パートナーの横に並ぶ
これを書いている10月時点では、パパの産休である「産後パパ育休」のニュースが出始めています。しつこいですが労使協定次第で変わる要素があります。まずは会社に確認、交渉して、有利な形で取得してくださいね。
そして、男性のなかに他の男性との横並び意識がないかも、同時に点検してください。夫の家事・育児の時間に関する統計を、最近二つ見かけました。一つ目は総務省の調査に由来。6歳未満の子がいる夫の家事・育児にかける時間は、15年前より1時間増えてはいるけれど、男女格差は15年前と変わらない、というものです。妻の仕事の有無に関係なく、夫は1時間50分前後で、まるで揃えているみたい。二つ目は、新型コロナ感染症の影響下でのステイホームで、夫が家事・育児にかけた時間の増減を調べた調査。家にいるから分担できるはずなのに、一番多かったのは、ステイホームでも「変わらない」夫でした。
これでは、せっかく男性が産休を取れるようになっても、産休・育休は周りの人並みに取る、という人が多数になりそう。このシリーズの最初のころ、妻の妊娠中や赤ちゃんが小さいころに、妻が夫に不信感を持つとそう簡単にリカバーできない、ということを書きましたけど、妻が使えない夫を見限って離婚に至ったケース、離婚せずとも夫婦仲が冷え切ったケース、珍しくありません。他人より、パートナーに足並み合わせるのが吉ですよ。
アクティブに立ち会う
逆に、夫がその期間を大切に過ごすようなら、二人の関係性も互いの人間性も、ものすごくバージョンアップすると思います。妊娠中に家事の分担を話し合うようなときに、二人にとってのお産について、話してみませんか。
前回、夫が赤ちゃんを取り上げた、究極の出産をご紹介したので、今回はもっと一般的な立ち会い出産をご紹介します。Aさんの妻は、母乳育児に力を入れる、「赤ちゃんにやさしい病院」で出産しました。なかなか分娩が進まない妻に、Aさんは、助産師さんと息を合わせて、ずっと声をかけていたそうです。ただその場にいるだけでなく、プロと一緒に前向きに応援する様子を、助産師さんにとてもほめられたと、誇らしげに語っていました。夫も一体感があるし、無我夢中の妻にもちゃんと聞こえる。赤ちゃんも心強かったろうなぁ、と思いましたね。
立ち会いというよりビデオ撮影で現場に入ったのはBさん。妻の要望があればそれもいいですね。現場で邪魔にならないように気をつけて、あと、手元の機械に気を取られるばかりでなく、妻から視線を向けられたら、ちゃんと目を合わせてくださいね。(産む場所によっては医療関係者もモニターばっかり見ていたりするので……)
Cさんは、病院の廊下でタバコを吸う以外のことはなにもしたくないと主張(吸えないのでは?)。初産で心細いから立ち会ってほしかった妻は、悲しみつつ、立ち会いなしでの助産院出産を選びました。しかし、廊下にいたCさんは、助産師さんに呼ばれ、妻の姿勢を支える係で手伝う羽目になったんだとか。断るのも面倒だったからと語っていましたが、妻によると、第二子の出産では、文句をいわずに第一子とともに立ち会ったそうです。1回目が良い経験だったのかもしれないですね!
いろんなパターンがあります。ぜひ立ち会う側もリサーチして、当事者性を味わい尽くしてくださいね。