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こまごめラオス滞在記

駒崎 奉子

ラオス・ビエンチャン在住3年。大学卒業後、日本での社会人経験を経てラオスへ渡り、日本語教師をつとめる。現在は日本人学校で教える傍ら、ラオス語翻訳や文筆活動も積極的に手がけている。
「こまごめ」は大学時代に名字からつけられたあだ名。

【Vol.27】第一回「ラオスってどんな国?」

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 「ラオス」という国名を聞いて、どこにある国かわかる人は実は少ないでしょう。郵便局へ行き、郵送を頼もうとすると、「ラオス?フランスですか。」「ラオス?羅臼(北海道)ですか。」などと言われてしまう始末。私がラオスに移り住もうと決めたときも、友人は皆全く知らず、実は少し恥ずかしいなどと思ったりもしました。

 正式名称は「ラオス人民民主共和国」、タイ・ベトナム・カンボジア・ミャンマー、そして中国に囲まれた東南アジアの内陸国です。周囲に有名な観光地が並んでいるため、近年まで一般の人にはほとんど注目されなかったのですが、2007年1月に2週間の観光ビザが免除になって以来、日本人観光客の数は年々上昇しています。

 ラオスの魅力とは何でしょう?タイならば光り輝く寺院や夜の町の活気、ベトナムならば市場の豊かさとアオザイの美しさ、カンボジアならば壮大さを感じさせるアンコールワット。ラオスのいいところ、それはズバリ「何もない」ところでしょう。ラオスの国土は
日本の本州とほぼ同じですが、人口は5%程度しかいません。首都ビエンチャンでさえ、周辺国の都市と比べると規模も小さく、高層ビルやデパートもありません。ただ、夕方からはメコン川沿いに屋台が並び、メコンに沈む夕日を見ながらビールの栓を開ける人々の談笑が聞こえます。その声も10時過ぎくらいまでで、町は眠りにつきます。早朝になると、各寺院からオレンジ色の袈裟を着た僧侶が列をなし、托鉢へ出かけます。道端にはひざまずき、供物を捧げる人々の姿が朝焼けの中に浮かび上がるのです。

 地方へ行けば、また違った魅力が見えてきます。北部山岳地帯の代表といえば、ルアンパバーンという町で、八十もの仏教寺院がひしめき合っています。ラオス全土で見られる托鉢も、ここでは一層厳粛に感じられる気がします。また町そのものが豊かな自然の中にあるので、メコン川下りやトレッキングなどを楽しむ旅行者も多いようです。また南部のチャンパサックには、ワットプーというクメール時代の遺跡があり、山頂に位置する本殿のヒンドゥーの神々が、メコン川を見下ろす姿はまた壮大です。カンボジアとの国境まで下
れば、ラオス最大の滝・コンパペンがしぶきを上げています。

 ラオスの人々も、大自然に囲まれて育っているせいか、また穏やかで優しいのです。それはラオス人の精神を表しているというラオス語「ボーペンニャン」で語り尽くせます。意味は「大丈夫、何でもないさ。」何があっても動じずのんびり構えて暮らすその姿に、私たちも肩の力が抜けてしまうのです。

 ラオスを旅した人々に感想を聞くと、口々に言うことは「昔の日本みたいだ」ということ。革命という動乱期を経てからわずか35年程度。苦しみを経験しながらも、決して笑みを絶やさず、豊かな自然に囲まれ、農作業に精を出すラオス人の姿から、戦後の日本人が失ったものを誰もが感じるのかもしれません。

駒崎 奉子

駒崎 奉子氏
ラオス・ビエンチャン在住3年。大学卒業後、日本での社会人経験を経てラオスへ渡り、日本語教師をつとめる。現在は日本人学校で教える傍ら、ラオス語翻訳や文筆活動も積極的に手がけている。
「こまごめ」は大学時代に名字からつけられたあだ名。

- こまごめラオス滞在記 - 2009年11月発刊 Vol.27

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