宮古島を学習旅行で訪れた中学生と共に、「離島でのモノの循環を考える」ワークショップを開催しました。
製糖工程の紹介のあと、サトウキビの搾りかす(バガス)が年間約10万トンも発生していることを伝え、「バガスを島内で有効活用する方法を考えてみましょう」というミッションを彼らに与えました。現状として、バガスが製糖工場のボイラーの燃料や堆肥原料として活用されていること、また、紙や布、食用繊維など他の事例も存在すること、そして、バガスの活用には未解決の課題もあり、一つの正解があるわけではないことを伝え、グループでアイデアを話し合いました。
どのグループも、代替可能な日用品をリストアップするところから始めました。その後、バガスに置き換えることで価値が高まる「新規性」、製造技術や販売価格を含めた「現実性」、そして波及効果が期待できる「拡大性」の3つの観点を紹介し、作る側から買う側の立場で再考してもらいました。すると、わずか20分で独創的なアイデアが生まれました。代表的な企画の例をご紹介します。
〇「バガスボード」は、コルクボードと比べて伸縮性、耐久性に優れ(仮説)、繊維を染色してカラフルなボードを作ることができる製品企画です。
〇「バガス靴下」は、丈夫(仮説)なバガス布を破れやすいかかと部分に使用することで、機能性と価格のバランスを考えた製品企画です。エシカルブランドで販売することで、バガス布の波及を図ります。
〇宮古島からのふるさと納税返礼品の梱包に「バガス緩衝材」を使用する企画は、廃材利用と脱プラスチックのエシカルな理念にピッタリ合った活用方法です。また、製品化には乾燥させるだけで済み、サトウキビの芳香(仮説)も考慮されています。
また、面白いアイデアとして、バガス入りとバガスなしの「サトウキビアイス」を作り、バガスなしのほうを意図的に味気なくすることで、バガスの存在を認知してもらう企画も生まれました。
柔軟な発想に脱帽しつつ、企画を具体化したい気持ちに駆られます。
グループワークの様子