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生産者さん紹介

プレマの商品を作ってくださっている生産者さんたちを紹介。 その魅力に迫ります

人とは逆の発想で 本当に美味しいものを届けたい
株式会社山田製油 代表取締役 山田 康一さん

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添加物や保存料、製造過程においても薬品を一切使用せず、
厳選した原材料を使い製品を作っている山田製油。
京都のみならず全国の知り合いから
「へんこ山田のごま油使っているよ」という声が届くほど。
自らをへんこ(頑固・偏屈者)と呼ぶ三代目の山田康一さんに、
これまでの歩みや将来の展望についてお話を伺いました。

山田製油は、祖父がマクロビオティックの提唱者である
桜沢如一さんから、直接、ごま油の製法を教わり販売を開始しました。
桜沢さんと祖父は知人で、
その指導のおかげで祖父が健康を取り戻したのがきっかけです。
釜による焙煎、一番搾りの油のみを使い、旨味を引き出すための湯洗い、
薪火による火入れなど、教わった製法を今も守っています。
もちろん添加物や薬品は一切使っていません。

二代目の父が数年休業していたので、僕は大学卒業後、大手冷凍食品会社に就職しました。入社一年目から数億円の大きな案件を任され、誰もやっていない新しい売り方を考え挑戦していくことはとても楽しかったです。
しかし、数字を追う虚しさを感じて退職。バブル全盛期、お金と物の交換だけの消費に嫌気がさし、「人がやってることの逆を行こう」と思っていました。

紆余曲折を経て家業を継いだものの、
休業の影響もありなかなか商品を置いてもらえません。
そこで関西の自然食品店を電話帳で調べ、
一軒一軒訪ね歩きました。
それでも初年度の売り上げは37万円(笑)。

バブルが弾けたあと世間が健康に目を向け
商品の原材料や安全性に関心が寄せられ始め、
当社のごま油に興味を持ってくださる方が増えてきました。
関東の高級スーパーに作られた〝京都コーナー〞に
商品を置いてもらえたことも全国的な知名度につながりました。
京都ブランドに助けられたわけです。
ダイニング&カフェ「ゴマクロサロン」を烏丸御池にオープンしたとき、
ここで大切な情報を発信していくことが京都への恩返しになると思いました。

お客さんにも地球にも喜んでもらうために

今、同志社大学の大学院でビジネスを学んでおりフードロスについて研究しています。
食べられずに捨てられる食品は、日本で年間6 3 2 万トン。
対して、世界中の食料危機の子どもたちに必要な食料は300万トン。
到底無視できる数字ではありません。

物を作れば必ず廃棄物が出ます。ごま油の場合は、油かす。
これまでは農家が使う肥料などとして循環させてきました。
学生時代、ごま油搾りを手伝った手間賃の代わりに父がくれた油かすを売っていたものです。

通常二回絞るところを、山田製油のごま油は一番搾りだけを使う。雑味のないまろやかな 味を楽しめる

当社の一番絞りごま油なら、一度しか搾らないので、油かすでも風味も栄養も残っている。
これを製品化したのが「ゴマプードル」というパウダー状のごまです。
ムダなくおいしく食べていただく工夫をするのが、売る側の人間の使命だと思っています。
例えば、お客様から「商品のボトルが割れていた」というクレームが入ったとします。
おそらく梱包材をどう変えるかという話になると思いますが、
僕は、いっそボトルの素材を変えることを考える。
「どうすればお客さまに喜んでもらえるか」。
どこまで立ち戻って考えることができるかだと思うのです。

石臼で挽いたねりごまは、味や香りを損なわず、とろりとなめらかに

ごまは空気と光を嫌います。
脱酸素剤を用いしっかりパックしても、スーパーの棚に陳列すると、
賞味期限が来る前に味が落ちてしまう。
本当に美味しいごまを味わってもらうには、新鮮なうちに食べてもらうのが一番。
例えば、工場に直接タッパーを持ってきてもらい、ごまを量り売りすることもできるでしょう。
そうやって、それぞれの土地にお醤油屋さんやお味噌屋さんや油屋さんがあれば、
できたてのものを買えますし、旬のものをおいしく食べることができますよね。
身土不二ともつながります。
全国的にそういう流れになれば、地域も活性化するはずです。
世のため人のため。お客さんも地球も喜ぶ、
そんな社会を作っていけたらすばらしいですよね。

桜沢如一氏直伝の「一番絞りごま油」

甘みの強いごま、味が濃いごま、
皮付きのごま、皮をむいたむきごまなど、
味や香りはさまざま。
製品ごとにブレンドし、
胡麻の良さが引き出されるように配合され
深みのある味わいに仕上げます。

へんこ山田 一番絞りごま油を見てみる>>

人とは逆の発想で 本当に美味しいものを届けたい株式会社山田製油 代表取締役 山田 康一さん

- 生産者さん紹介 - 2017年12月発刊 vol.123

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