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インタビュー取材しました。

太陽光の不思議

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当たり前のように、私たちを日々、照らしてくれている太陽。
「理科」のおさらいを含めつつ、皮膚ガンや光老化に考慮した現代の太陽光とのつきあい方などについて調べてみました。

太陽と地球は兄弟

太陽の直径は地球の一〇九倍、体積は一三〇万倍という巨大な星「恒星」で、その周りを回っている惑星の一つが地球です。太陽と地球は親子関係ではなく兄弟関係と言われています。太陽の表面の温度は約六千度。中心は約千五百万度。中心核では、水素同士がくっついてヘリウムに変わる核融合という反応が絶え間なく起こっています。つまり、太陽は宇宙に浮かぶ巨大な核融合炉なのです。

太陽から地球までの距離は約一億五千万㎞ありますが、これは地球と月との距離の約四百倍。太陽のエネルギーは、地球上すべての命に、光や熱をもたらします。太陽の中心核で生まれた光は、太陽表面に達するのに複雑な電動や放射の過程をたどるため、今、地球上に届いているエネルギーは、十万~百万年前に太陽の中心核で生まれたものということになります。不思議ですよね。

太陽はどんなエネルギーを出しているのだろう

すべての日光が地上まで届くわけではありません。大気や雲、空気中のチリに反射されたり、雲に吸収されたりするため、地上に届くのは約半分です。

地上に届く太陽の光は、可視光線(目に見える光)、紫外線、赤外線に大きく分けられます。全体の60%が赤外線、可視光線が37%、残りの3%が紫外線です。
※書籍により数値は異なります

紫外線は、皮膚ガンやシミ・シワなどの光老化の原因として問題視される一方、ビタミンDの生成、コレステロールの分解、甲状腺機能を働かせるなど健康にも役立つこともわかってきています。

日光と医学の歴史

古代ローマでは、紀元前二、三世紀ごろに各家庭にソラリウムという日光浴室が存在しました。当時、ナポリには『太陽の来ない家には医者がやってくる』ということわざもあったようです。

現代医学の父と呼ばれるヒポクラテスも、太陽光線を医療の場に取り入れてきました。「太陽の光と熱には、創傷、骨折、破傷風、筋肉の競争に日光が必要である」との記述もあり、「日光浴をするには、夏季には虚弱体質の人は過度にならないように、背部をさらし、頭部は必ず何かを覆わねばならない」という現在でも通じる理論が確立されていたのです。

医学の発達と共に、日光浴が活用されてきたものの、中世には医学に代わって「宗教」がその役割を担うという流れとなり、医学の衰退と共に、日光浴も一時衰退。しかし、一四世紀以降、ヨーロッパで猛威を振るったペストをきっかけに紫外線による殺菌効果が再認識されるようになります。

また、ナイチンゲールも戦傷病弊を屋外に移すことで治療に成果をあげました。その後、エジソンの電球発明に端を発し、さまざまな科学者が太陽光を再現できる人工光源の発明を目指し、十九世紀末、デンマークのフィンゼンが世界で初めて、太陽光線と同じ連続スペクトルを発するフィンゼン灯を考案。これにより不治の病とされていた尋常性狼瘡の治療に成功し、ノーベル医学生理学賞を受賞しました。科学的に太陽光線の効能は証明されたのです。その後も、太陽光線の効能については盛衰を繰り返してきたようです。

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太陽光線の危険性

紫外線にはUVA、UVB,UVCと3種類あり、最も有害なUVCは今のところ地表にほとんど届かないと言われています。地表に届く紫外線のうち、特に有害なUVBはオゾン層によって吸収されてきました。ところが80年代に入ってオゾン層に変化が現れます。オゾンホールと呼ばれる穴が南半球に季節的に現れ、カナダや日本など北半球でもUVBの増加が確認され始めたのです。

UVBは皮膚にどんな影響を与えるのでしょうか。大量に浴びると細胞構成分子が化学変化やDNA損傷反応を起こし、次のような影響を与えるのです。

  • 皮膚がんのリスク
  • 白内障のリスク
  • 日焼け・光老化
  • 免疫機能低下
  • 光線過敏症

などが挙げられていますが、特に怖いのは皮膚がん。

紫外線を浴びるとメラニンが作られますが、このメラニンには肌の細胞を守る働きがあるので、メラニン合成能力が低い人(日焼けしても赤くなるだけで黒くならない人)ほど皮膚がんになりやすいこともわかっています。子どもは成長が著しく細胞分裂が盛んなので、特に注意が必要なのです。

太陽光線の健康への効能

では、太陽光線の効能についてはどのようなものがあるのでしょうか。
早朝の光と海の水は世界で治療に用いられてきました。

➀ ビタミンDの生成

ビタミンDは日光を浴びることにより体内で生成されます。その働きは腸内のカルシウムやリンの吸収を促進させ、血漿中のカルシウム濃度を調節するなどカルシウムの代謝に大きく影響します。
不足すると骨が弱くなる可能性があります。近年の研究ではビタミンDは遺伝子の発現を調整する役割を担っており免疫システムにも大きく関わっていることがわかっています。

『紫外線から子どもを守る本』*参考文献3
によれば「現代はビタミンDは食物から摂取できる」、

『学んで実践! 太陽紫外線と上手につきあう方法』*参考文献4
『太陽を浴びれば医者はいらない』*参考文献5
『1日15分「日なたぼっこ」するだけで健康になれる』*参考文献6
には「食事から摂取するのは困難」と書かれており諸説あるようです。

➁ 体内時計の調整

可視光線は、体内時計を調整すると言われています。一般的に体内時計は24時間より少し長めであると言われており、網膜で光を感じることでリセットしています。そのほか、肝臓、肺、胃、骨格筋、皮膚などにも時計遺伝子があることが確認されており、膝裏での効果を研究した論文もあります。

網膜から入った光によって、脳の視床下部にある「視交叉上核」という体内時計が、まずリセットされます。視交叉上核は体内時計の中枢で、この時刻情報が、からだのあちこちにある体内時計に伝わり、合わせてリセットされると考えられています。

ところが、現代は人工光源により体内時計は乱れがち。体内時計と睡眠パターンのズレが続くと、心臓病、高血圧、糖尿病、肥満、乳がん、前立腺がん、うつ病、心身病などのリスクが高まります。

➂ 内分泌系や自律神経の乱れを整える

太陽光線は、成長ホルモンや女性ホルモンなどの内分泌系や、自律神経の乱れを整え調整します。そのため、更年期障害や、うつ病などにも日光浴がよいと言われています。光老化が美容の大敵である一方で、内面の美しさには太陽光が一役かっているとも考えられるのです。

その他、血糖値や血圧を下げる、有毒物質の体外排出を促す、感染症の予防や改善、脳幹・視床・視床下部など脳に影響を与え行動や認知を調整する、偏頭痛の改善に役立つなどの研究結果も、近年、報告されています。

太陽とのいい関係

直視してはいけないとされる太陽ですが、個人的な見解のもと、日の出や日の入りの穏やかな太陽を、直接見るなどの独自の健康法を実践する人もいるようです。

『1日15分「日なたぼっこ」するだけで健康になれる』*参考文献6
によれば太陽光線を治療に活用する医師たちが口をそろえるのが「早朝の太陽が最も効果的である」ということ。緯度、高度、季節、肌の色、食べ物、投薬によっても日光の影響は異なるようです。諸説あるなかから上手に取り入れつつ、夏には、やはり無理をしないように心がけたいですね。

佐々木政子工学博士による太陽光と上手につきあう方法
・日焼けするほどの日光浴の必要なし
・両手の甲あるいは手のひらと顔が一日15分間日光に当たる程度あるいは日陰で約30分間過ごす程度
・正午(10~14時)・晴天を避ける
・日傘・帽子・着衣・手袋サングラス・日焼け止めを使用

リチャード・ホブデイ工学博士による健康のための日光浴・早朝の日光を浴びる
・春から初夏に始めて慣らす
・気温は18℃程度
・帽子を着用
・日焼け止めは塗らない
・最長30分まで

*参考文献

  1. 『オゾン層の破壊をふせごう』(ほるぷ出版 一九九八年)
  2. 『銀河宇宙オデッセイ1』(日本放送出版協会 一九九〇年)
  3. 『紫外線から子どもを守る本』医学博士 田上八郎監修(双葉社 二〇〇一年)
  4. 『学んで実践! 太陽紫外線と上手につきあう方法』工学博士 佐々木政子編著(丸善出版 二〇一五年)
  5. 『太陽を浴びれば医者はいらない』医学博士 宇都宮光明著(株式会社ワニブックス 二〇一〇年)
  6. 『1日15分「日なたぼっこ」するだけで健康になれる』工学博士リチャード・ホブデイ著(シャスタインターナショナル 二〇一五年)

- 特集 - 2016年7月発刊 Vol.106

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