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中川信男の多事争論

「多事争論」とは……福沢諭吉の言葉。 多数に飲み込まれない少数意見の存在が、 自由に生きるための唯一の道であることを示す

プレマ株式会社 代表取締役
ジェラティエーレ

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

振り回し型社長

投稿日:

今月の「常識を越える」という、突拍子もないテーマをいきなり持ち出したのは、私の思いつきでした。
本誌の編集計画を立てる編集会議は、京都・三条でスタートした新店舗「プレマルシェ・オーガニクス」の開店準備のためにキャンセルしてしまい、私の一存で決めてしまったものです。
とはいうものの、私の中では「世の常識を疑う」ことは常識。会議をしないと何も進まないなど、「ビジネスの世界では非常識なことはよしとされないので、常識らしいところに沿ったふりをする」ということすらにも距離をおいています。
ということは、本誌を開く皆さまは非常識な会社と接触をもっていただいている、ともいえるわけですので、これはきちんとご説明するべきと感じています。

そんなんでいいの?

本誌を通販会社のつまらない無料広告紙、と思って開かれた方はビックリされると思いますが、連載の大半が弊社の商品とは何の関係もありません。
連載コラムを執筆いただいている諸先生方に「それとなく商品の紹介を書いてください」と頼むこともなく、これでは宣伝にならないからと、記事にだめ出しをすることもありません。

私が『らくなちゅらる通信』に望んでいることは、「いつか、何らかの形でお客様の人生に役立つこと」が全てであり、それ以上でも、それ以下でもありません。もちろん私も人間ですし、何より家族もスタッフも抱える立場ですから、売上は多いに越したことはなく、投資した効果はちゃんと回収しないといけません。ただ、そこにばかりフォーカスすることで、失うものもまた、たくさんあるのです。常識的な判断でいえば、時間軸を短く区切り、今月のこの号で、今月はこれだけの商品の売上げを、何円立てると決めなければなりません。
少なくともこれは事業の世界では常識です。私はこの感覚が大嫌いなのです。
少し視点を変えれば、今月号に掲載されている記事が、いつ、誰の役に立つかは測ることができず、もしかするとすぐに必要な情報かもしれませんし、何年か、いや、十年以上先のことかもしれないのです。

マーケティング(ものの売り方)の世界では「ターゲットを決める」とか、「ペルソナを設定する」「期限を設定する」などの定説があり、それをすると売上があがり、それをしないと事業はダメになるなどということが常識のように語られます。否、私たちがご縁を結びたいのは、必ずしもこの瞬間、そのような狭い範囲ではなく、時間をも超えた次世代に繋がる人たちだと考えています。
すべての人は次世代に繋がっている訳で、その繋がり方は私たちの想像を超えていることすらあります。

実際に久しぶりに店頭に立っていて感じることは、目の前のお客様には、その周りにたとえば妊娠された大事なお友達、ご高齢のご親族や小さなお子様がいらっしゃいます。その先にはお友達がいて……と話は尽きません。
そんな他愛もないご事情をお伺いしていると、どんな形でもいいから「プレマがあって良かった」といつか言ってもらえたらいいなと思う私の気持ちは無限に広がります。今は弊社の品が重要ではないと思っている方がいたとしても、いつその人がその必要性に目覚めるかは計り知れないのです。こんなに夢があり、胸を張れる仕事はそう簡単に見つからないと思うと、今月来月は、なんとかしてガンバルほかありません。結局、くだらない精神論のようで申し訳ないと思いながらも、私たちのやり方は、時間軸をひたすら長くとる、という、流行らない非常識が背景にあるのです。

やってみて考える

多くの人は、やる前にいろいろ考えます。少なくとも、学校に行けば計画的にものごとを進めるように教えられます。宿題は計画的に、算数は積み上げて、漢字は反復練習してということです。私にはそのセンスが乏しく、いつも行き当たりばったりでした。こんな上司の下で働くスタッフは不幸で同情してしまいそうですが、どうしようもありません。ただ、私には時折ものすごい集中力が働くタイミングがあり、夏休みの宿題は、夏休み明けの提出期限の最後で1日で仕上げることや、細かく記憶していなくても大枠から細部に推察が働くときがあります。

こんな私が商工会議所の奨める事業計画の勉強会に出たのは2年前。
似合わぬ計画書の試案を出したら、これを公に認証してもらえるよう助言するアドバイザーから「無農薬とか健康リスクとか、化学物質を減らすとか、人が気づきを得る方法とかいうと、審査員の心証が悪いから、うまくぼかして書いてください」と言われました。役人に認めてもらいたくてこの仕事をしているわけではないのは、先にお話しした通りで、「じゃあ、もうここにいる必要はないですね」と失礼することにしました。またしても非常識な行動をとった訳ですが、当然私の心には火が付きます。そんなに健康とか環境とか人の生き方に関与することが審査員の悪評に触れるなら、それをやってやろうじゃないかと、やっているのが今回の店舗のスタートです。やれるかやれないか、いいか悪いかはお客様が判断されるというのが、この世界。常識的に正しいか間違っているかということより大切なこと。それは、お客様に「あなたがいて良かった」といわれ、また「あなたと出会えて良かった」とお返しできる、その関係性だと思うのです。

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プレマ株式会社 代表取締役
中川信男(なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。
1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。
保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

- 中川信男の多事争論 - 2016年11月発刊 Vol.110

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