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GNHの国からブータン人にききました

国際事業部 ブータン駐在員

松尾 茜 (まつお あかね)

東京の大手旅行会社に5年間勤務した後、2012年よりブータン王国の首都ティンプー在住。ブータンの持続可能な観光開発事業に携わっている。地域固有の自然や文化、昔ながらの人々の生活を守りながら、ゆるやかに交流人口を増やし、地域経済を、訪れた人の心身を、着実に豊かにしていくような観光を、世界各地で促進していくことがライフワーク。

休日はどのように過ごしますか?

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ブータンの祝日

ブータンの総人口は約75万人。そのうち約6割は農業に従事しています。彼らにとっては、春の種まきから秋の収穫までが繁忙期、冬の閑散期はお休みです。一方、学校のお休みは土曜の午後と日曜日。公務員や企業で働く人は、基本的に土日祝日がお休みで、家事をこなし、家族や友人たちとのんびり過ごすのが一般的です。私自身も、休日は街で友達と会ったり、時には裏山へマウンテンバイクで出かけたり、家事をこなしたりとシンプルに過ごしています。東京で生活しているときは、土日のスケジュールはあっという間に埋まってしまい、お金も時間も、いくらあっても足りない状態でした。ブータンでは、東京のような盛りだくさんのイベントこそありませんが、季節の移ろいを感じたり、友人と語り合ったり、寺院に参拝して心身を清めたりして休日を過ごすうちに、人間の生活にとって本当に大切なものは何なのか、根本から見つめ直すことができている気がします。
今年、ブータンの祝日は21日間、土日との重複を除くと14日間あります。そのうち、実に11日間が仏教に由来するもの。「釈迦の涅槃の日」「ブータンに仏教を伝えたグル・リンポチェ生誕の日」といった具合です。このような祝日は「縁起が良い」とされ、同じお経を唱えても聖なる祝日はその効果が何千倍、何万倍にもなると信じられています。ゆえに、自然と祝日はお寺にお参りすることになるのです。年に一度、必ず各県で開催される仏教の祭「ツェチュ」の日も祝日となりますが、この日は家族そろって着飾り、身を清めるために寺院にて僧侶による仮面舞踏を鑑賞し、その後はお決まりのピクニック。歓談を通じ、地域コミュニティの結束力も自然と高まります。

 

巡礼登山のススメ

「ブータンの人たちは休日にスポーツを楽しむことはないの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。近年は、サッカー、バトミントン、バスケットボールなどを楽しむ若者も出てきましたが、今でもブータンの人たちの遊びといえば、国技の伝統的なアーチェリー(ダツェ)と、ダーツ(クル)が中心です。


そもそも休日のメイン・イベントである寺院参拝をするには、山登りをしなければならないことがほとんど。ブータンでは多くの寺院が、俗世から少し離れた山奥や断崖絶壁に建立されているのです。バター・ランプを灯すためのバターや線香、果物、お酒など、重たいお供え物を背負い山を登ります。寺院参拝自体が、かなりのエクササイズになっているのです。「寺院に参拝して、仏さまからのご加護をいただくのだ」という強い動機があるため、きつい上り坂もがんばって登っていくブータンの人々。澄んだ心で臨む山の頂からの景色、そして手作りピクニックランチの真心の味は、心身に染みわたります。休日に登山で心を浄化し、足腰を鍛え、また翌日からの仕事に臨む。シンプルかつ効果的な休日の心身リフレッシュ方法、巡礼登山。日本でも実践できる休日の過ごし方かと思います。みなさんも試してみてはいかがでしょうか。

ブータンの祝日の多くが仏教に関連した「縁起のいい日」。親戚一同で着飾ってのピクニックは定番です

 

国際事業部 ブータン駐在員
松尾 茜(まつお あかね)

東京の大手旅行会社に5年間勤務した後、2012年よりブータン王国の首都ティンプー在住。ブータンの持続可能な観光開発事業に携わっている。地域固有の自然や文化、昔ながらの人々の生活を守りながら、ゆるやかに交流人口を増やし、地域経済を、訪れた人の心身を、着実に豊かにしていくような観光を、世界各地で促進していくことがライフワーク。

- GNHの国からブータン人にききました - 2017年6月発刊 vol.117

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