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インタビュー取材しました。

健やかさの本質からぶれないものを作る株式会社コーワテクノサーチ代表取締役 川岸 史和 氏

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体に欠かすことのできない必須栄養素の「ガンマリノレン酸」。加齢や病気などで必要量が不足しても、食事では補えません。株式会社コーワテクノサーチは、長年にわたってガンマリノレン酸の有効性を研究し、それに基づくヘルスケア製品を提供してきました。代表の川岸氏に、患者さんが本当に必要とする製品づくりへの想いを伺いました。

食品には含まれないガンマリノレン酸を補えるサプリメント「イッチノン」は、「各家庭の食卓に置いてもらって、誰もがその人の必要に応じて補給してもらえる”定番のおかず”のようなイメージで作った」と話す川岸氏

株式会社コーワテクノサーチ 代表取締役
川岸 史和(かわぎし ふみかず)

鳥取大学で生物化学を専攻。大阪の薬品会社に勤務しながら、出光興産による不織布を活用した衛生製品や塗料の開発などの新規事業に携わる。その後、出光興産から微生物で作られるガンマリノレン酸の用途の開発や実証データの取集を依頼され、1990年に株式会社コーワテクノサーチを設立。医療機関や大学と連携して研究を進める傍ら、ガンマリノレン酸を活用した栄養補助食品や化粧品の商品開発をおこなっている。
▶︎コーワテクノサーチ:https://kowatechno.co.jp/

新しい「油」との出合いが、
すべての始まり

——ガンマリノレン酸に着目したきっかけはなんですか。

私は学生時代、鳥取大学で生物化学を専攻しました。人の細胞がどんな材料からできていて、どんな働きをしているかに興味があったのです。その後、大阪にある製薬関係の会社で貿易の仕事に就きました。さまざまな商材を扱うなかで、出光グループの新規事業にも関わることになったのです。出光興産といえば、石油化学です。当時はプラスチックに高付加価値をつける商品開発が盛んで、私は不織布を活用した大人用オムツや生理用品などの商品化に携わりました。

そんなとき、上層部から「川岸くん、他に手伝ってほしい素材がある」と声をかけられたのです。それが、微生物で作られたガンマリノレン酸でした。約40年前のことです。その数年前に、通産省が新たな素材開発と拡大のために、複数の企業にガンマリノレン酸を生み出す微生物を渡し、その量産化を要請していました。ガンマリノレン酸は、脂肪酸のひとつで、私たちの体の機能を保つうえで欠かせない「あぶら」です。それまでも、植物から抽出したガンマリノレン酸は存在していましたが、純度の低さや原料の安全性などに課題があったのです。大手の医薬品や化粧品メーカーが参加したなかで、唯一成功したのが出光興産でした。

そのガンマリノレン酸は、いったいなにに役に立つのか。なんで役に立つのか。可能性を探るリサーチをおこない、用途の開発をしてほしいということでした。それから、医療関係の知り合いのところへ行って、これがいい、これが悪いと、さまざまな実験をしながらゼロからの研究が始まりました。

ヨーロッパでは、ガンマリノレン酸を含む月見草の種子油が、アレルギーの治療に使われていました。当時日本では、アトピー性皮膚炎の患者が約400万人いましたから、初めはその治療に役立てることを想定していました。さまざまな医療機関を訪ねて、アレルギーに関するデータを集めるうちに、腎不全で人工透析をする患者さんたちが、特有のそう痒症(痒み)に悩んでいることを知りました。アトピー性皮膚炎は、使うか使わないかは別として、ステロイド剤が有効です。しかしそう痒症は、患者さんの90%に現れるにも関わらず、どんな薬や治療法も効きにくい、難治度の高い痒みだったのです。同じころ、ある論文で、患者さんに大豆油から作られた輸液(脂肪乳剤)点滴したらその痒みが軽減したという情報を得ました。そこで、確信はありませんでしたが、この痒みには脂質代謝が関係するのではないかと考えました。私は非常に興味を惹かれまして、ガンマリノレン酸を一般の透析患者さんに食べていただいたところ、半分以上で痒みが軽減したという結果を得た。それで、人工透析患者さんのそう痒症において、世界で初めてこの素材の有効性を示した論文を発表したんです。当時は痒みと脂質の関係に注目している医療機関や研究施設はほとんどありませんでした。「これは一体どういうことだろう?」と、脂質が持つ可能性に夢中になりました。

私はどちらかというと跳ね返り者でね、新しいものを面白がって、率先してやるタイプなんです。周りの保守的な人は「やめておけ」と言う。結局、どうしてもガンマリノレン酸の可能性に賭けたくて、34歳のときに会社を辞めて独立することにしました。

医薬品レベルの
健康食品を作る

——そこからどのように商品開発を進めたのでしょう。ガンマリノレン酸にはどんな機能があるのですか。

新しい素材は面白いけど、どこから紐解いていけばいいのかが難しい。さらにベンチャー企業ですから予算はないし、実験をするにも最初はすべて持ち出しです。そこでまず、この素材に興味を持って、一緒に情熱を持って研究してくれる医者や研究者を探して回りました。そして幸いにもいくつかの大学や医療機関の協力を得て、研究を進めることができました。

ガンマリノレン酸は、必須栄養素のひとつで、五大栄養素と同じように体内で細胞を作る原料となったり、細胞の機能に関わったりしています。細胞の構成成分は、脳の細胞も、肌の細胞も、肝臓の細胞も基本的には似ています。体に入った栄養素は、優先順にどこで使われるかが調整され、体の機能を正常に保つために役立っています。私たちの体はまさに「食べたものでできている」のですが、ガンマリノレン酸はほとんど食べ物に含まれていないのです。主に肝臓で生合成されますが、加齢やストレス、生活習慣病などによって脂質の代謝が低下すると、作られる量が減っていきます。すると必要な量が不足して、この成分が担っている機能が欠落していく。薬や食事から補えない以上、その不足は絶対に不足なんです。たとえば女性の場合は生理不順や更年期障害などにも影響が現れます。

私の考えは、体に必要な栄養は食べ物から摂るのが理想だということ。旬の食べ物は安くて、栄養があって、一番体が欲しがるものです。脂肪と炭水化物は大事なエネルギー源なので過剰に摂り過ぎても体内から排出するシステムを持たず、摂り過ぎると体に貯まってしまう栄養素です。一方でタンパク質やビタミン、ミネラルといった栄養素は過剰に摂取した場合の余分は速やかに体から排出します。そのときに、排出作業を担う腎臓と肝臓に負担をかけることになります。だから、食事で摂れるものをサプリメントなどで摂るのは、かえってよくないのです。体は足りない栄養素が入ってくれば高い吸収率で吸収するし、必要がなければあまり吸収しない。見事なバランスで調整しています。それでも不足するとしたらそれはなぜか、に意識を向けるのが大切です。食事で補えないものだけを補うという考えから、私たちのサプリメントはガンマリノレン酸の『イッチノン』ただひとつだけです。

——人工透析の患者さんになぜガンマリノレン酸が効くのでしょうか。

それにも細胞の働きが関わっています。透析をすると白血球、赤血球、血小板が体外循環することによって活性化されたりダメージを受けたりします。そのことと痒みが関わっているのではないかと考えました。コロナウイルスに感染した患者さんの一部に、サイトカインストームが起きて亡くなった方がいますが、本来細胞が自らを守るはずの免疫反応や炎症反応の制御が乱れて暴走してしまうことがあります。それを抑えるのではなく、むやみに刺激物質を出したり暴走したりしない、そんな細胞の安定化にガンマリノレン酸などの脂肪酸が関わっています。

——健康食品でありながら、医薬品のような実証に基づいた製品を作るのはなぜですか。

『イッチノン』の方向性として、研究者と協議したうえで、健康食品でありながら医薬品に近い追究をしていこうと決めました。それは効果を実証するためです。私は、母をがんで亡くしていますが、そのときに人から勧められた健康食品で苦い思いをしています。世の中に溢れている、流行にのって一時的に売れればいいというものは絶対に作りたくないのです。薬のように実験に投資してでも「本当に効く」ことにこそ、こだわりたい。私たちの製品では、実験で使った濃度を参考にして使う量も設定されています。徹底的に効果にこだわるのは、待っているのが患者さんだからです。病気が悪化して死ぬんじゃないか、生活できなくなるんじゃないかという不安や恐怖につけ込むのは、詐欺のようなものですから。私たちが地道に研究を積み重ねる目的は、ガンマリノレン酸の有効性を患者さんに役立てたい、それだけです。時間はかかりましたが、今になってそうしてきてよかったと思っています。情報を持つうちに国内外の大手企業とつながりができ、ようやくガンマリノレン酸に注目が集まってきていると感じています。

※病原体排除に必要な免疫反応としての炎症が過剰となり、身体がショック状態となること。

体に備わった力を
信じて支える

——スキンケアやヘアケア商品も開発されています。どんな発想から生まれたのですか。

私たちの製品は、医療の現場の声を参考にして生まれました。皮膚科で、肌に塗ってもベタつかず、しっかり保湿するクリームが欲しいといわれて作ったのが『イッチノンA‌Dクリーム』です。合成ではなく人間と同じセラミドを最大限に入れています。その後、リウマチの患者さん向けに関節に塗るB‌Cオイルも開発しました。

スキンケアで最も着目すべきは、「内部の潤いを逃さない」「外界からの刺激を入れない」という肌本来のバリア機能を正常に保つことです。化粧品には年齢に合わせた製品がありますが、本来のスキンケアは誰にとっても同じ。肌トラブルを抱える方のなかには、間違った情報によってかえって肌の状態を悪くしている方が少なくありません。そもそも、外からケアできるのは3割程度で、食べるものやストレスなど体内からのケアが7割以上です。外側のケアで大切なのは、肌を健康な状態に立て直すこと。私たちは、肌が備えている皮脂、細胞間脂質、天然保湿因子の働きを活かしつつ、足りない分を同じ機能をするもので補填します。私たちの考えはとてもシンプルです。人の体は、作るべきものは作れるし、要らなくなったものは捨てる機能を持っている。それがなんらかの原因で滞っているのなら、余計な成分をいっぱい与えて終わりではなく、自分で調整できる機能を取り戻すお手伝いをする化粧品を作るのです。

また、2000年以降には皮膚科で脱毛やフケなど頭皮のトラブルが増えたと聞くようになりました。シャンプーなどのヘアケア剤に、頭皮を傷めてしまう強すぎる洗浄剤が含まれているからです。そこで一番安全で、頭皮と頭髪にダメージを与えない成分を考えて、行き着いたのがアミノ酸系洗浄成分でした。そうして生まれたのが『天照ル君ノ』などのヘアケア商品です。

私たちは、流行に流されるのでも、多数の人を追いかけるのでもなく、体のメカニズム、肌や髪のメカニズムを考え、本当に必要なケアとはなにかをもとに商品開発をおこないます。だから、ひとつの商品を作るときは最低でも一年以上かかりますし、社内では会議なんて生易しいものではなく、日々バトルを繰り返します(笑)

——今後の展開はどう考えていらっしゃいますか。

これまで40年近くガンマリノレン酸を追究してこられたのは、患者さんたちが私たちを支持し、導いてくれたからです。お客様である患者さんたちからの反響をいただくとき、このうえないやりがいを感じられると同時に、ある考えも浮かびます。それは、人が最も不安になることは、元気でいられるか、そして人に迷惑をかけずに死ねるかということです。つまり、病気にならない工夫、病院に行かない工夫が必要になってきます。これからは医療機関と一緒に、病院に行かない工夫を啓蒙していきたいですね。

そして、海外への展開として、これまでの香港、台湾、韓国に加えて、今後は中国市場へも積極的に働きかけたいと考えています。私は現在68歳です。仕事の承継を視野に入れながら、これからもガンマリノレン酸の有効性についてデータを取り続け、日本はもちろん、世界へもしっかりといいものを提供し続けていきたいと思います。

困ったときの救世主に

天然成分より作られたガンマリノレン酸(必須脂肪酸)とビタミンEが主成分。健康と美肌のためのサプリメントです。不調やどんよりをスッキリさせたい方に。

イッチノン(Itchnon)を見てみる>>

健やかさの本質からぶれないものを作る株式会社コーワテクノサーチ代表取締役 川岸 史和 氏

- 特集 - 2023年11月発刊 vol.194

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