同じ食材を手にしても、所変われば食べ方も変わる。「えっ、そんな食べ方あるの?」というか、「そもそもそれって食べられるの?」今月は、そんなバナナの話です。
子供のころに社会科の授業で、バナナの葉で包んだ蒸し料理のことを知って、とても興味をもったことを記憶しています。土の中に埋めて上から焚き火で蒸し上げるというのだから、とてもワイルドでワクワクしますよね。勉強熱心でなかった私が記憶しているほどにインパクトが強かった(笑)。
宮古島で島バナナとアイスクリームバナナ(通称)の栽培を始めてもなお、食べ方については研究不足で素人の私に、「バナナの缶詰」の存在は同様にビックリするものでした。パイナップル缶や桃缶のような果実のシロップ漬けとは違って、缶詰の中身はなんとバナナのつぼみ! バナナハートとも呼ばれるバナナのつぼみの中には、無数の花が詰まっています。「無限花序」という素敵な咲き方で、バナナのつぼみは上から順に花を咲かせます。上から10段程度が雌花で、花の根元にバナナの房が結実します。続けて1~2段が中性花、その先数十段すべてが雄花で、花は咲きますが結実しません。「バナナの缶詰」の中身は、開花前の雄花がぎっしり詰まったつぼみの芯の部分です。つぼみの皮をどんどんむいて、可食部の白く柔らかい芯の部分だけを取り出します。苦味が特徴的で、フィリピン、インドネシア、タイ、南インドなどでは、その苦味をうまく活用して、炒め物やサラダなどの料理に広く使われているそうです。ブラジルでは、バナナのつぼみをシロップ漬けにしたものを常備していて、喉を痛めたときの万能薬として重宝されているそうです。
バナナすご~い! バナナLove!