10月になりました。10月は各地方でいつも私たちを見守って下さっている氏神様たちが出雲大社に御里帰りをされる月だそうです。各地方の神様が留守になるので神無月と呼ばれています。10月のエネルギーは安定していたところから少し引き締まるエネルギーへと変化していきます。カラダの中の細胞を作るのにふさわしい時ですので、美味しくなった食材をしっかりと食べて、元気を手に入れていきましょう。
さて、昔から日本人が生きる知恵として食してきた食材の中で、マクロビオティックの身土不二と昔ながらの伝統を重んじるという考え方により、見直されてきた食材たちがたくさんあります。雑穀類もその一つです。その中で「もち粟」について少しお話ししていきましょう。
もち粟はお米よりも古く縄文時代から栽培されていた穀物と言われています。11月23日の新嘗祭(天皇陛下が伊勢神宮で今年とれたお米のご報告をされる際のお祭りのこと)ではお米と一緒に神様にお供えする穀物です。栄養的に見ても食物繊維やビタミンB1、カルシウム、鉄分、マグネシウムなどのミネラル類も多く含んでいます。血管の中のコレステロールの掃除や、動脈硬化を予防するとも言われています。漢方では胃や脾臓に溜まっている熱を取り除くのに有効な穀類として紹介されています。
そんなもち粟は甘味が多いので昔から、お菓子としてよく食べられていたみたいです。多く親しまれているのはもち粟と小豆の炊いたものと合わせて頂く「もち粟のおぜんざい」。
そもそも、おぜんざいとはその昔、10月に出雲大社に戻ってこられる神様にふるまった「神在(しんざい)餅」がなまって「ぜんざい」になったとか。昔の人は、直会(なおらい)といって、「神様のお力を分けていただく」という気持ちで神様のお下がりを食べていたのです。自分たちが育てた作物は神様のおかげという気持ちでお供えのお餅を作ったそうで、「おぜんざい」ひとつにも神様=自然界からの恵みを受け取っていると感じ、大切に食べていた日本人を思うのです。
そんな願いを込めて今回もち粟と小豆のおぜんざいのレシピを作りました。皆が大好きなかぼちゃも使います。小豆の味付けはマーマレード。ハッピースマイルカラーの黄色に包まれたこのおぜんざい。皆が幸せで笑顔になれますように、の願いを込めて「神福笑(かみふくえ)」という名前にしました。この神福笑を作って食べる時には、神様が一緒にいてくれると思ってみてはいかがでしょうか? 幸せや運気は必ず食べ物と一緒にあがっていきます。幸せ作りはそんな些細なことの積み重ねなんだと思います。
中 美恵
.。゚+..。゚+.☆ 今月のMie’s Recipe ☆.。゚+..。゚+
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中美恵
中美恵(なか みえ)氏 KII認定 マクロビクッキングスクール校長 東京南青山プライベートサロン Mie’s Room 主宰 1997年に、KII認定マクロビオティックカウンセラー・中広行氏と出会い、料理法や理論を学び始める。 2000年「おいしく、楽しく」をテーマにした「マクロビクッキングスクール」を大阪に開校し、全国に展開。現在は料理に留まらず、マクロビオティックに出会うことで多くの可能性を手に入れた自身の経験を活かし、「年を重ねるごとにキラメキを増す」「今の時代に望まれる素敵な女性」をテーマに、多彩な場面で活躍中。 中美恵公式サイト https://miesrecipe.jimdo.com/ >> 『マクロビ生活』 >> |