「アーシング」という言葉を最近よく聞きますが、アーシングにはどういった効果があって、どのようにおこなえばよいのでしょうか?(お風呂が大好きな30代男性)
A.人間は自然に触れると元気になる生き物
答える人 プレマ株式会社 お客様コンサルティングセクション 岸江 治次
人類の祖先にあたる生物が誕生してから20万年ほど経ちますが、人類はその長い歴史の多くを裸足で過ごしてきました。つまり人類は裸足で大地の上を歩いて進化してきたわけです。しかし、文明が進化すると、裸足で大地を歩く機会が少なくなりました。人間が住む場所の多くの地面がコンクリートやアスファルトで覆われ、靴下や靴を履き、街中を裸足で歩いている人はもういません。
文明の進歩は私たちに多くの利便性をもたらした半面、いわゆる「文明病」に侵されるようになりました。その原因のひとつが大地から離れて過ごすことが増えたことといわれています。また、地球が誕生したころにはなかった電化製品が溢れかえり、それらが広く使われることで、それまで人類が経験したことのない電磁波に襲われるようになりました。いまでは電磁波によって体調が悪くなるという考え方もあり、電磁波対策についても言及されるようになってきました。ただし、電磁波はすべてが悪いわけではなく、電気自体も悪ではありません。体を動かしているのも微量な電気であり、自然のなかにも電気エネルギーは存在します。わかりやすいのが雷で、雷が鳴ると、自然の電気エネルギーで土壌の栄養が高まり、窒素が発生して稲が育ちやすくなります。このように電気エネルギーには良い面もあるのですが、過剰に電気を帯びると体内に余計な電気が溜まって体調を崩すといわれています。そこでいま注目されているのが「アーシング」です。
アーシングとは、裸足で大地の上に立ったり歩いたりすることで、語源は「earth(地球、大地)」。体に溜まった余計な電気を逃がすことができるとして科学的に検証、調査がおこなわれました。その結果、アーシングによって体内の活性酸素などを含むフリーラジカル※が取り除かれることがわかり、健康効果についても科学的、医学的にエビデンスがとれています。
まず、血液がサラサラになり血流がスムーズになって、体全体の代謝がよくなります。また、睡眠の質がよくなり、睡眠障害もなくなると証明されています。さらに自律神経を整える効果も立証されており、病気の原因にもなりうる大きなストレスに高い効果があることがわかりました。また疲労や痛みの緩和などを感じることもあり、アーシングをおこなうことで体が元気になるということが徐々に広まっています。
昔は田植えや耕作などで普段から大地に触れ、逆に大地は人間から電気エネルギーを受け取ることで豊穣になるといった形で、アーシングが生活のなかで習慣的におこなわれていました。しかし、いまでは大地に触れることが少なくなったうえ、高層住宅など大地から離れて過ごすことが増えてしまっているため、意識しないとなかなかアーシングができません。
直接、大地に触れて体をあずけてみる。要は自然に還るということが人間の生理機能を高めてくれます。海や砂浜、川、湖などに遊びに行って自然に素肌を触れさせる、それが難しければ植木に抱きついたり、葉っぱに触れたり、湯船に塩やミネラルを入れたりするだけでもアーシングに近い効果が得られます。最近ではアーシンググッズなどもありますので、意識してアーシングを実践されてみてはいかがでしょうか。
※不安定で反応性の高い分子で、未ペアの電子を持ち、他の分子と反応して化学変化を引き起こす。体内で増えすぎると細胞にダメージを与え体を酸化させてしまう