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石塚 とも (いしづか とも)

東京都生まれ、慶応大学文学部卒。大手出版社勤務を経てフリーに。2001年、品田雄吉賞を受賞し、映画評論家として活動開始。
2006年、ローフードを推奨する健康法「ナチュラル・ハイジーン」と出会い、体重10キロ減を初めとしてさまざまな心身の変革を体験。ローフードが持つ科学的、社会的、人文学的な魅力に魅せられ、研究を重ねる。書籍、講演、ブログを通じて、ローな自分と世界に起こるさまざまな変化を発信し続ける。
著書に『ローフード 私をキレイにした不思議な食べもの』など。

【Vol.33】宝瓶宮のたくらみ

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 マリリン・ファーガソン著、堺屋太一監訳の『アクエリアン革命』が出版されたのは1980年。中学生だった私が、自宅でとっていた日経新聞の広告に強烈に引きつけられ、図書館で取り寄せて読んだ、初めての大人の世界の本であり、スピリチュアル関連本だった。この体験が、人生を変えたのは確かである。今、この本は、アマゾンの中古市場で、定価の3倍で取引される貴重本となっているが、それを中学生の私は新刊で読んだのである。

 この本で著者が述べている主張は、「社会の変革というのは、特定の指導者の強力なリーダーシップによってもたらされるものではなく、多くの人の心に、ある日突然、自然発生的に、一斉に沸き起こってしまうものだ」というものである。誰に吹き込まれたというわけでもないのに、突然、新しいコンセプトが今までの常識に取って代わり、気づけばそちらが常識になっているというのである。話し合いも根回しもなく、デモ等の示威行為もなく、ある日、皆が、突然同じ方向を向きだすこの現象のことを、ファーガソンは、みなが心の中で方向を定めるという意味で、「たくらみ(コンスピラシー)」と呼んだ。「宝瓶宮」とは、水がめ座(アクエリアス)のこと。直観的な知性、霊感をつかさどる星座である。こうした知性が一斉に人々の変革をもたらすことを、彼女は、「宝瓶宮のたくらみ
(本の原題=アクエリアン・コンスピラシー)」と呼んだのである。

 今、徐々に浸透しつつある菜食ムーブメントが、私には、この、「宝瓶宮のたくらみ」に思えて仕方がないのである。強烈なカリスマ性を持つリーダーに率いられたわけでも、大資本が仕掛けたわけでもない。小規模のリーダーはいるものの、一番強い要素は
「自然発生」のように思えるのである。

 私が住む大都会西麻布では、今までステーキで有名だったレストランの「ゼスト」が、ランチタイムにサラダ・バーを始めた。私は連日通い詰めているが、見ていると、昼食にステーキでなくサラダ・バーを選ぶお客さんが日に日に増えている。そして、このサービス、西麻布の系列店全店に飛び火してしまったのである。繰り返して言うが、これは、誰かが「仕掛けた」ブームではないのである。

 中学生の時から、この「たくらみ」は、いつ表面化するのだろうと思っていた。それなのに、ある日、突然、みんなが野菜によっておなかの中を掃除する日がやってきてしまった。こんな形で見ることができたかと、感慨深くなる、2010年なのである。


石塚 とも

石塚 とも氏
東京都生まれ、慶応大学文学部卒。大手出版社勤務を経てフリーに。2001年、品田雄吉賞を受賞し、映画評論家として活動開始。
2006年、ローフードを推奨する健康法「ナチュラル・ハイジーン」と出会い、体重10キロ減を初めとしてさまざまな心身の変革を体験。ローフードが持つ科学的、社会的、人文学的な魅力に魅せられ、研究を重ねる。書籍、講演、ブログを通じて、ローな自分と世界に起こるさまざまな変化を発信し続ける。
著書に『ローフード 私をキレイにした不思議な食べもの』など。

- とにかく、毎日お片付け。 - 2010年5月発刊 Vol.33

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