どうして逆子のままなんだろう

自然なお産を楽しみに準備していて、思わぬ結果になることは、そう珍しくない頻度で起きています。
例えば、できるだけ冷やさないように、無理もしないようにして、お手当てを尽くしてみても、逆子が直らない、というようなケース。

出産にはそれぞれのストーリーがあるものですが、逆子になった人は、どうしてこの子は逆子のままなんだろう、と考えることを通して、深い体験をすることもあるようです。

深めるベクトルに行かず、ただ飄々と（というふうに周囲からは見えた）、逆子を下から産んでしまった人もいました。
医師は緊急時の対応のためそばについていましたが、促進剤などの介入もない、おそらく今では珍しいお産。
その方は、怖くないの!?と問う周囲の声のほうが不思議だったようで、実際、とくに問題もなくスポンと生まれたようです。
介助するほうに適切な技術と知識があれば、逆子も構えず産めるみたいですね。
これは、お子さんが（あるいはお母さんが）、その生まれ方（産み方）にトライしたかったのかな？

二人でちょっと新しいことしたかったのかな、などと思えたケースです。

昔の助産師さんがやっていたような外回転術を医師から受けて、逆子を直した人もいます。
今は、週数が差し迫ってから麻酔付きでおこなうようなケースがあるようですが、その人の場合は、子どもが自力で回れるくらいの時期に、医師の手技のみでおこないました。
「何度直してもらってもくるって回って戻っちゃうから、急いで固定してもらったの」と言っていました。
今は対応できる病院は少ないかもしれないです。

医療介入をめぐって

このように逆子で自然分娩した例もあれば、帝王切開になるケースもあります。
2014年の統計で病院・診療所合わせて全分娩中の帝王切開率は、38・4パーセント。
確率的にも帝王切開のほうがありえます。
逆子を帝王切開で産むことになった人たちは、そのかたちで産むことで、自分が大きな学びを得たことを話してくださいます。
そこで気づくことは母の人生に関わるものであることが多く、完全自然分娩よりもおなかの子を愛しく思ったお産、と語る人までいます。

「医療介入される必要があった」という学びを得る人は、わたしが聞く範囲ではわりと多くて、自然食や代替療法にある程度詳しい人に、起こりうる傾向なのかもしれないです。
ヒプノセラピーを受けて、西洋医学への気持ちが逆子の原因だと気づいた翌日に、緊急帝王切開になった、と静かな興奮を交えて教えてくれた人も（ヒプノ出産のご予定でした）。
わたしの3人目のケースも、母が医療介入を経験する必要があった例のバリエーションで、でもそれはわりと見えやすいところにある理由。
その先を、子育てしながら探っている気がします。
みなさん、そこは同じなんじゃないかな。

この連載を熱心に読まれる方には妊婦さんが多いと思います。
何かトラブルがあったときには、子どもからのからだをはったメッセージが隠されているのかもしれません。
逆子の第一子を「外回転後、固定」した母子のケースでは、第二子の妊娠で、さらに難易度の高いやりとりがありました。
仕切り直しがあったのかもしれませんよね。
妊娠中は無理せずリラックスが一番。
を念頭に、でも、おなかの子が、何か自分の気づいていないことを伝えてくれている可能性を、覚えておいてもいいかもしれないです。