2月は梅の花、3月は桃の花、そして4月には、桜の花が私たちの心をなごませてくれます。それぞれの花は、夏に咲く花と違って優しいピンク色ですが、その中に強さを感じます。それはバラのように華やかさやきらびやかさを感じさせることはありませんが、凛とした姿が確かに存在し、昔の日本の女性を象徴しているような気がします。日本中の人に愛されている桜。もちろん、私も大好きです。
桜の花が多くの人に愛されているのには、実はちゃんとわけがありました。桜の木には「古事記」に登場する、此花咲耶姫という、最も美しく、人々に愛と美を与え続けた女神様が、精霊として宿っているのです。そして、さくらの「さ」は田神(さがみ)の「さ」で、穀物を意味し、「くら」は神様の磐座(いわくら。御座所)を示し、さくらは穀物の憑りつく神座を意味していました。他にも、桜の「さ」は早苗の「さ」をさしていて、稲の花の意味を表し、桜には、稲の神霊を宿らせている木という意味もあるといわれています。古来、日本人が食してきたお米と桜は縁が深いのです。
忙しい毎日を過ごしていたり、機械の中で生活し続けたりしていると、自然とのかかわりだとか、日本人が昔からずっと親しんでいることに意味があるということを忘れがちになります。それでもやっぱり体の細胞レベルでは、そんなことをも記憶し続けているのでしょう。だから、私たちが無意識で選んだり、愛しているものは、日本人が昔からずっと愛してきたものとつながっているのです。桜の花が大好きな私も、やっぱり自分も日本人なんだなと実感して、嬉しく感じています。
昔の人は勢いのあるものを見ると、その生気をいただくという習慣があり、お客様が訪ねてきてくださるときには、そのお客様を癒す目的で、元気のいい枝や花を飾り、おもてなしをするという習慣がありました。マクロビでは、食べ物の栄養を摂るというより、野菜なら野菜の持っている力や育ってきた全てを体に取り入れるという考え方をします。取り入れたものが元気であればあるほど体も元気になり、美しければ美しいほど体も美しく変化していくのです。ただ単に無農薬がいいとか、農薬がだめというのではなく、どんな命を食べて、どんな姿になりたいのかを考えることが、とっても大切なことのように思います。今年は桜の意味を知ったので、美しさと愛をいっぱい身につけるために、桜のお花見に出かけようと思っています。そして、その命をいただいて、そんな女性を目指してみようと、心ひそかに思っています。
.。゚+..。゚+.☆ 今月のMie’s Recipe ☆.。゚+..。゚+
|
|||
|
中美恵
中美恵(なか みえ)氏 KII認定 マクロビクッキングスクール校長 東京南青山プライベートサロン Mie’s Room 主宰 1997年に、KII認定マクロビオティックカウンセラー・中広行氏と出会い、料理法や理論を学び始める。 2000年「おいしく、楽しく」をテーマにした「マクロビクッキングスクール」を大阪に開校し、全国に展開。現在は料理に留まらず、マクロビオティックに出会うことで多くの可能性を手に入れた自身の経験を活かし、「年を重ねるごとにキラメキを増す」「今の時代に望まれる素敵な女性」をテーマに、多彩な場面で活躍中。 中美恵公式サイト https://miesrecipe.jimdo.com/ >> |