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しなやかな影響力のレッスン

自分も周りも自然と良くなるために

影響力のスイッチを入れる専門家人材育成・組織開発コンサルタント

賀集 美和 (かしゅう みわ)

北海道旭川市生まれ。違いを超えて人と人が共に幸せな社会を創るには?その答えを求め日米の教育機関を経て、世界 900 店舗のレストランチェーン TGI FRIDAY'S で人材育成の道に。独立後10年の歳月をかけ、誰でも一瞬で一体感を生み出し互いを活かし合うボディヴォイス®の技術化/体系化を実現。講座や企業研修を通じ、慈しみと活力に満ちた発展的な社会を共に創り上げていく起業家や管理職などリーダーを輩出している。

弱さとの付き合い方

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幼少期の私は、どうも神経の細さが目立つ子供だったそうです。引っ込み思案で、デパートに行けば人や物の多さに酔ってしまいグッタリ。気疲れしやすく、また人の言葉に繊細で簡単に弱る。そんな子供でした。

そんな娘に対して母がとったアプローチは、「弱さを強さで克服する」。母も私のような子供だったそうですが、貧しさ、父親の病死、丁稚奉公、結核で瀕死体験などの困難を乗り越えるために、必然的に強くなった人でした。自分を厳しく律し、鍛え、困難と孤独を克服してきた母の背景もあって、私は「弱さを強さで克服する」子育て方針の成功事例のような、自分に非常に厳しい大人に育ったのです。厳しいしつけの効果は絶大で、高校卒業までには、強くなることで弱さを乗り越える基盤が見事に築かれていました。さらに海外生活とベンチャー企業でのストイックな生活がスパイスとなり、強さの基盤はその後の私に学業や仕事面で有利に働き、満足な結果をもたらしました。ですが、同時に人間関係では悩みのタネをもたらしたのです。

弱さを否定したら

「弱さを強さで克服する」ということは、自分の弱さを受け入れず否定するので、人の力を借りることが受け入れられません。自分ですべて成し遂げ、解決しようとします。他者の力を借りなければいけないなら、それは自分の努力や忍耐が足りない(すなわち弱い)という解釈になります。これでは他者の出る幕がありません。私の場合は、自分で全てどうにかしようとする人間でした。他者と協調したいと願いながらも、上手くいかない。その歪みは男女関係や仕事面で顕著に現れました。

他者の弱さに対しても厳しかったのか?というと、私の場合、他者よりも自分に対する厳しさが極端に強く出るタイプでした。なにかうまくいかないと自分を責め「自分がもっと頑張れば、物事はうまくいくはずだ」と考え、また我武者羅に頑張る。「なにかがおかしい」と違和感を持ちつつも、30代後半までこのアプローチを繰り返しました。自分が「弱さを否定し、強さで克服しよう」としていることさえ気づかないまま。

私は自分への攻撃がより強く出たタイプでしたが、人によっては、相手に厳しく出てしまうケースもあります。いずれも「弱さを強さで克服」するアプローチであり、時代や性別、地域を問わず長きに渡り弱さを否定し続ければ、強さや正しさを極端に求め重要視します。正論も振りかざしてしまいます。弱さを否定すれば、心身も組織も、果ては社会までが緊張で硬直します。硬さには弾力性がないからです。「他」と「多」を受け入れることが難しくなります。弱さがよいとか、強さが悪いといった話でもありません。なにかを否定すれば、そこには歪みや偏りが起きて、息苦しさを生み出します。自分に、周りに、関係性に、環境に対してさえも。

そんな社会では、人は二分されてしまいます。弱さに打ち勝ったサバイバーという勝ち組と、弱さと自分を同一化してしまった負け組。人と人がそんな単純な基準で分け隔てられ、上下で人を区別ではなく、差別する硬く生き辛い世の中ができあがります。私たちは今そんな世の中に生きています。

何世代にもわたり無意識的に踏襲され、強固に築かれた二項対立の社会構造。これは、深夜に恐竜に襲われることや、爆弾が落ちてくる可能性の極めて低い現在の日本でも持続され、次世代に受け継ぐに値するパターンなのでしょうか? 現代を生きる私たちが自覚的に変えてはいけないでしょうか? 私は皆さんとともに私たちの世代で、弱さとの付き合い方を変えていきたいです。

- しなやかな影響力のレッスン - 2021年9月発刊 vol.168

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