宮古島ならではの魅力をお届けすることを主眼に、台風や旱魃にも強く宮古島の気候に適した地域資源「サトウキビ」に着眼し、有機サトウキビの栽培から始めて、黒糖や黒糖蜜、キビ砂糖などの製品に加工しています。現場では、日帰りの農場見学から長い方では3ヶ月以上の滞在期間での農業体験も受入れ、日々の現場の様子や製品が出来上がるまでの工程や製品に込められた思いなどを、フェイスブックや本紙を通じて広報してきています。 サトウキビの魅力を丸ごと発信できる事業に成長していくことを目標に、観光客向けの黒糖作り体験プログラムなどの新事業展開や、様々の新商品開発を継続検討してきている中、今月号では、現在試作開発中の「おうちで黒糖」についてご案内します。
黒糖作りは、簡単に書くと 1)サトウキビの搾汁、2)搾汁液の焚き上げ、3)冷却成形の工程からなりますが、本製品は2)の焚き上げの工程を80%完了させた黒糖蜜です。本製品1パック(150g)を家庭用のガスコンロで15分も焚き上げると110g程度の黒糖が出来上がる、名前の通りおうちで簡単に黒糖が作れる商品です。2)の工程で既に、炭酸カルシウムを使って不純物を沈殿除去し、焚き上げの途中で上がってくる灰汁も丁寧に掬い取っているので、えぐみはなく驚くほどすっきりした上品な味わいです。
楽しみ方は多様で、軟らかめの黒糖蜜として、そのままお使いいただいても勿論美味しく召し上がっていただけます。ですが、水分を蒸発させながら黒糖に焚き上げるまでのわずか15分程度の工程で、次々と変化する様子を見て・食べて楽しんでいただけるのが、本商品の最大の特徴であり魅力であるかと思っています。
1)加熱を始めてすぐ辺りでは、いわゆるホットチョコレートのような状態で、これを10倍程度のお湯で薄めて飲むと、やさしい甘さに包まれて体も温まります。生姜の絞り汁を少し加えても2度美味しくいただけます。焚き始めの段階から部屋いっぱいに甘い良い香りが充満します。
2)しばらく加熱を続けるとねっとりと粘性が高まって、キャラメルに近い状態に変わっていきます。この状態で水を張ったボールなどに取ると、ソフトなキャラメル状に固まります。
3)もう少し硬く焚き上げた状態で油紙などに取ると、今度は飴に固まります。元は同じ黒糖蜜から焚き上げて、食感が変わるだけで味の感じ方が大きく変化するのがお楽しみいただけると思います。
4)最後に結晶化のタイミングを見極めて型に流すと黒糖に固まります。やはり焚きたての黒糖は風味が良く、しっとりホクホクとして美味しいです。型に流し込んで好きな形状に成形できますし、大豆やピーナッツなどの黒糖コーティングなどへの加工も可能です。
うまく焚き上げるためのポイントは、第一に鍋底を良く返して焦がさないこと。水分がなくなるにつれて、鍋肌に焦げ付きやすくなりますが、出来上がった黒糖に焦げ臭さがついてしまうと、焦げた部分を外しても、黒糖の風味は感じられなくなってしまいます。第二のポイントは、焚き上げのタイミングの見極めで、早く上げ過ぎると型に流しても水飴のような状態のままで固まりません。水を張ったボールにとってみて固まることを確認するか、鍋肌に当たった黒糖蜜が冷えて固まる様子から判断できます。第三のポイントは、撹拌による結晶化促進で、若干の空気を巻き込みながら撹拌し、蜜状の液体の中に結晶の核を作ります。実は、黒糖蜜は単純に冷やしただけでは上手に黒糖に固まりません。第四のポイントは、素早い型流し作業です。少量なので冷却が早く固まりやすいので、ちょろ火を維持したまま型に流すか、平板などの簡単な形状にさっと流すようにします。 近く試験販売を開始いたしますので、楽しみにお待ち下さい。
松本克也 プレマ宮古島プロジェクトリーダー(兼農業生産法人(株)オルタナティブファーム宮古代表取締役) 2012年4月まで自動車会社に勤務。車体製造の接合技術開発に心血を注ぎ、エンジニア一筋の人生を送る。2011年12月にもともとプレマファンだった姉から「プレマ・宮古島プロジェクトの発足とスタッフ募集」のメルマガ情報を聞いて『これだ!』と直感し、転職を決意。そこからはとんとん拍子に事が進み、家族で宮古島に移住。今ではすっかり都人(実は京都出身)ならぬ宮古人になりました。 オルタナティブファーム宮古のfaceBookページはこちら>> |
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