夏の風物詩といえば「浴衣」。今日、お祭りに浴衣を着て出た夫が、「どこの旦那はんですか?」と、声をかけられたと、喜んで帰ってきました。浴衣を着ている男性はあふれかえっているに、夫の浴衣姿からは何か特別な雰囲気が漂っているようなのです。
とはいいましても、着物デビューはここ1ヶ月程のこと。浴衣にいたっては、今日初めて袖を通しました。それなのに、まるで今までずっと和服で過ごしてきたような、なじみ感なのです。
実は先日、夫は出張でヨーロッパ4カ国、6社連続の商談をなんと連日着物で行ったのです。「着物姿が板についたんだよ。帯も簡単に結べるしね。」と、帰国後の夫はとても誇らしげでした。
そして今日。せっかくのお祭りなので、夫と一緒に保育所へ息子を迎えに行ったところ、夫は保育所の前にある着物屋さんへ。いそいそと特価でずらりと並ぶ浴衣の方へ進んでゆき、「ねぇ、1万円持ってる?」と、振り返りいうのです。夫が選んだ浴衣は、白地に昇龍。息子の甚平さんと同じ柄でした。
早速家に帰り、夫は浴衣をまといました。慣れた手つきで帯をぐるりとお腹にまわし“ぽん”っと、帯をたたくと、なるほど、「着物姿が板に付いた」と言うだけあって、なんともいえない「何か」を夫は醸し出しているのです。
それは、10日間のヨーロッパ出張で常に着物で過ごしていたことで、夫は知らず知らずのうちに、「日本人」としての魂を宿したに違いありません。異国の地であったからこそ、強くたくましく夫の中に眠っていた大和魂がぐんぐんと芽生えていき“どこの旦那はんやろか?”と思わせるほどの雰囲気が漂っていったのでしょう。
と、格好よく「夫の浴衣が似合うわけ」を分析してみましたが、ヨーロッパから帰国後、「連日のワインと食事で肥えたかも~」と言いながら体重計に乗る夫の体は、お腹周りが“たぷん”っといっていました。こちらが“旦那はん”と呼ばれた、本当の理由かもしれません。