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ハツキ的“らくなちゅらる”な生き方

常務取締役
室長/管理部長兼

中川 葉月 (なかがわ はつき)

【Vol.30】歓びの包丁

投稿日:

05sa_27.jpg 「スパッスパッ」と、心地よく野菜が切れてゆきます。ついに、念願だった「有次」の包丁を手に入れました。

 「有次」は、京都の錦市場にある老舗の包丁屋さんです。夫と錦市場へ行くたびにのぞき、「この包丁欲しいなぁ」と私は言うのですが、「鋼の包丁は手入れを怠るとさびるから、絶対管理できないよ」と、夫は私のずぼらな性格を突き、今まで購入のお許しがでませんでした。

 ところが、先日「せっかくだから、買って帰ろう」と、夫。夫の気が変わらないうちに、早速包丁を選びにかかりました。今までステンレス性を使っていた私にとって、すべて鋼の包丁は敷居が高いので、ステンレスでコーティングしてあり、刃先が鋼になっている包丁を選びました。それでも錆びやすいことに変わりはなく、日々のしっかりとしたお手入れは欠かせません。

 私の手元にくるために、包丁は「シャッシャッ」と、目の前で最終の研ぎが行われます。それを見ながら、「やっぱり私には管理ができないかも。。。」との不安がぬぐえませんでした。しかし、お店の方より、お手入れ方法を丁寧に教えていただき、その不安は消えました。ここの包丁が、長く多くの人に愛されている理由を感じられた瞬間でした。

 食事を作るときに一番大切なのは、そこにどんな想いをのせているかだと思います。つまり、その料理に一番関わる包丁を、いかに愛してお手入れができるかも、食事の状態を左右するといえます。新しいこの包丁は、握るたびにしっくりときて愛着がわき、使うことが歓びになるすばらしい包丁です。この“歓び”が、私の作る食事をさらにパワーアップさせることでしょう。

 しかし包丁は、日々のお手入れはもちろんですが、定期的に研ぐことが大切です。我が家の包丁は、すべて夫が研ぎます。そこで夫は、今回半年待ちの「包丁の研ぎ方教室」に申し込みをしました。これで、ずぼらな私が少しお手入れを怠っても、夫の研ぎで挽回ができそうです。いつも私を支えてくれている夫ですが、今回もやっぱり夫の力なくしては、成り立たないようです。包丁の名を私ではなく、夫の名にしたほうがよかったのではと思いながら、感謝。

- ハツキ的“らくなちゅらる”な生き方 - 2010年2月発刊 Vol.30

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