「一月は行く、二月は逃げる、三月は去る」と、この3ヶ月間の流れの速さを例える言葉があります。本当にその通りで、気がつけばもう、二月の節分を迎え、こんなに早く時間が過ぎていっていることに少々焦ってしまいます。
毎年節分の日には、吉田神社(京都市左京区)で行われる節分祭に行っています。節分の日当日は、深夜より「火炉祭」が行われます。この「火炉祭」では、節分祭中、参拝者が持参したお札などが、直径5m高さ5mの大きな八角柱型の火炉の中に積み上げられ、それを浄火を点じて焼き上げます。その炎は無病息災をもたらし幸福を皆に授けられるといわれているものです。そのため、その「炎」に身体を清めてもらおうと、多くの方が節分祭の夜は参拝に訪れています。
「火炉祭」での炎の勢いは本当にすさまじく、私の身体の奥底へぐるんぐるんと渦巻きながら入っていき、浄化してくれるかのようです。「立春」を迎えることは、凍り付いた大地から新しく生命の芽がでるということでもあります。そう思うと、この吉田神社の「火炉祭」の炎は、神様が凍り付いた大地に、そして私たち一人一人の中に、新しい生命を吹き込んでくださっているということではないでしょうか。
節分を迎えて、私の中に神様から吹き込まれた新しい芽吹きを、この一年枯らすことなくしっかりと育ててゆこうと思っています。