質問: 中川さんのtwitterを見ていると、日本の机の高さは日本人に合っていないとしきりにおっしゃっていました。椅子だけを「禅チェア」や「知恵まっと」で変えてもダメなのでしょうか。 (滋賀県 M様) |
答え: 私も最近このことに気づいたのです。実際に禅チェアを販売するようになって、ますます日本の机の高さは日本人の体格に合っていないし、女性にとってはなおさらのことで、椅子に着座する不自然な姿勢が、肩こりや腰痛、そして首こりから始まる自律神経失調症の原因になっているとわかってきました。禅チェアや知恵まっとを購入された方で、姿勢や腰痛はよくなったし集中もできるように感じるけれど、肩や首のこりや痛みが完全によくならいという印象をお持ちの方は少なくないのではないでしょうか。まずは写真を見て下さい。 この机の高さは、標準的な事務机の高さである70?で、座っているスタッフの身長は171?です。見るからに、キーボードやマウスを操作するために肩が上がり、頭の重みを支えるために腕に無理な負担がかかっていることがおわかりになるでしょう。椅子は全社で禅チェアにしていますので、以前使っていた普通の事務椅子に比べると仕事はしやすくなっているようなのですが、正しい椅子のポジション(両足の足の裏がしっかりと地面に着いている)にセットすると、とにかく机が高すぎるのです。それを回避するために、足の下に台を作ってあてがい、椅子を高くセットすることも可能ですが、やはり不自然であることは否めません。 つまり、正しい高さの机とは、完全に足の裏が接地するように椅子に自然に座ったときに、肩が上がらない高さである必要があります。パソコンを使っているときにはなおさらで、キーボードやマウスは上から操作しないと肩や腕は自然な角度で下がりませんので、常に緊張している状態が継続してしまいます。多くの男女のスタッフでパソコンを使うときに最適な高さを測ってみると、およそ55?から60?が適切な高さといえそうです。書き物をメインにするときにはもう少し高くても良いのですが、キーボートとマウス操作が主体となる場合には男性の標準身長前後までの場合でも60?が限界です。この高さでは画面の位置が低くなりすぎるため、首に負担がかからないように視線を真っ直ぐに保てる高さまで本や台で高くすれば、肩や腕、そして首に負担のかからない真の健康的な作業環境が実現できます。 パソコンを操作する日本人の慢性的な疲労感は椅子の形状の不適合と、体を流れる有害電磁波(特に電場)とこの数年考えてきましたが、さらに「机の高さ」という根本的な問題を発見してしまいました。市場を探してみても、パソコン専用デスクでキーボードが引き出せるタイプのものでも65?が主流で、やはり肩や首、腕に負担をかけない高さとはいえません。ましてや70?の机にキーボードやマウスでは、本当に体を壊してしまうことになりかねません。しかし60?以下の大人用の机はほとんど存在せず、もうこれは作り出すしかないと決意するに至りました。椅子を変え、机の高さを大幅に下げることができれば、多くのデスクワーカーの体調不良を緩和するに違いありません。さらに電磁波対策を行えば、デスクワークでの疲労は劇的に解消することでしょう。 ノートパソコンについては、どのような高さの机にしても体のどこかに負担がかかります。それは、 ?下を見すぎて腰や首に極度の負担をかけること …など、悪いことばかりです。ノートパソコンをお使いの方は、専用の縦置きのスタンドを買い、キーボードとマウスは外付けにして、すぐに対策して下さい。 私の観察と試用の結果、パソコンを使うデスクワーカーに広く使える机の高さは60?であることを見いだしました。職場の机などは特に誰が使うかわかりませんので、汎用的な高さである必要があります。ときには少しの書き物もあることを考えると、この高さが人の入れ替わりにも対応できる最大公約数のようです。ディスプレイはその人の体格と画面サイズによって上下できる台を添えます。このモジュールで、国産のヒノキを使った総無垢、なおかつ安価な机を開発しました。実際に弊社のすべての机をこれに入れ替えて導入します。この思い切った実地実験がうまくいけば、ぜひ皆さんにもご提供したいと考えています。 私は頸椎症で2年前に手術をしてギリギリのところで半身不随を免れました。また、首筋肉の極度の緊張は自律神経失調症の真の原因と指摘する医師もあり、長期間の入院や通院で首筋肉の緊張をほぐすと劇的に良くなると評判です。しかし、この治療はパソコン使用を極度に制限するべきという制約がありますから、多くの方にとって現実的ではありません。私自身、スタッフたちのために考えたことが、多くの皆さんの役に立つ日が来ることをイメージしています。 |