「推し活」はご存じでしょうか? 世間では特にアイドルを応援すること。私も一番の推しには特に力を入れて応援しています。お金をかけて、追っかけをして、出待ちに、プレゼントなど。それはラグビー部の次男くんです。
この推しくん、ファンサービスが一切なしの超ドSキャラで沼が深いと有名です。彼は話すのが苦手なので、表情で感情や状況を読み取るしかありません。いつも振り回されて疲れるのですが、沼から抜け出せないんですよね。なぜなら、彼はピッチのうえでは光り輝いているから。その一瞬の光を求めて、つい追っかけをしてしまうんです。そして、私は推しくんを一番近くで一番熱く応援している! これは推し活をするうえで一番尊いことであって、この多幸感はほかでは味わえない!といいきかせています。
先日、推しくん史上最大の公式戦がありました。推しくんが通う京都代表洛南中学校vs大阪代表東海大仰星付属中学校の近畿大会頂上決勝戦。推しくんたちは、試合前に家族からの応援ビデオで和むなか、ファンである私たち保護者は、口から心臓が飛び出そうなほど緊張で震えていました。
試合は取って取られての大接戦! 応援している私も手に汗握るどころか全身筋肉痛になるほど。この試合には絶対勝って、京都に優勝旗を持ち帰ってほしい。なぜなら昨年、推しくんの先輩たちが同大会の準決勝で1点差で負けた相手だから。公立中学が私立中学に立ち向かう、まさに少年漫画のような展開に、大雨のなか観客も満員でした。
試合終了のホイッスルが鳴り「ノーサイド」とレフリーが発した瞬間、チームメイトで喜び合う姿、すぐに相手チームの同じポジションの子が近寄ってきて推しくんと二人で熱いハグをしている姿に、私は涙が止まりませんでした。試合の結果は19対19の引き分け、両校優勝という結果になりました。
あとでなにを話していたのかを聞くと「お互い良い試合ができたことがめっちゃうれしい! ありがとう!」と讃え合っていたそうです。試合前はお互いいがみ合っているように見えたのが噓のようで、一気に友達になったとか。どんな相手でも尊重して受け入れる心が、いつの間にか育まれていたことに、私はとにかく嬉しかった。そして、50年ぶりに中学校に優勝旗を持ち帰ることができました。
「私の推しくん最高! これだから推し活やめられねぇ!」と、また底がない沼にハマったお話。あなたは最近、なにかに熱くなれていますか?
※まるで沼のように抜け出せないほど夢中になってしまうこと。オタクやアイドルファンがSNSなどで使っている言葉
web制作チーム
松本 春菜(まつもと はるな)
思春期ティーンエイジャー男子二人を育てるシングルマザー。ラグビー部の次男の試合観戦で黄色い声援を送ることがなによりも楽しみ! 家族でHIPHOPやKPOPの音楽を楽しむカラオケ大好きな陽気なファミリー