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くま先生のすこやか診察室

「子どもも親も、家族みんなの笑顔と幸せのために」総合医療くま先生からのメッセージ

統合医療やまのうち小児科・
内科医師

山内 昌樹 (やまのうち まさき)

小児科医として勤務していたが、西洋医学の素晴らしさを感じつつ心から望む医療と現実のギャップに悩み、軽度のパニック障害を経験。YHC矢山クリニックで小児科 を担当し、病気の真の原因を学ぶ。お母さんの自己肯定感を取り戻すことが家族みんなを笑顔にし世界を平和にすると確信している。
〒849-0915 佐賀県佐賀市兵庫北5丁目8-7-2
0952-33-8500
http://www.yamanouchishounika.jp/

フラッシュバックの対処法

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思考とアドレナリン

グルグルする堂々巡りの思考には、ネガティブな情報が含まれています。ネガティブな情報をイメージすると、それだけで体がわずかに緊張します。緊張しているということは、アドレナリン(ノルアドレナリン)が分泌されているということです。

アドレナリン(ノルアドレナリン)は、自律神経の交感神経に働く神経伝達物質です。交感神経は、体に興奮や緊張をもたらします。過度な緊張が持続すると、自律神経失調の状態が生じます。アドレナリンが分泌されると、交感神経により末梢の血管が収縮します。そのため、アドレナリンが持続的に分泌されると、体が冷えてくるのです。動悸、不眠、めまい、胸の痛み、吐き気、息苦しさ、ふるえ、発汗などの症状にも、アドレナリンが関わっています。

この苦しさを元から断つには、思考を止めるしかありません。通常の思考であれば、ちょっと工夫をすることで減らすことは可能です。しかし、フラッシュバックのように突然襲ってくる思考やイメージは、やめようと思ってやめられるものではありません。ほんの些細なきっかけで、過去にあった嫌な出来事(トラウマ)を思い出してしまいます。しかもそれは、ほとんど強制的に思い出させられます。

漢方で対処する

フラッシュバックに対処する方法として、漢方では神田橋処方が有効です。神田橋処方とは、精神科の神田橋條治先生が考案された、トラウマのフラッシュバックに対する処方です。冷え性に使う「四物湯」と腹痛や胃の症状に使う「桂枝加芍薬湯」を処方します。なぜこの組み合わせがフラッシュバックに効くのかとても不思議なのですが、神田橋先生は、記憶を司る、脳の「海馬の邪気」に効くとおっしゃっています。この処方がうまく効いたときは、フラッシュバックの回数が減ったり、フラッシュバック自体が軽くなったりするようです。
そもそも、なぜフラッシュバックのようなことが起こるのでしょうか? あくまで個人的な推測ですが、おそらく原始時代、獣に襲われたり、大怪我をしたり、溺れたり、といった命の危機を感じる経験をした際、再度同じことが起こったときにうまく対処できるように、鮮明な記憶を残すための仕組みだったのではないかと思います。

しかし、現代人はそのような命の危機を感じる機会がそれほどないため、今ではほとんど必要のない機能だといっていいと思います。

苦しさの原因は思考の嵐

フラッシュバックが起きたあとに「あのときもっとこうしておけば……」「あれさえなかったら……」「自分のせいで……」などの思考が嵐のように湧き上がってきます。フラッシュバックそのものよりも、その後に続く、この嵐のように押し寄せる思考の連続のほうが、苦しさ(症状)の原因になっているかもしれません。フラッシュバックとその後に続く思考の嵐は、自分ではコントロールできない(と感じる)ため、無力感、絶望、恐怖、自責の念などを引き起こします。

また、そこまで強いトラウマではなくても、友人やパートナーに言われたこと、ケンカ、ニュースの映像など、自分にとって嫌な出来事を後々何度も思い出して、嫌な気分が蘇るという場合があります。診察の際、あえて「そういったことはないですか?」と聞かないと自分自身でも気づいていないこともあります。そういうときにも神田橋処方は有効なようです。程度は軽くても、そういった場合も思考の嵐が起きているため、強いトラウマのフラッシュバックと同じような苦しさを感じます。(続く)

- くま先生のすこやか診察室 - 2020年2月発刊 vol.149

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