累計122万件出荷!自然食品・自然療法・エコロジー・らくなちゅらる提案サイト

鍼療室からの伝言

鍼灸師の西下先生による陰陽や自然食。二十四節気など古来の智恵のお話

圭鍼灸院 院長 鍼灸師
マクロビオティック・カウンセラー

西下 圭一 (にしした けいいち)

新生児から高齢者まで、整形外科から内科まで。年齢や症状を問わないオールラウンドな治療スタイルは「駆け込み寺」と称され医療関係者やセラピストも多数来院。自身も生涯現役を目指すアスリートで動作解析・運動指導に定評がありプロ選手やトップアスリートに支持されている。

自由と主体性

投稿日:

春の新年度から半年が経ち、会社では新入社員のなかから「辞めたい」と言い出す人が出始めるのだとか。高校・大学など部活動でも同じで、新入生が夏合宿や厳しい練習を乗り越えるころに、退部希望者が続くことがあるそうです。

「もっと自由にできると思っていた」というのが、この時期に辞めたい理由として多いようです。「うちは主体性を重視する組織だから」と聞いて入ったはずが、現実は違うと感じるのでしょうか。

自由のために

人として生きている限り、「ルールの範囲内での自由」しかありません。例えば日本では法律があり、あくまでも他人に迷惑をかけない範囲での自由しか認められません。他にも「宇宙や生命のルール」「時間や空間のルール」といったものがあって、自由に時間の進み方を変えたり、重力に逆らったりすることなどできません。自然界・人間界のルール、法律があって、みんなが従うことで社会は成立しています。

会社であれ、クラブであれ、組織にはルールがあります。まずは先輩方から言われることをきちんとやるのが「規律」。言われた通りにできることが第一歩です。

次の段階が、言われなくともやれる「自主性」。すでに決められた「規律」というやるべきことを理解している状況で、指図される前に自らの判断で自主的に行動できることです。

そうして「主体性」の段階へ。主体性とは、周囲に頼らず自らの判断で方向性を定め、それに向かって行動する力。また、自身の選択・行動に責任を持つことでもあります。自分がなにをすべきか、自分が動いた結果どんなリスクが考えられるか分析し、責任を持って行動に移せるのが主体性のある人です。

「規律」が沁みついて、指示なく動ける「自主性」を養い、自分の責任で発想を拡げる「主体性」を体得していけるのです。

活躍している人がメディアなどで取り上げられたときに、「基本をコツコツと徹底していた」「ロッカーをきれいに使っていた」といった学生時代の美談が取り上げられるように、規律を守り、基本を徹底し、目標に向かって努力する忍耐力を養うこと。まずは何事にも取り組む貪欲さが必要ということです。

率先して取り組む姿はやがて周囲から認められます。仲間に手を差し伸べることで信頼も得るようになります。そうして考えも及ばなかったような発想から新しいことを提案して自ら取り組めるようになる。関係なさそうに見えることが現実の壁を突き破るきっかけとなることもあるし、実際にやり切る姿には周囲も認めざるを得なくなります。

自分の自由のために、他人の自由を犠牲にしないこと。自分の自由のために、他の誰かがなにかを我慢しなければならない状況になるとしたら、それは好き勝手にやっているだけで自由ではない。自分が自由にやりたいことがあって、自分が自由にすることは誰か他の人の自由を奪わないか考えるようにしたいものです。

しなやかさと、強さと

禅の言葉に「竹有上下節」とあります。一本の竹にも上下に節がある。人間にも区別があって、どんなに仲が良くてもそれぞれの立場や考え方があり、礼儀や節度を守らなければ社会の調和は保たれないということです。上下に節があるのは竹の根本・基本のかたちであり、これを無視してはならないという教えです。節という区分けを無視すれば節操がなくなり、自然に調和しない、あり得ないということになります。

また竹は節と節の間は中空で、節の堅さと中空のしなやかさのバランスがとれているのです。硬軟両面をあわせもつ竹のように、力強いしなやかさを身につけたいものです。

- 鍼療室からの伝言 - 2023年9月発刊 vol.192

今月の記事

びんちょうたんコム

累計122万件出荷!自然食品、健康食品、スキンケア、エコロジー雑貨、健康雑貨などのほんもの商品を取りそろえております。

びんちょうたんコム 通販サイトへ