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鍼療室からの伝言

鍼灸師の西下先生による陰陽や自然食。二十四節気など古来の智恵のお話

圭鍼灸院 院長 鍼灸師
マクロビオティック・カウンセラー

西下 圭一 (にしした けいいち)

新生児から高齢者まで、整形外科から内科まで。年齢や症状を問わないオールラウンドな治療スタイルは「駆け込み寺」と称され医療関係者やセラピストも多数来院。自身も生涯現役を目指すアスリートで動作解析・運動指導に定評がありプロ選手やトップアスリートに支持されている。

やめる勇気

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「念のために病院で検査してもらってきて」。治療の回数を重ねてもなかなか取りきれない症状のときに伝えてみることがあります。考えてもなかったところに原因があったり、別の病気が見つかったりすることもあるし、結果によっては、病院での治療やクスリに著効のあることもあります。

病院での検査や、異なる治療法を患者さんに提示すると、驚かれることもあります。なかには、以前に通われていた治療院では効果が感じられず「しばらく休みたい」と伝えたところ、「治りかけてきたところなんだから」と強く言われて通院を止められなかった、との患者さんもおられます。そんな経験があると、他所への選択肢を提示されれば驚くかもしれません。

病気治しの主人公は、患者さん本人です。医者や治療者ではありません。「治りたい」と治療院を訪ねてこられた患者さんにとっての最善の道を考えるのも、治療者の役目でしょう。効果を感じられなければ、別の治療法を選択する権利を有するのは当然のこと。ただ「続けろ」と言い続けるのは、治るための機会を奪うことにもなり得るのです。

合理的な判断

誰にとっての「最善」か、常に考えたいところです。

例えば、友人から「いいよ」と勧められたものに興味が湧いてきて、詳しく話を聞いてみた。一気に話が進んで、すぐ契約した。そんな経験があるかもしれません。

しばらく使ってはみたものの、実際にはそれほど使わなかったり、もっと良いものを他に見つけたりして、必要なくなったのになかなか止められないこともあるかもしれません。

勧めてくれた友人は良さをアピールするばかりで、聞いているうちにやっぱり必要な気がしてくる。今は必要なくても、この先で必要かもと考えてしまう。これまでに支払った費用を「もったいない」と思ってしまう。せっかく勧めてくれた友人の気分を害するんじゃないかと心配になる。契約するのは簡単だったのに、解約するのは面倒というのはありがちです。

これまでに支払ったコストに気をとられ、合理的判断ができなくなる心理的効果を「サンクコスト(埋没費用)」といいます。「せっかくだから」「もったいないから」との理由で、支払った分を取り戻したくなる。サンクコストの影響から、もう少し続ければ良いことが起きて元が取れるのではないかと考えてしまうのです。これまでのコストよりも、これからかかるコストを考えるべきです。必要ないと感じているのに支払う必要はないはずです。

とっつきやすくて止めにくいものというのは、多くの場合「こちら」ではなく「あちら」の都合によるものです。勧めてくれた友人も、「あなたのため」と言いながら、実は自分のためかもしれません。本当に「こちら」のためを思ってくれるのなら、必要ないと思った理由に耳を傾けてくれるはずです。もしも解約して縁遠くなってしまうとしたら、所詮はそこまでの関係と気づかせてもらえたことに感謝して終わりにしたいものです。

削ぎ落した先にあるもの

禅の言葉に「真観清浄観」とあります。真実を正し清らかな眼で見るということ。余計なものを削ぎ落として、おのずとあらわれてくる清々しい境地こそを悟りという。禅の考え方の基本は「引き算」とされ、できるかぎり手放し、削ぎ落としていく。それでも残るものが、本当に必要なものということなのです。

なにかを得ることで、わかったような気がすることもありますが、それがなくてもわかっていられるか。それが物に頼らず、執着せずにいられるということ。周囲の環境も、心のありようも、シンプルに清々しくいたいものですね。

- 鍼療室からの伝言 - 2023年10月発刊 vol.193

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