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楽だから自然なお産~高齢出産編~

出産・子育て・介護家族と向き合ういろんなお話

一般社団法人
日本マクロヘルス協会
理事

望月 索 (もちづき さく)

人一倍不摂生な出版仕事人が37 歳、40 歳、44 歳で出産、育児の経験も積み、健やかな暮らしについて学び合う協会の設立メンバーに。
編集、ライター、一般社団法人日本マクロヘルス協会理事。編著に『子どもを守る自然な手当て』、訳書に『親子で楽しむ!おむつなし育児』、『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』。
http://macro-health.org

ゼリーにつぶされないように

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つわり舌で食べられるもの

つわりのときにしか食べにいったことのないお店に数年ぶりに行ってみました。どうしてそんな偏ったことになるのかというと、それがインド・ネパール料理のお店だからです。

わたしはスパイスが好きですが、子どもはからいものに敏感です。うちでスパイスから作るカレーはからみを入れてないから平気だけど、お店で食べるインドカレーは、子どもの口に合わなかったりします。なので、わたしがつわりのとき、スパイスの助けを借りないと食べられない!って気分のときに、ひとりで食べに行くお店ができるわけです。

つわりの症状は人によって違います。同じ人でも妊娠のたびに違ったりもします。ひとりめではなんともなかったのに、ふたりめではひどい吐きづわりで困った、という人もいれば、わたしのように、吐きはしないけれど気持ち悪くて毎回動けなくなる人も。

つわりのときは普段は食べないものを食べたくなる、という話もよくあります。たとえば植木鉢の土が食べたいなど、異食症と呼ばれる状態になる人もいます。ジャンクフードがほしくなる人がいる一方、化学物質の入ったものだと、吐いて食べられなくなる人もいます。一定数の人がつわりを楽にするために無農薬や自然食に目覚めるのだと思います。つわりの原因はわからないけれど、ホルモンなどの影響によって消化管の活動が低下しているのは確かだから、消化の負担にならないものをとることでよくなっていく、という説があります。消化のことを考えると、安心安全なものを選ぶのは、動物として、正しい選択ですよね。

空気をなんとかしたい

わたしの場合は、スパイスを入れることによって食べられる気がする傾向は毎回ありました。においづわりをスパイスの香気でごまかしていたのかもしれません。別に激辛好きではないのですけど、花椒のきいたものを食べたり、先述のインドカレー屋さんにしょっちゅう出かけたり。お酢も多用しました。レモンが食べたくなる、というのもよくいいますが、お酢も便利です。お酢とスパイスで、元の味もにおいも消して食べていたと思います。

そして、数年ぶりに行ったそのカレー屋さんでは、野菜カレーばかり食べていました。つわりは消化の病説にわたしは賛同していて、つわりになると消化が最優先。つわりの始まりのころ、自分がなにを食べたいのかよくわからなくて、動物性食品やジャンクなものを食べてみて、味がわからないうえに、あとでひどい目にあった、という嫌な経験もあるからです。スパイスで消化の刺激をもらい、でも豆のカレーですら消化の負担を感じるから、野菜カレーだったのかもしれません。

つわりのときは、いろんなにおいが辛かったので外出するときはずっとマスクでした。においで空気が重くなる、すごく不快なゼリーに閉じ込められたような気分になるくらい、そのにおいのある空間そのものがつらいんです。マスクの接着剤や不織布のにおいもつらかったので、使い捨てのマスクは使えず、布マスクを愛用するようになりました。つわりのときマスクに助けられるようになんとか出かけていた店に、布マスクでもできればつけたくないなぁ、と思いながら出かけたのが隔世の感。とはいえ今はマスクをせざるを得ないわけですから、つけると空気が清浄になると感じられるマスクが理想的です。つわりを抜けたら妊娠楽しいですよ。皆さん、少しでも快適に過ごせますように。

吸気が爽やかになる! 肌が敏感な妊婦さんは、洗いこなして柔らかくして。

- 楽だから自然なお産~高齢出産編~ - 2020年10月発刊 vol.157

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