長男が幼稚園からズボンとパンツを履き替えて帰ってきました。おもらしをして帰ってきたようです。ちょうどその日バスにのっていた担任の先生のお話をきくと、朝のスクールバスの中、おやつの時間に、パンツを濡らしてしまっていたということでした。長男は、何かに夢中になると、トイレにいくということを後回しにしてしまい、結局漏らしてしまうということが、四歳になった今も多くあります。
その日は、通園直前まで遊びに夢中で「トイレに行ってきてね」と何度もいったにもかかわらず、生返事で結局そのまま通園のバスに乗り込んでしまったのです。家に帰ってからも、トイレに行かずに遊んでばかり。お夕食までの時間にパンツを二枚濡らしてしまいました。トイレトレーニング中の次男ならばいざ知らず、トイレにちゃんといける長男がおもらしをすることがあまりにも続くと、ついガミガミといってしまいます。
「どうして、トイレにいかないの?」「いったい何枚パンツを濡らしたら気がすむの?」と、だんだんと声が大きくなってゆきます。“なんでこの子は、トイレにいかないんだろう”“何かわたしが間違っているのだろうか”という思いが、ぐるぐるめぐります。この思いをぶつけるように、その日は、必要以上に長男を叱りつけてしまいました。さすがの長男もしゅんとし、元気がなくなってしまいました。
そのときにふと思い出したことがあります。実は、わたしも幼稚園の年長までおねしょを毎日のようにしており、多いときには一晩で四回! ちょっとしたきっかけでそれは治ったのですが、わたしは母に一度もおねしょをしたことでガミガミと叱られた記憶がないのです。母はいつも、「まぁまぁ、また~」などといいながら、熱いお湯の入ったやかんをもって、濡れたお布団をタオルでトントンときれいにしていました。
毎回毎回、めんどうなことを怒鳴ることなく母はしてくれていたのです。“わたしはなんでこんなに叱りつけているんだっけ?”と、思い返してみると、“わたしの都合”で長男を怒っているということに気がつきました。
あらためて、長男になぜパンツとズボンを濡らしてしまうのかを、聞いてみることにしました。すると“おちんちんがひっついて、トイレのなかにおしっこがはいらなくて、おズボンとパンツがぬれちゃう”と。幼稚園でパンツを濡らすのは、おもらしではなくて、おしっこが上手にできていないことがあるようでした。同じパンツを濡らすという結果でも、彼がどんな問題を抱えているのかを知ることはとても大切なことです。ちゃんと聞くことができて、よかったです。
お話の最後に、長男が耳元で「おかあさん、あるいているときもHAPPY でいてね」といった声が離れませんでした。わたしはどんな怖い顔をしていたのだろうかと、鏡をのぞき込んでしまいました。