必死で腰を縛ったところで
空っぽのお腹で空陣痛を経験したあとも「産後」は続きます。
陣痛促進剤の副作用で産後うつ状態になったことはわきにおいても、大病院でのお産の「産後の肥立ち」は、実感として、かなりきついものでした。
「産後歩き回ることによる弊害をうたった医学論文は存在しない」と、大病院の医師から伺いました。「(異常もないのに)帝王切開以外のフルコースを経験しちゃったねー」とざっくばらんに説明してくれた、私の担当医です。西洋産科医学では、産後は動いた方が、子宮の回復が促されると考えられています。また、動かないことでまれ~に血栓症になる可能性があるのが、何よりも危険だと。病院は「万に一つ」が起きないように設計するから、そりゃすべての経産婦に、動くよう推奨するわけですね。
子宮は休んでいても回復するのでそれは置いといて、血栓症予防にもつながると思われる、産後すぐからできる、足先だけを使うような体操は、「産後は動かない」派にも存在します。それでいいんじゃないでしょうか……?
病院では助産院のような上げ膳据え膳のシステムがないので、お産でパッカリ開いたあとの骨盤を骨盤ベルトで締め、手すりにすがりつくように、私も歩きました。骨組みががっしりした西洋人と違って、我々日本人は、昔ながらの床上げ3週間のノリでゆっくり休んだ方がいいんじゃないだろうか。その後の産後の肥立ちの悪さを経験するごとに、その印象は、確信に変わったんです。
骨盤の開きと閉じを確認する方法
大病院の1階には売店があり、骨盤ベルトも売っていました。でも、私のお産に立ち会った助産師さんによると、その大病院では、骨盤ベルト等を、妊婦さん、経産婦さんに薦めることはないそうです。皆さん、あれだけ歩いて、骨盤パカパカにならないのかしら? 退院後に、脂肪の成型を狙うタイプの、ガードルやニッパーで対処するんでしょうか。
でもガードルやニッパーでは、血流に悪影響があると容易に想像できます。子宮の回復にも響くし、骨盤の下側だけを締める、骨盤ベルトの方が、理にかなっている気がします。
ベルトでは腹肉の矯正にはなりませんけど、骨盤の下部をちゃんと締めると、腰のラインの見た目も、かなりシュッとしますよ。産後はおっぱいが腫れないよう食べ過ぎにも気をつけるから、私はかなりお尻が小さくなっていました。が、その後油断するうちに、たぶんちょっと開いてきちゃってますけど、それこそもっとお若い方なら、キュッと締まったままで行けるんじゃないでしょうかね。
そういう妊婦、産婦向け骨盤ベルトも、整体の先生に言わせると、必要がないそうです。ただ整体の場合は、産後すぐの過ごし方に特徴がある場合もあり、一般的に応用しづらいという印象。だから私はベルトを使う派です。そのうえで定期的に、整体等で、骨盤の閉じ開きや歪みを調整すると、安心でいいと思います。
骨盤の開き具合については、自分でも把握できます。仰向けに横になって、足先が開く角度をみてください。たぶん左右に違いがあると思います。外に傾きすぎているほうは、足首を内側にくるくる、あまり開かないほうは、外側にくるくる回します。同じく横になった状態で、膝を揃えて立てます。膝の高さが左右で違う場合は、膝を左右に倒し、揃うように調整してみてください。
妊娠・出産に強い療術師の先生には出張を頼める方も多いので、大仕事を終えた自分の体を調整しながら、床上げ3週間(できれば1ヶ月)、新生児と楽に過ごすのが、幸せで、いいと思います!
ベーシック・ミーサ
授乳もあるし、背中もバリバリ。風呂上がりにこの上にゴロンと寝転がるのはいいですよ。それが無理でも踏むだけで違います!
プレマ株式会社東京スタッフ
望月 索(もちづき さく)
8歳、5歳、1歳の三姉妹の母。
人一倍不摂生な出版仕事人が妊娠、出産、育児と経験を積むうちに、気づくとハードコアな自然派お母ちゃんに。
編集、ライター、プレマの東京スタッフ。
編著に『子どもを守る自然な手当て』、訳書に『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』など。
楽だから自然なお産ご質問などは下記ブログまで
http://macro-health.org