なにか満たされない毎日を過ごしていると感じる人は、頭の中にお母さんが住んでいるかもしれません。頭の中のお母さんとは、子どもの頃にインストールされた「母親の教え」です。
世の中の仕組みがまだわからない子どもは、母親を介して外の世界を認識します。小さな子どもにとって、世界とは母親そのものです。無垢な子どもは、母親の言動を無批判に受け入れます。そして母親が快だと感じることをよいこと、母親が不快だと感じることを悪いこととの価値観をインストールします。母親の言動と子どもの受け取り方の組み合わせによって、子どもの性格がつくられていきます。
母親の言動が判断基準に
自分のことを責めがちな人は、子どもの頃、母親にいろいろダメ出しをされたか、母親の一つひとつの指摘を重く重く受け止めてしまった人です。母親の機嫌が悪くなったのを自分のせいだと勘違いして生きてきました。自分の考えや行動を、いつも正しいかどうか考え、自分自身を裁いています。
イライラしやすい人は、母親の言いつけをしっかり守ってきたか、必要以上に守り過ぎてしまった人です。自分の本音を押さえつけて、母親の言うことを聞いてきましたし、いまもその教えを守っています。ちゃんとできない人を見ると、なんでそんなこともできないの?とイライラします。
心配性な人は、母親があれこれ先回りして、危なくないように育てられた人です。それを反抗せずに受け入れ続けたことで「なにをしたらいいのか?」「自分が好きなものがなにか?」「なにが正しいことなのか?」が、わからなくなってしまいました。自分に自信がないので、人の意見が気になります。「こんなときお母さんはなんて言うだろう」と無意識に思っています。
気を遣い過ぎる人は、お母さんの機嫌が良かったり悪かったりしていたか、自分が敏感すぎるのかもしれません。お母さんの機嫌が悪いのは自分のせいだと感じるので、先回りして相手の機嫌を悪くしないように振る舞ったり、自分の気持ちを犠牲にして言動を我慢します。いつも誰かの機嫌を害していなかったか考えて、思考がぐるぐるしています。
母親が頭の中に住んでいるということは、物事の判断基準が、母親の価値観に左右されるということです。正しいか、損か得か、安全か危険か、おしゃれかどうか、世間体が悪くないか、人を傷つけていないかなど、いつも自分が主体的でないため、満たされたと感じることがなくなってしまいます。
母の価値観をアンインストール
自分らしさを取り戻すために、お母さんの価値観から卒業しましょう。おすすめしているのは、「ちゃんとしなくてもいい、がんばらなくてもいい」を繰り返し唱えましょうということ。具体的な行動としては、今日やらなければいけない用事や仕事をサボって、一日遊んでみてください。ショッピング、映画、おいしいランチなどなど。普段買わないような、値段の高い服や趣味のモノなどを、思い切って買ってみましょう。
頭の中には「こんなことをしていていいの!?」という言葉が浮かびますが、ザワザワした気持ちも一緒に楽しんでしまいましょう。やってみると、普段いかに偏ったルールに縛られていたか気づくことができます。
母親の価値観をアンインストールする、他のオマジナイも紹介します。
「ちゃんとしなくてもいい、がんばらなくてもいい」
「お母さんみたいになってもいいし、お母さんに嫌われてもいい」
「私らしく私のペースで、私の人生を生きる」
「お母さん大嫌い、クソババア!」
自分の幸せが、お母さんの幸せにもなる!!と信じてやってみてください。