ただのサトウキビマニアでしょうか……生産者立場で『知ってほしいなぁ〜』と思うこと。今回は少しディープなサトウキビの品種の話題をご提供します。
太い方が 農林27号糖、細い方が 農林15号糖 です。
品種選びの主要なポイントは、
1)発芽率・収量 どれだけ太く・長く育つか
2)糖度 どれだけ甘く(重量当りショ糖 成分量が多く)育つか
3)耐台風性 どれだけ繊維質が強いか (台風に折られないか)
4)耐病勢 どれだけ病害虫の被害に遭いに くいか
5)脱葉性 (手刈り収穫の際に1/2程度の 時間工数を食う)葉落とし作業 のしやすさです。
私たちの場合、『どうせ、一切の農薬(土壌消毒剤・殺虫剤・除草剤)、化学肥料を使わない栽培方法でいくのだから、収量は敢えて狙わず、糖度が№1の品種を狙ってみようじゃないか!!』ということで、「今後は全量切り替え!」の勢いで始めたのが農林15号糖。
いざ栽培してみると、なかなか思い通りには行きませんでした。『まさか本当に?』栽培にかかる手間に対する驚きの収量の低さ(苦笑)。(出来上がった製品重量から、収量の実績数値を評価するのはこれからの作業ですが)下手をすると何十分の一の歩留まり。
同一品種であっても、 ①作付け方法(春植え・夏植え・株出し)や②植え付け・収穫の時期、 ③生育途中の栽培管理(培土/分けつ/根張り・水・日照・風通しなど)、 ④畑の環境(土壌酸性度や栄養分・水はけなど)によって、収量や収穫するサトウキビの品質は異なります。
今回の低収量は、私の栽培管理が不適当な事も影響しているのでしょう。まずは経験を積んでみた上で考えていかねば、と思っています。 栽培管理の方法も単純なようでいて、その実、目に見えない・数値化されない「複雑系」の結果で、簡単な方程式ではないと思います。たとえば(今回は春植え栽培でしたが)夏植え栽培でチャレンジすると(台風リスクは2倍に高まるけれども)出足の遅い15号糖には収量挽回のチャンスが訪れるようです。確かに、15号糖は夏植え栽培が主流であった頃は、皆が当たり前に栽培していた人気品種です。
今回、恐らく(上手に作ってきている一般品種に比べて)数十倍の手間と暇をかけて栽培した農林15号糖 のこくとうみつとキビ砂糖を『プレミアム』な位置づけで商品ご案内させていただこうと思っています。ご興味を持って頂いたら、「ざわわ」のサトウキビ畑に思いを馳せながらどうぞ味比べしてみてください。そして、宮古島の畑にも足をお運びください。 本気の取組みを始めると、なまなかではいられなくなります(苦笑)。
松本克也 プレマ宮古島プロジェクトリーダー(兼農業生産法人(株)オルタナティブファーム宮古代表取締役) 2012年4月まで自動車会社に勤務。車体製造の接合技術開発に心血を注ぎ、エンジニア一筋の人生を送る。2011年12月にもともとプレマファンだった姉から「プレマ・宮古島プロジェクトの発足とスタッフ募集」のメルマガ情報を聞いて『これだ!』と直感し、転職を決意。そこからはとんとん拍子に事が進み、家族で宮古島に移住。今ではすっかり都人(実は京都出身)ならぬ宮古人になりました。 オルタナティブファーム宮古のfaceBookページはこちら>> |
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