厳しく、妥協がなく、しかし優しさに満ちた市川式お手当て。
生きる決意をした人々を全身全霊で支える市川加代子先生のあふれ出る愛の源を全七回連載でご紹介します。
シリーズ2
-毎日の食事が人生を、そして世界を変える-
【第六回】問題なのは病気の名前ではない
玄米食に切り替えると状態が悪くなることがある。それは排毒なのかもしれないし、悪化し続けるなら体質に合っていないのかもしれない。その間は、自分の体の反応を注意深く観察する必要がある。
排毒作用で挫折する人もいるが、「薬瞑眩せずんばその病癒えず」とは孟子の言葉。薬には好転反応があり、それを経て治っていくのが真の治り方だという。玄米食を始めたら四ヶ月は観察してみる。すると、十あった症状が七になり、五になり…と変化してくる。
反対に、「何も好転反応がない」と不安がる人がいるが、それは自分が予期した変化がないだけのこと。必ずしも一旦悪化するとは限らない。目覚めがよくなった、体温があがった、便が良く出るようになったなど、劇的でなくても別のことで変化は起こっているのに、焦点が向いていないから気づかないだけ。五感を磨いて変化に注目することが大切だ。
ちなみに体温上昇は、気づかない場合が多いもののとても前進的な変化だ。人間の体は、体温36・5度で酵素やホルモンが機能する。ところが体温が低いと脳の伝達物質はじめ体内の各酵素が出ないので、体は正常に機能しない。
いつも、困っていることに焦点を向けるようにと伝えている。冷えて困るのであれば、冷えをとる方法を考え実行する。汗をかかないなら汗を出す。このように、まずは何に困っているかを知ることが大事。病名をつけてもらって安心する人がいるが、病気が何かわかっただけでは治らない。例えば、癌患者は毎日癌で困っているのではなく、冷えや、痛みで困っている。痛みをお手当てで楽にしながら、根本的な原因を排毒することが大切なのだ。
次回に続く・・・