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鍼療室からの伝言

鍼灸師の西下先生による陰陽や自然食。二十四節気など古来の智恵のお話

圭鍼灸院 院長 鍼灸師
マクロビオティック・カウンセラー

西下 圭一 (にしした けいいち)

新生児から高齢者まで、整形外科から内科まで。年齢や症状を問わないオールラウンドな治療スタイルは「駆け込み寺」と称され医療関係者やセラピストも多数来院。自身も生涯現役を目指すアスリートで動作解析・運動指導に定評がありプロ選手やトップアスリートに支持されている。

怖れを乗り越える

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マスクをせずに歩いていたらにらまれる、子どもたちが公園にいたら怒鳴られる、他府県ナンバーのクルマが嫌がらせをされる……。

感染への恐怖心からでしょうが、このような行為を数多く聞くと悲しくなりますね。

正しい怖れ方

新型コロナウイルスの感染よりも、怖れの感情が伝染していくことのほうが心配です。新種のウイルスということで予防のためのワクチンや、確立された治療薬が存在しないことなどから不安が拡がっていきました。確かに重症化する人や、亡くなっていく人の数も日々増えていき、不安にもなるでしょう。一方で、実際にそのようになっていった人数は人口全体からすれば数万人に一人レベルであり、やや過剰な不安な気もします。

「蜂に刺されるようなもんよ」。患者さんにどのような病気か尋ねられたときにはそう答えてきました。蜂に刺されると腫れて痛みを伴うけれど、きちんと処置をすれば問題はない。ただ、アレルギーなどの体質によってはショック症状を起こして最悪は死に至る。新型コロナウイルスも同様で、感染して進行したとしても、適切な治療が受けられれば、ごく限られた人しか重症化しないはずなのです。

新型コロナウイルスの日本国内の死亡者数は、交通事故での1ヶ月平均の死者数を下回る程度で推移してきました。蜂に刺されるかもしれないからと野山に出掛けるのを止める人はいないし、ましてや交通事故で死ぬかもしれないからと外出しない人もいないはず。だとすると、いまのこの状況ってどうなんだろう?と素朴な疑問がわいてきます。そういった意味で、過度に怖れすぎてきたようにも思えるのです。

もちろん感染予防は必要ですし、外出も控えるほうがよい。三密を避けるなどのことは当然でしょう。ただ少し冷静になって考えてみてもよいでしょう。メディアから流れてくる情報に受動的になるのではなく、自分から能動的に情報を集めてみる。先の例のように、コロナウイルス感染拡大を確率的に見て、本当のところはどうなのかを自分で判断できるようになることも必要ではないでしょうか。

免疫力は、結果

マスクの転売だけでなく、さまざまな便乗商法も見かけました。たとえば「免疫力アップに」とうたったサプリメント。外出を控えた生活をしていて、日光にも当たらず、運動不足が続き、精神的な不安が続いていたなかで、もしも錠剤を一粒飲んだだけで元気になるのであれば、それは麻薬以外には考えられません。これも少し考えてみれば、きっとわかるはずですね。

旬の野菜を食べ、適度に塩分を摂り、バランス良い食事を心がける。適度に運動をし、日光を浴びる。ときには誰かと話し、笑い合う。このような生活を続けてきた結果として、免疫力は上昇しているもの。免疫力アップは目的ではなく結果といえます。

禅では「一息に生きる」といって、その一瞬一瞬を大切に生きることを説いています。一息とは文字通り呼吸。吸って吐く呼吸の一つひとつを感じること。早朝など、人が行き交うことの少ない時間帯にウォーキングに出かけ、マスクも外して思い切り深呼吸してみると、今日も生かされていると感じることができます。それが一日一日を大切に生きることへとつながっていきます。

新型コロナウイルスが収束しても、秋から冬になればインフルエンザも心配になる。地震や自然災害も含め、いつなにがやってくるか先のことはわかりません。生きているかぎり不安は消えないものです。

どんなときも、自分で情報を集めて、自分で考える。自分の姿勢は保つように心がけていくことが肝心です。自分で考えられる習慣がついて、いつか「コロナのおかげ」と言えるときがやってくるといいですね。

- 鍼療室からの伝言 - 2020年6月発刊 vol.153

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