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GNHの国からブータン人にききました

運命を信じますか?

投稿日:

カルマ(業)

「運命を信じますか?」と聞かれると、なんだか少しうさん臭い感じがしますね。

日常生活を送るなかで私たちは運命について強く意識することは無いでしょう。

でも、ブータンの人たちと話していると「運命」を意味する「destiny」や「fate」という単語がしょっちゅう出てきます。

彼らにとって、運命とはすでにそこに「あるもの」で、信じるか信じないか、という問いかけ自体が無意味なことのようです。
それはしばしば、「カルマ(業)」という概念と関連づけて語られます。

カルマとは本来、仏教用語で「結果をもたらす行為」を意味します。

現世に起こる出来事は、前世の行いに起因するもので、現世の行いの結果として来世に起こる出来事が決まるという因果応報の考え方がベースにあります。

例えば、職場の同僚のブータン人女性は、息子を授かった2年後に夫を水難で亡くしてしまいました。

彼女はもちろん夫の死を悲しみましたが、

「彼は若くして亡くなる運命であったに違いない。前世の行いの結果、起こったことだ。彼が亡くなる前、息子が生まれて命は引き継がれた。今度は、息子が良い行いを積み重ねることで、悪いカルマを良いカルマに転換させることに注力すべきだ」

と夫の死を受入れ、乗り越えたのです。

ブータンでは、カルマは「ご縁」という意味でも語られます。

彼らにとって、特に、親友や恋人との出会い、そして別れには、カルマの力が作用しているのです。

世界中に何十億人も存在するなかで、あなたと私がであったのは、カルマであると。

私自身もよく、「ブータンに5年も住んでいるなんて、前世からのカルマの影響に違いない」と言われます。

今起こっているすべてのものごとには、必ず原因がある。

その原因は現世のことかもしれないし、前世のことかもしれない。

そう理解するため、起きてしまったことに対して、あれこれと悩んだり悔んだりすることがほとんどありません。

過去・現在・未来は、カルマを通して繋がっており、その結果起きるものごとのすべては、いわば「宿命」なのです。

ブータン映画にみる「運命」

そんなブータンの人々の考え方がよく表現されているブータン映画があります。

『Kushuthara~Pattern of Love(キシュタラ〜愛の模様)』は、ブータンで最も高価とされる手織物の名称。

ブータンの田舎に住むキシュタラ織りの女性と、その地を訪れた織物研究科の男性との切ない愛の物語。

ブータン初の女性映画監督カルマ・デキさんによるこの作品では、前世に叶えられなかった男女の想いが現世に別な形で生まれ変わり、カルマとして引き継がれていく様子が描かれています。
カルマはブータンの人々にとって、切っても切り離せない概念なのです。

ものごとがうまくいかないときには、前世の行いのせいにしてしまったり、来世があるさと開き直ってみたり。

一見、能天気にすら思えるブータンの人々ですが、彼らはそうやって現実を受け入れ、自分の心を上手にコントロールしているように見えます。

私たちも「運命」なるものの力を借りながら、一瞬一瞬を前向きに、時には開き直って解釈してみることが幸せへの第一歩なのかもしれません。

 

映画『Kushuthara- Patternof Love』(2016年/ブータン/67分/英語版)
米国A p p l e ストアまたはAmazon.comからレンタル・購入可能。
現在、日本語を含む各国語への字幕翻訳作業進行中

 

 

 

国際事業部 ブータン駐在員
松尾 茜(まつお あかね)

東京の大手旅行会社に5年間勤務した後、2012年よりブータン王国の首都ティンプー在住。ブータンの持続可能な観光開発事業に携わっている。地域固有の自然や文化、昔ながらの人々の生活を守りながら、ゆるやかに交流人口を増やし、地域経済を、訪れた人の心身を、着実に豊かにしていくような観光を、世界各地で促進していくことがライフワーク。

- GNHの国からブータン人にききました - 2017年5月発刊 vol.116

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