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中川信男の多事争論

「多事争論」とは……福沢諭吉の言葉。 多数に飲み込まれない少数意見の存在が、 自由に生きるための唯一の道であることを示す

プレマ株式会社 代表取締役
ジェラティエーレ

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

都合よく解釈する勇気

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今月のテーマである「都合よく生きる」。なんて奇抜なものの言い方か! とお感じの節もあろうかと思います。この「都合よく」という響きはネガティブに捉えがちですが、それは「自分の都合よく解釈する」という例文がなんとなく頭に浮かんでくるからかもしれません。叱られたら痛みを感じて反省しなさい、というのは確かにそうなのですが、どんなことでも捉え方に多様性は必要なのではないでしょうか? という一つの問いかけでもあります。

追い出される

私は、都合よく解釈する達人かもしれません。あれは4年ほど前のこと。入居していたテナントビルのオーナーチェンジがあり、新しいオーナーから「自社ですべて使いたいので、近日出て行ってください」と言われました。最初はいきなりすぎて驚き、とりあえず触らぬ神にたたりなしと特段の回答はせずにやり過ごしました。当時、私の母が病床に伏していたのですが、日ごとオーナーの代理人からの連絡の間隔が短くなり、母が危篤という状況に陥っているのに電話が鳴り続け、「いくらなんでも、この状況で追い込むのは非常識です」と伝えましたが、もうここまで常識が通じない相手と話しても無駄と割り切り、〝この人たちと同じ場所にいること自体も好ましくない〟、と都合よく解釈しました。

母が亡くなり、葬儀を終えたのち、本格的に物件探しに奔走し、現在の京都オフィスや店舗がある建物を見つけました。ちょうど、お菓子屋さんの居抜きビルだったために、立派な菓子専用厨房がついていて、具体的になにに使うというアイディアはなかったのですが、〝これだけ立派な設備なら、そのうちなにかひらめくだろう〟と都合よく解釈して、申し込みをおこないました。このビルの上階には、カフェとして使われていたフロアしかなく、事務所にするには解体して作り直す必要がありました。しかし、物件自体がかなりのお値段なのに、改装費まで捻出できそうにありませんでしたので、〝カフェがそのままオフィスになっていたら、きっと格好いいだろう〟と本格的な改装はしませんでした。晴れて融資も下り、無事にこの物件を購入して引っ越しました。

その後の展開は驚くべきものでした。お菓子屋さんの設備は、その後ひらめいたジェラート店に変身し、京都で外国人にナンバーワンの人気飲食店となり、国際コンテストでも2年連続受賞。オフィスは来客があるたびに「こんなにカフェみたいなすてきなオフィスは、ほとんど見ないですね」と褒められます。賃貸から自社所有のビルにしたことで、家賃はローン返済に変わりましたが、月々の支払いは半分になりました。財務状況もよくなり、運賃がかからない飲食店の事業が平行したことで利益率は向上。その後は同じスタイルで飲食店を増やし、いずれも大好評でメディアから掲載させてくださいとの連絡が絶えません。

もし、私が都合よく解釈する人間でなかったとすれば、ビルの立ち退きを要求されたときに、相手を屈服させるべく裁判に打って出て、幾ばくの金銭を得たかも知れませんが、より高い賃料を我慢し、通販一辺倒の事業は変わらず、物流費の爆発で会社は虫の息に弱っていたかもしれないのです。過去にもし、あのときこうしていれば……という問いかけに意味はありませんが、なにごとにでも「これ幸い」と思う習慣をつけていたことは、人生に憤りよりも彩りを与え、自分だけではなく周りも幸せにする結果となりました。

「たら・れば」から脱却する

個人的な回想ばかりで恐縮ですが、私のなかではあのときこうだったら、あのときにこうしていれば、もっと良かっただろうという悔いはありません。それを考えたところで現状が良くなるはずもなく、惨めな気分になるだけでなにも新しいことは起きず、またなにかにチャレンジしてやろうという気概も生まれないからです。とかく日本人はストイックで、誰かに迷惑をかけないようにといつも心をビクビクさせ、反省するときにはとにかくなにもしないのが善とばかりに、おとなしくやり過ごして反省の色を見せようとします。周りがそれを求めるから、という文化的な背景があるのも理解できますが、これが大きな障害になりえます。

特に危惧しているのが「出る杭は打つ」「目立たないようにやり過ごすべき」「周りに迷惑をかけない」という不文律です。出る杭は打たれてしまい、日本には世界的な事業をおこなっているベンチャー企業は数えるほどしか育っていませんし、反省を求めるムードは能力がある人を押し殺し、周りに迷惑をかけないようにという同調圧力は異端や少数者を排除してしまうのです。和を重んじる気持ちといえば聞こえがいいのですが、和とは、違う背景のある人同士がお互いを理解しあおうとする関心の網羅である愛の心であって、多数者が少数者を自動的に排斥する仕組みであってはなりません。どんな苦しいことがあってもこれ幸いにと幸運を感じ、都合よく周りを引っかき回す人がいなければ、この国には重苦しい空気が漂うだけになりかねません。ときに誰かの「都合のいい解釈」は、周りも巻き込んで希望を作り出す一歩かもしれないのです。

誰にとっても 「都合のいい」逸品

ジェラートのレシピを縦横無尽に考えているときに、大切にしていたのが「都合のいい」スイーツでした。ギルトフリー(罪悪感なし)どころか、食べたほうがむしろいいお菓子は作れないかと考え、基本的にどの味をとっても、そのように設計しているつもりです。そのなかでも、血糖値を下げ、アンチエイジングに効果がはっきり出る味として設計したのが「グリーンスムージー」味。スーパーフードだけを組み合わせた味ですが、すごくおいしいのに、いまいち売れ行きが冴えません。ならば、このベースになったスーパーフードの組み合わせを青汁として製品にしようと都合よくリノベーション。食べる前に飲んでおくだけで、誰にとっても都合のいい結果を手にすることができるのです。

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都合よく解釈する勇気

- 中川信男の多事争論 - 2019年7月発刊 vol.142

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