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インタビュー取材しました。

【Vol.79】暮らしの中に、 もっと発酵食品を

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味噌、醤油、漬け物、納豆……私たち日本人の食生活は、発酵食品なくして成り立ちません。せっかくなら、素材本来の力をきちんと生かしてつくられたほんものを選びたいもの。味噌づくりから、考えてみました。

マルカワの味噌教室で、味噌づくりに挑戦!

2月9日東京にて開催された手作り味噌教室。福井県で100年の歴史を持つ味噌屋「マルカワみそ」4代目の河崎紘一郎氏に家庭で活かせるプロの技を教えていただきました。

本当においしい味噌ってどんな味噌?
 「マルカワみそ」は農薬不使用、自然栽培、有機栽培で育てた材料を使って昔ながらの味噌づくりをしている日本でも珍しい味噌屋。参加者の方々も、味噌を知りつくしたプロに学べる貴重な機会として「おいしい味噌をつくりたい!」という思いで集まってくださいました。
 「味噌屋の息子として産まれまして30年。確かに感じるものがあり、それをお伝えしたいと思います」と河崎さんの軽快なトークで教室が始まりました。
 「私は18歳のときに味噌屋になると決めて『本当においしい味噌って何だろう』と味噌屋だけどない脳みそを使って(笑)考えて出た結論は、『手づくり味噌が一番』ということです。たとえば私も妻も母も、みんな好みの味は違います。でも『手づくり』は目に見えない愛情や情熱が込められ、さらに味のバランスがよいので、誰もがおいしいと思える味になるんです。
 味噌づくりには『素材×技術×愛情(情熱)』という方程式があります。ご家庭ではあまり細かいことにこだわらず、楽しみながら、大切な人のことを思いながらつくるのがいいと思います」

味噌は五味をバランスよく含む
 「味覚には甘味、旨味、塩味、酸味、苦味という『五味』がありますが、味噌は『五味』をバランスよく含む食品です。
 味噌の原料は、大豆、米麹、塩です。まず大豆は、畑の肉といわれるほどたんぱく質が豊富です。たんぱく質は『旨味』になります。大豆には、ほのかな『苦味』『酸味』もあります。これは大豆に含まれるサポニンという成分によるものです。米麹は、『甘味』になります。砂糖とは違うやさしい甘味です。塩は、その名の通り『塩味』ですね。
 こうした味を使いわけて味噌をつくるのは、プロでもとても難しいもの。ご家庭では『こんな味の味噌を』と意図的にするよりも、『おいしくな~れ』という気持ちが大事です。味噌は熟成具合で味が変化するので、そうした部分で好みの味を見つけるのもいいと思います。
 味噌づくりは、よい材料を選ぶことからはじめます。
 麹は、米を蒸して冷まし、種麹菌をかけ、温度管理して菌を繁殖させて作ります。米蒸し3年といわれ、仕込み技術を会得するには一生かかるといわれています。さすがに麹を家庭で作るのは無理ですが、購入する場合は、色、香り、味のよい麹を選びましょう。色のポイントは、麹菌が均一についていて、黒ずみがないこと。麹には生と乾燥とあり、生麹のほうが本来の麹の香りがありますが、乾燥麹は日持ちするというよい面もあります。
 大豆は、生産者が心を込めてつくっているものがいいですね。やはり気持ちは植物にも通じるものです。梅雨のない北海道の豆は水分を含みやすく、質も良いのでおすすめです。また、旨味成分になるたんぱく質を含むのは身の部分です。だから旨味のある味噌づくりには、大粒の大豆が向いています」

豆は芯まで水分を含ませやわらかく炊く
 セミナー当日はすでに炊いてある豆を使用しましたが、家庭で行うときには前日から豆を水に漬け込んで準備をします。 「豆炊きの行程はとても重要です。しっかり火を通すためには、水を芯までしっかり浸透させること。圧力鍋を使えば時間を短縮できますが、普通の鍋のほうが途中でも豆のやわらかさを確認できるのでいいかもしれません。最初に圧力鍋を使って、途中から普通の鍋を使う方法もあります」
 いよいよ実践。まず炊いた豆をミルサーでつぶします。
 「豆をつぶしたら、材料を混ぜ合わせます。先に塩と麹を混ぜ合わせて、それから豆と混ぜます。大切なのはとにかくよく混ぜ合わせること。煮豆を常温に置いておけば腐ってしまいますが、塩を混ぜると腐敗しません。混ざらない部分が出てくると腐りやすくなります」。
 素材をよく混ぜ合わせたら団子をつくって空気を抜き、容器に叩き付けるようにして詰めていきます。
 「カビは好気性です。空気に触れると生えやすいので空気が入らないように容器に詰めましょう」。
 味噌づくり経験者の方からは「どうしてもカビが生えるのですが、どうしたらいいのでしょう」という質問も。
 「味噌は麹というカビの一種を利用してつくるもの。カビは生えるのが当たり前なので、あまりナーバスにならなくて大丈夫です。食べる前にその部分を取ればいいんです。赤っぽいカビが生えるのはレシピが違ったか塩分が足りなかったのかもしれないので見直してみてください。暮らしの中に、もっと発酵食品を
 仕込んだ味噌は7~9月頃には食べられますが、塩気が強く軽い味。10~12月が食べごろですが、好みの味になったらその味で止めるために冷蔵庫に入れるようにしてくださいね」。

手づくり味噌で人間関係もまるくなる
 今回使った容器はプラスチック製ですが、ホーロー、瓶、樽などもあります。
 「木の樽は使い込むうちに隙間に乳酸菌や酵母菌が住みついてオリジナルの味噌ができます。樽は値段も高いですが『毎年仕込まなあかん』と追い込むために買ってもいいかもしれません(笑)。
 手づくり味噌を食べれば、心も身体も健康になります。作業したあと、手がつるつるになったでしょう?
 食べ物って、生き方にもつながりますよね。たとえばファーストフードは手軽で安いといういい面もありますが、手作り味噌には、あたたかさや、やさしさがあります。それは目に見えないけれど確かに感じられて、その人の生き方に影響してくるものだと思います。大切な人に味噌汁をつくってあげるとか、離れて暮らす家族や会社の上司に手作り味噌をプレゼントしてもいいですね。人間関係もまるくなりますよ!」
 河崎さんの情熱的なリードで進められた味噌仕込み。きっとおいしく熟成していくことでしょう! ご家庭で味噌作りをされている方にも、ご参考になれば嬉しいです。
<らくなちゅらる通信編集部>

麹菌は“おいしさ” をつくりだす天才だ!

近年、見直されている発酵食品。さまざまな微生物の力を借りて食品を発酵させるのは、日本の食文化の特徴でもあります。
そのなかでも麹菌を利用した発酵食品が今、注目です。麹を取り入れておいしく健康的な毎日を過ごしましょう。

だしがなくても旨味充分!本物の味噌を味わって
 「マルカワみそ」の創業は大正3年(1914年)。その歴史は、現代表の河崎宏氏の曾祖父が近在の味噌麹醸造業を譲り受けたことから始まりました。「限りなく自然・天然の素材と製法を用いた味噌づくりを」というポリシーでつくられた本当においしい味噌を、ぜひ味わってください。手軽に食べられるインスタント味噌汁から家庭で仕込む味噌づくりセットまで幅広く商品を製造しています。多様な生活様式の時代だからこその心配りです。

「マルカワみそ」で仕込んだ特製味噌。
農薬不使用の大豆、自然塩を原料に、自然のリズムに従って昔ながらの杉樽でじっくり熟成された本当においしい味噌。お味噌汁にお料理に。おかわり必須のおいしさです!
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はじめての味噌づくりにぴったり!
はじめて味噌づくりをする方におすすめ! 農薬や化学肥料を使わずに自然の力で栽培した佐賀県・東島さん
の育てた元気な大豆と「マルカワみそ」の塩切り麹のセットです。マルカワみそのおすすめの塩加減にでき
あがります。
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お湯を注ぐだけ!
いつでもつくりたての味を

化学調味料、酵母エキス、動物性原材料を一切使用しない有機インスタントみそ汁。忙しい朝に、お弁当のおともに。どこでも簡単に本物の味わいを楽しめます。常備しておくと便利です。
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家庭で手軽にできるおいしい発酵食品

 塩麹はブームを経て、今では多くの家庭で使われる万能調味料。どんな料理に入れても驚くほどおいしくなります。 麹を利用した食を見直そうという動きもあるなか、家庭で作れる醤油も登場!お子様と一緒に楽しむのもおすすめ。 面倒なイメージのある漬け物も、今は少量を手軽に漬けられる便利な道具が続々登場しています。麹をもっと食生活に取り入れて、「我が家の味」を増やしてみませんか?

どんな料理もおいしくしちゃう
万能調味料

水を加えて熟成させるだけで簡単につくれる塩麹。「マルカワみそ」の蔵付き麹菌で、自然界の複数の麹菌が共生している希少なものです。塩は伊豆大島産の国産天日塩「海の晶」を使用。
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麹の自然な甘みがたまらない!
三五八漬けは東北地方で食べられていた麹で漬けた漬け物。塩と麹と蒸し米が3対5対8の割合で混ぜられています。ぬか漬けのような匂いも少なく、毎日混ぜる必要もなく手軽に作れます。
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醤油が家庭で
つくれるって本当!?

水と混ぜて半年以上熟成させるだけで、ご家庭で醤油がつくれます。乳酸菌、酵母菌、酵素が生きているので火を通さないでいただくのがおすすめ。熟成後搾ったモロミは漬け物にも使えます。
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漬け物がぐんとおいしく仕上がる!
魚の味噌漬け、塩麹漬け、ぬか漬け、浅漬け、酢漬けなど、ちょっとした漬け物をするのに便利なサイズ。マイナスイオン、遠赤外線などの自然石の効果で素材をおいしく仕上げます。
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手軽に、暮らしのなかに
漬け物を

森修焼とプレマのコラボ商品。冷蔵庫に入るコンパクトさで、ぬか漬けなどの漬け物を手軽につくれます。容器内は微生物がいきいき活動できる環境だから、野菜がおいしく漬かります。
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- 特集 - 2014年4月発刊 Vol.79

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