二月になると街中がチョコレートの話で持ちきりになります。刺激的で魅惑的なお菓子のチョコレート。女性で嫌いという人にはあまり出会いません。もちろん私も大好きです。ただ、あまりにも刺激的な食べ物なので、毎日食べたり、たくさん食べるとカラダに負担をかける食べ物なんだ、ということを理解してからは本当に特別な時だけ食べるようにしています。
そうそう。このチョコレートを題材にしたとっても素敵な映画があります。二月になると毎年見たくなる映画「ショコラ」です。田舎の小さな村に母娘が引っ越してきてチョコレートのお店を開くことから映画は始まります。規律のある暮らしをしている村人たち。規律の大切さや伝統を守ることに必死になっているけれど、実は少し堅苦しくなっていて何か刺激を求めはじめていた、そんな時にチョコレートがやってくるのです。固く引き締った村人の顔がチョコレートを一口、口に入れるとやわらかくほぐれて、優しい顔になっていきます。チョコレートの力ってまさにそんな感じなのです。
チョコレートの原料のカカオ豆は熱帯性の植物。カラダをとっても緩める力をもっています。そのカカオ豆を発酵させてカカオマスにしたものに生クリームと砂糖をたっぷりと混ぜて出来上がっているのがチョコレートなのですから、カラダもココロも思いっきり緩める力の食べ物になるのです。だから食べ過ぎてしまうと緩まりすぎてカラダにもココロにも負担をかけることになってしまいます。
映画の中でも、段々村にチョコレートが広がっていくと、村の人はココロも緩まり開放的になっていきます。そして夜にパーティーを開くようになるのです。歌ったり、踊ったり、みんなとても楽しそうなのですが……。
ある晩火事を起こしてしまうのです。チョコレートというお菓子を中心に人の感情や生き方などが素敵に描写されています。映画の最後はハッピーエンド。緩まりすぎるでなく、引き締まりすぎるでなく、ちょうどいい状態の村になってみんなが幸せに暮らすという映画なのです。
私がいつも大切にしていることは、
「心地のいい状態」「調和のとれた状態」。これを身につけて自分らしく生きるということです。「ショコラ」を見ると正しいということだけが大切なのではなく、楽しいということだけが素敵なのでもなく、どちらも私たちには大切でその両方の調和のとれた生き方をしてみたいといつも思うのです。チョコレートの食べすぎはカラダに負担をかけますが、ココロを解放してあげたい時に一口食べるのはココロの薬になるのかもしれません。
食べ物に対して禁欲的になるのではなく、自分のカラダとココロに今、必要なものが何かを理解して食べることができるのが素敵なことだと思っています。最後に、そんな自分にとって必要なものが何なのかがわかるカラダを手に入れる方法をお知らせしますね……。それはどうやら少食にして良く噛むということのようです。
中 美恵
.。゚+..。゚+.☆ 今月のMie’s Recipe ☆.。゚+..。゚+
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中美恵
中美恵(なか みえ)氏 KII認定 マクロビクッキングスクール校長 東京南青山プライベートサロン Mie’s Room 主宰 1997年に、KII認定マクロビオティックカウンセラー・中広行氏と出会い、料理法や理論を学び始める。 2000年「おいしく、楽しく」をテーマにした「マクロビクッキングスクール」を大阪に開校し、全国に展開。現在は料理に留まらず、マクロビオティックに出会うことで多くの可能性を手に入れた自身の経験を活かし、「年を重ねるごとにキラメキを増す」「今の時代に望まれる素敵な女性」をテーマに、多彩な場面で活躍中。 中美恵公式サイト https://miesrecipe.jimdo.com/ >> |