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中川信男の多事争論

「多事争論」とは……福沢諭吉の言葉。 多数に飲み込まれない少数意見の存在が、 自由に生きるための唯一の道であることを示す

プレマ株式会社 代表取締役
ジェラティエーレ

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

「商品」を超越する

投稿日:

自然食品の流通を手がけるようになってから、前職も含めると、もう20年ほどになります。創業の当初から、あまり「商品」という言葉が好きではなく、会社で使うことは滅多にありませんでした。その後、人が増えてくると、スタッフの目線に立つと、就職した会社が売っているもの=商品、という認識が広がるのはあたりまえといえば当然のことで、いつの間にかスタッフの間では標準的な言葉となってしまいました。

確かに、会社が売っているものなので、「商品」という言葉が間違っている訳ではないのですが、新しいスタッフが入ってくると、「私たちは品物を売っているのではなく、その背景にある全てを、生産者とお客様の間に入ってお届けしているんですよ」とか「『モノ』より『コト』が大切なんですよ。これは切り離されているのではなく、私たちの場合には、必ずセットになっているんです」という説明をします。

ただ、商品(あえて使っています)の開発に直接従事しているスタッフではない場合、つい「商品」という言葉を使ってしまうことがよくあります。これはある意味、仕方のないことで、モノの背景にはコトがあるんですよ……といくら言ってみたとしても、実際に生産や製造の現場を見ていない、または、そこに従事している人に会っていなければ、やはり「会社が売っている商品にすぎない」という気持ちをぬぐうことは難しいのです。

 

作り手と話す

そんなこともあって、商品開発と関係がないスタッフであっても、「できる限り製造や生産の現場を見にいって欲しい」と伝え、作っている人の話を聞いてもらいたいと考えています。小さな子どもを子育て中で、京都を一歩も離れることができない人は仕方ありません。しかし、そうではないのであれば、できる限り生の現場に触れ、作り手の話を聞いて欲しいと願っています。1カ所でも2カ所でもいけば、幾千の会社が取り扱っている品が、そういった背景を、それぞれに持っていることが推察できるはずだ、と思っているからです。必ずしも、そういう想像力を広げられる人ばかりではありませんが、思いの力のすごさを、少しでも感じて欲しいと願ってのことなのです。

「商品」である「作品」が力を持つのは、その思いの力なのです。誰かの幸せを願い、真摯に向き合って丁寧に創られたものには、単なる「モノ」を超えた素晴らしい力が宿ると信じています。それがお客様に通じたとき、奇跡的なことが起きるのです。

 

売り手を超越する

そんなことを自社で、もう17年ほどやってきて、自分自身が直接ものづくりをするようにもなって、4ヶ月ほど経過しました。先ほど、電話口でお客様に農産物の説明するとき、「商品」という言葉を使っているスタッフに、つい注意してしまいました。自分が何か心をこめて、否、それ以上の気持ちで何かを織り出したとき、それを示す言葉が「商品」であると、カツンときてしまうのです。

このような注意をすることがいいのか悪いのか、私には判断がつきませんが、自分が作ったジェラートが、どこかの会社で「商品」と呼ばれているとすれば、決していい気持ちはしません。

この数日、個人的に、とても胸が痛む出来事がありました。もう、息をするたびに辛い思いが去来するのですが、そういったときに、今までの単純な流通業者である私たちであれば、お客様がそのような気持ちを抱えておられるときに、誰かが作った何かをお届けするのが精一杯で、創造の最初から、その思いを込めることはできませんでした。しかし、もう、違います。私には、ジェラートを創るということも、必要ならばお菓子の類いなら何でも作り出せる設備もあり、人材もいます。

『らくなちゅらる通信』でも繰り返し書いてきたように、私が作りたいのは単なる甘いもの、単なるスイーツではありません。もしかしたら、誰かが辛い、悲しい思いを抱えているときに、その全てを水に流してくれるような、そんな食べものを作りたいのです。それは、ときに「おいしい」というセンセーションを巻き起こすのかもしれませんが、単においしいだけではない、それ以上の何かを求め続けていきたいと、心を新たにしています。

私が作りたいのは、ビジネスのための商品ではありません。作品でもなく、まさに、わが子、わが分身とでもいえる、何かなのです。私たちに分身を託してくださっている作り手のみなさまは、おそらく私と同じことを考えておられると信じています。そのような気持ちを共有できない会社と取引をすること自体が、私にとっては時間の無駄遣いであり、お客様にとっても、お金の無駄遣いになるだけです。

マザーテレサは「愛の反対語は、憎しみではありません。愛の反対語は無関心です」と言いました。関心を寄せ、思いを寄せることは、即ち愛そのものなのです。無関心は世界を閉じ、愛は世界に広がるという性質を帯びています。

私たちがお届けする何かは、広がりをもった何かであり続ける必要があり、私たちはそのことに最大の関心を寄せて、日々のお仕えを続けていきたいと願っています。

 

 

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プレマ株式会社 代表取締役
中川信男(なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。
保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

- 中川信男の多事争論 - 2017年8月発刊 vol.119

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