにいかなければなりませんでしたが、ようやく水道が設置され、家の近くの蛇口からいつでも水を使えるようになりました。
 水道が完成したのはモン族のお正月である12月4日です。当日は保健局から郡役所へ水道管の管轄を移譲する式典が開かれ、村の人々は早速、料理や水浴び、洗濯などのために、水道の水を使っていました。
 NPO法人テラ・ルネッサンスは、ラオスの村の人たちの生活が豊かになり、爆弾の危険のない平和な毎日を少しでも早く迎えることができるよう、今後も活動を続けていく予定です。皆さまの引き続きのご支援を、よろしくお願い申し上げます。

クラスター爆弾とは?

BLU-26 の子爆弾

クラスター爆弾とは、ひとつの爆弾の中に、数十~数百個の子爆弾が入っている爆弾です。爆撃機によって落とされたり、地上から発射して空中でばらまかれたりします。空中で爆発すると中に入っている子爆弾が無差別、広範囲に飛散します。子爆弾は硬いものに当たると爆発しますが、地面などに落ちると不発のまま残ってしまいます。地雷に次ぐ非人道的な兵器として全廃が呼びかけられおり、2008 年にはクラスター爆弾のない世界を目指す条約「オスロ条約」(クラスター爆弾禁止条約)が制定され、多くの国々が批准しています。

クラスター爆弾が問題とされている原因

  1. 数%~30%ほどが、不発弾として残ること。
  2. 小さな衝撃で爆発する可能性があり、
    除去作業が困難であること。
  3. 被害者の98%が一般市民であること。

※ラオスは世界一のクラスター爆弾の被害国といわれています。ベトナム戦争時にクラスター爆弾の子爆弾が約2億7千万発落とされ、そのうち30%が不発弾として現在も残っているとされます。

<特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス「水道建設地不発弾撤去報告書」よりまとめ>

特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス
すべての生命が安心して生活できる社会の実現を目指し、地雷、小型武器、子ども兵の問題に取り組むNGO です。これまでも、ラオスの中学校建設用地の不発弾撤去作業、また撤去に必要な金属探知機の提供などを行ってきました。今後も、特に貧困地域の不発弾撤去支援を継続していきます。現在は、カンボジア、ラオス、ウガンダ、コンゴ、ブルンジでの活動の他に、東日本大震災復興支援の岩手県大槌町での大槌復興刺し子プロジェクトを実施中。
http://www.terra-r.jp/

漫画で初登場!クラスター爆弾の啓発本。

 このマンガをつくるきっかけは、NPO 法人テラ・ルネッサンス代表の江角泰氏の、ラオスの不発弾の問題をよりたくさんの人に理解してもらいたい、という思いでした。 2013 年、江角氏は、ラオスの不発弾問題、そしてラオスの文化的な魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい、と現地への「スタディ・ツアー」を組みました。自信があった企画にも関わらず、集まった参加者はわずか2名。結局、ツアーは中止となってしまいました。このことがショックで、江角氏は、もっと簡単に、多くの人にラオスについて関心をもってもらえよう、情報を発信しなくてはと決意しました。そこで思いついたのが誰でも気軽に読める「マンガ」です。 「クラスター爆弾への関心を高め、クラスター爆弾禁止条約をより多くの国々に批准してもらうこと、また現在使用している国でも禁止できるような新しい流れを市民の中からつくり出したい。その最初のきっかけとなる本になればと思い作成しました」と江角氏。テラ・ルネッサンスのラオスでの取り組みも含め、クラスター爆弾やラオスのことについてわかりやすくまとめられています。

マンガ「クラスター爆弾ラオスからのメッセージ」の詳細はこちら>>

- 特集 - 2014年10月発刊 Vol.85

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