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カンボジア地雷除去支援

江角泰 (えずみ たい)

NPO法人テラ・ルネッサンスのカンボジア事業担当者。
大学時代に、NGO地雷ゼロ宮崎のメンバーとして参加した「テラ・ルネッサンスのカンボジア・スタディツアー」が、テラルネッサンスとの出会い。
現在は、カンボジアにおける地雷問題に取り組む他、弊社が進めるラオス支援活動も担当中。

【Vol.44】『寒さ』の中で必死に勉強するラオスの『子どもたち』

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2009年にプレマ株式会社様のご寄付で、不発弾撤去をした後の土地に建設したプレマ・シャンティ中学校。中学校のあるラオス、シエンクアン県カンパニオン村へ、2月14日、1年ぶりに行ってきました。この日は、標高が高くなるにつれ、どんどん霧が濃くなっていきました。濃霧で50メートル先も見えないなか、車は中学校のある丘の上へ登っていきます。ようやく近づいてきて見えるようになった中学校は、どうも静かで人の姿が見えません。窓やドアは閉められており、一瞬学校が使われていないのでは、と心配になったほどです。しかし、教室の中は、どこも熱心に授業を受ける子どもたちで一杯でした。窓やドアが閉められていた理由は、寒さにありました。暖房のない教室で、子どもたちは厚手の服やオーバーに身を包み、必死に授業を受けていました。東南アジアに位置するラオスですが、北部の2000メートル級の山々が連なる地域では、雪は降らないものの、かなり冷え込むのです。

本当にシャイな子どもたちですが、「サバーイ・ディー(こんにちは)」と、皆とても丁寧にあいさつをしてくれます。12名の先生たちによって、ラオス語、数学、理科、化学、物理、英語などさまざまな授業が5教室で実施され、1教室は職員室として利用されていました。子どもたちの90%がモン族、そして1・5%がカム族だそうです。現在の生徒数は280名ですが、毎年生徒数は増加しており、現在1教室が足りない状況で、来年には2~3教室が不足すると校長先生は話していました。生徒数の増加率は58%にもなるそうです。こうした生徒数の増加も、中学校建設によるいい影響で、それまで小学校を卒業した子どもたちの教育を受ける環境はありませんでしたが、中学校へ進学し、さらに高等教育を受ける機会を多くの子どもたちが享受しているのです。

その後、訪問したシエンクアンにある国立リハビリテーションセンターでは、2010年にはシエンクアン県で41人もの不発弾犠牲者が報告されていることを聞かされ、またショックを受けました。2011年1月になってからもすでに3名の犠牲者が報告されているそうです。 「報告されている」という表現を使ったのは、リハビリテーションセンターのスタッフが条件付きで、これらのデータを教えてくれたからです。それは、『これらのデータがあくまでもシエンクアンの病院に運び込まれてきた犠牲者の数でしかない』ことです。スタッフは、「おそらく実際の被害者の数はもっと多いはずです。なぜなら、不発弾による事故では亡くなってしまう人も多く、そうした人たちは病院に運び込まれてこずに、データとしてカウントされないからです」と教えてくれました。

事故の原因で目につくのは、火を焚いていた時に起きた事故です。標高の高いシエンクアン県は、12月~2月頃まで、朝晩はかなり冷え込み、十分な暖房器具がないために、たき火をして暖をとる人たちがいます。地面の下に不発弾があることを知らずにたき火をしてしまって、事故に遭うというのです。さらには、焼き畑で野山に火を入れるときに、不発弾が爆発し事故に遭うケースもあるようです。その他にも、農作業で地面を耕作中や掘削中に、不発弾に触れてしまい爆発するケースもあります。それらはいずれも日常生活のなかでの事故なのです。そしてなかには、子どもたちが遊んでいる時の事故もあります。2010年の事故のなかでも子どもたちの事故の割合は、とても高いものになっています。実に半数の49%、20名が20歳以下の子どもです。そのうち6名は10歳以下です。

そのようなデータを見ていると、どうしてもプレマ・シャンティ中学校の子どもたちのことを考えてしまいました。『寒さ』と『子どもたち』というキーワード。一緒に行った3名の日本の方からご寄付いただき、休み時間にプレマ・シャンティ中学校前で、子どもたちとバレーボールをしました。その時に、もし不発弾が残っていたら……。校長先生は、この村の山には、まだたくさんの「ボンビー(クラスター爆弾の子爆弾の不発弾)」があると、子どもたちに何度も話して聞かせています。安心して遊んだり、勉強したりできる環境になるためには、不発弾撤去は不可欠のことなのです。そして、まだ多くの同じようなラオスの子どもたちが、危険な環境のなかで生活をしているのです。

江角泰(えずみ たい)

江角泰(えずみ たい)氏
NPO法人テラ・ルネッサンスのカンボジア事業担当者。
大学時代に、NGO地雷ゼロ宮崎のメンバーとして参加した「テラ・ルネッサンスのカンボジア・スタディツアー」が、テラルネッサンスとの出会い。
現在は、カンボジアにおける地雷問題に取り組む他、弊社が進めるラオス支援活動も担当中。
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- カンボジア地雷除去支援 - 2011年5月発刊 Vol.44

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